Radeon RX 5700の次は5600が待っている。
謎のID「AMD 7340:C1」
Compubenchのデータベースに「AMD 7340:C1」というIDを持つグラフィックカードが登録されたようである。
それによると、このカードは24基のCompute Unitを持つ“NAVI 14”と考えられるカードで、Radeon RX 5700シリーズの下位に当たるもののようである。
WCCF Tech
http://j.mp/32s1fNV
上記リンク先の情報によると、7nm NaviというRDNA 1st Genに属するカードで、搭載するStream Processorは1536基になるという。
5700シリーズのStream Processorは2560基だったので、NAVI 14はNAVI 10と比較して随分とStream Processorが減らされている。その中間にNAVI 12が控えていたはずだが、そちらの情報はまだ出てきていない。おそらく、NAVI 12は搭載するユニット数を考えてもまさしく中間を埋める存在なのだと思われるが、先にローエンドを展開する予定で動いているという事なのだろうか。
ライバルはGTX 1660シリーズ
今回リークしてきたNAVI 14だが、ライバル製品となるのはGeForce GTX 1660シリーズになると目されている。
ただ…5700シリーズと比較して大幅に減らされたStream Processor数を考えると、GeForce GTX 1660Tiに迫る性能を出せるのかが非常に微妙な気がしてならない。
まだ情報が出てきていないとはいえ、おそらくNAVI 14が搭載するメモリが持つ性能としては、ローエンド向けと考えればメモリ幅は128bitになると考えられ、搭載するメモリ量も4GBになる可能性が高い。
メモリ速度とメモリ量は最近の傾向で考えれば単純に性能に直結する要素なので、GPUそのものの性能もさることながら、メモリも影響を与える事は間違いない。
価格的には3万円を切る設定として想定されるとは思うが、GeForce GTX 1660Tiは現時点でも実売価格として3万円以上のレンジに入るため、GeForce GTX 1660シリーズをライバルとしていても、このシリーズの最上位であるGeForce GTX 1660Tiはライバルとして想定していない可能性がある。
ここらへんは戦略の違いという事もあるので、まずはローエンド向けを発売しよう、というのがAMD側の方針なのだろう。
具体的にいつ頃発売になるかはまだ未定だが、Compubenchのデータベースに登場したという事は、おそらくそう遠くない内に発売されるものと思われる。
NVIDIA勢で埋められていた市場に一石を投じる製品群になる事を期待したい。
ディスコンになる
話は変わるが、AMDグラフィックスカードの(民生用という意味で)頂点にあるRadeon VIIがディスコンになったらしい。
つまり、製品としては現在市場に残っているもので最後、という事である。
Radeon VIIは、ハイエンド製品としてRadeon RX 5700シリーズと併売する、というアナウンスがあったはずだが、結局ディスコンにしたとなると、想定していたよりもRadeon RX 5700シリーズの性能が良かった、という事なのかもしれない。
実際、ベンチマークでもRadeon RX 5700XTは、かなり良い結果を出したと言える。
5700シリーズの上位製品を作ることができれば、確実にその上のレンジを狙っていけるという確信が生まれるだろうし、そうなればコスト的に見合わないRadeon VIIのディスコンというのは、市場の行き渡りを考えればディスコンという判断が出ても仕方のない話かもしれない。
結局、Radeon VIIは、メーカーオリジナルモデルが登場しなかったワケだが、全世界への出荷数を考えた時、その必要性がないと最終判断が出たのかも知れない。
現時点でのゲームパフォーマンスで最上位を狙う場合、どう考えてもGeForce RTX 2080系に行くのは目に見えている。そういった現状と現在の結果を冷静に比較検討すれば、自ずと答えが出た、という事ではなかろうか。
7nm関係の製品が発売された事で、AMDは今まさに勢いに乗っている。
この勢いに乗じてローエンドからハイエンドまで、GPUでも嵐を起こして欲しいものである。