Intelの逆襲が始まる?
10コア20スレッドへ
Intelが今年末か来年初めに、Comet Lakeをリリースするらしい。
Comet Lakeは14nmプロセスで製造される新CPUで、デスクトップ向けではLGA1159と呼ばれる新ソケットを使用する。
Comet Lakeの特徴は、全てのモデルでHyper-Threadingが有効化され、さらにCore i5以上のモデルでDDR4-3200に対応すると言われている。
また、Core i9となる上位モデルは、10コア20スレッドとなり、最上位となるCore i9 10900KFはBoost時のクロック周波数が5.2GHzに達するようだ。
なお、気になるアーキテクチャだが、基本的にはCoffee Lakeと同じ設計になると考えられているが、より多くのCoreを搭載する関係から10コアもでるはiGPUが排除され、CPUのみのFモデル同等のものになるようだ。
なお、この最上位のCore i9 10900KFは、価格として499ドルとなると言われており、AMDのRyzen9 3900Xに対抗した価格になると言われている。
製品ラインナップは以下。
Core i 10000 series(CometLake-S / 14nm+++ / LGA1159) | |||||
コア数 スレッド数 |
キャッシュ | TDP | |||
周波数 | メモリ | 価格 | |||
Core i9 10900KF |
10-core 20-thread |
L2=256KB×10 L3=20MB |
105W | ||
3.40GHz TB 5.20GHz |
2ch DDR4-3200 | $499 | |||
Core i9 10900F |
10-core 20-thread |
L2=256KB×10 L3=20MB |
95W | ||
3.20GHz TB 5.10GHz |
2ch DDR4-3200 | $449 | |||
Core i9 10800F |
10-core 20-thread |
L2=256KB×10 L3=20MB |
65W | ||
2.70GHz TB 5.00GHz |
2ch DDR4-3200 | $409 | |||
Core i7 10700K |
8-core 16-thread |
L2=256KB×8 L3=16MB |
95W | ||
3.60GHz TB 5.10GHz |
2ch DDR4-3200 | $389 | |||
Core i7 10700 |
8-core 16-thread |
L2=256KB×8 L3=16MB |
65W | ||
3.10GHz TB 4.90GHz |
2ch DDR4-3200 | $339 | |||
Core i5 10600K |
6-core 12-thread |
L2=256KB×6 L3=12MB |
95W | ||
3.70GHz TB 4.90GHz |
2ch DDR4-3200 | $269 | |||
Core i5 10600 |
6-core 12-thread |
L2=256KB×6 L3=12MB |
65W | ||
3.20GHz TB 4.80GHz |
2ch DDR4-3200 | $229 | |||
Core i5 10500 |
6-core 12-thread |
L2=256KB×6 L3=12MB |
65W | ||
3.10GHz TB 4.60GHz |
2ch DDR4-3200 | $199 | |||
Core i5 10400 |
6-core 12-thread |
L2=256KB×6 L3=12MB |
65W | ||
3.00GHz TB 4.40GHz |
2ch DDR4-3200 | $179 | |||
Core i3 10350K |
4-core 8-thread |
L2=256KB×4 L3=9MB? |
91W | ||
4.10GHz TB 4.80GHz |
2ch DDR4-2933 | $179 | |||
Core i3 10320 |
4-core 8-thread |
L2=256KB×4 L3=9MB? |
91W | ||
4.00GHz TB 4.70GHz |
2ch DDR4-2933 | $159 | |||
Core i3 10300 |
4-core 8-thread |
L2=256KB×4 L3=9MB? |
62W | ||
3.80GHz TB 4.50GHz |
2ch DDR4-2933 | $149 | |||
Core i3 10100 |
4-core 8-thread |
L2=256KB×4 L3=7MB? |
65W | ||
3.70GHz TB 4.20GHz |
2ch DDR4-2933 | $129 |
iGPUに関しては詳細が不明なので割愛した。
全体的に、価格は以前のIntelからは想像できないくらいにリーズナブルになっている。やはりRyzenを意識しないワケにはいかないというところだろう。
iGPU混載もある?
前述したとおり、Core i9シリーズは基本的にはFナンバーのiGPUが削除されたコアになると言われているが、可能性としてiGPUをダイの上に残したものが出てくる事もありうるらしい。
この場合、Core i9シリーズは搭載しているiGPUを単純にDisableにした状態で製造されるのか、或いは完全にiGPU部分をカットした状態で製造されるのかがわからない。
シリコンダイの面積を稼ぐ上では、iGPUをカットした方が1枚のウェハあたりの個数が取れるので有利と言えるが、設計上の問題でウェハにiGPUの回路を残す…なんて事もあり得るのかも知れない。
その場合、クロックを低くする必要はあるが、iGPUが有効になったCore i9 10900などの製品が登場する可能性も否定できない。
こればっかりは、もう少し情報が出てこない事には予測の域を出ない。
Ryzen9と勝負したら?
やはり気になるのはRyzen9との性能比較ではないかと思う。
私も大いに気になるところだが、もしアーキテクチャ的にCoffee Lake Refreshと変わらないようであれば、シングルスレッド性能でもRyzen9はかなり拮抗した性能を見せる事になるだろう。
また、マルチスレッド性能では残念ながらRyzen9の方が上になるかもしれない。
ただ、Ice LakeではAVX-512命令に対応したユニットを搭載していると言われているので、もしCoffee Lake RefreshにAVX-512ユニットを加えたものとして設計されたなら、その性能はまた違ったものになるだろう(可能かどうかは私にはわからないが)。
ただ、現状ではAVX-512命令は一般的なプログラムには使われていない事の方が多い為、搭載されたとしてもその真価を発揮するのはまだまだ先になるだろうとは思う。
今の段階での私の予測では、Ryzen9 3900X vs Core i9 10900KFでは、シングルスレッド、マルチスレッド双方でRyzen9 3900Xの勝利という事になるのではないかと予想する(3900Xは12コアなのでマルチスレッドでは有利)。
しかし…Intelはどうしてこうもソケットを新しくするかね。
AMDは未だAM4ソケットでこの性能を叩き出しているというのに…。