やはりセガはセガだった。
メガドライブミニ、分解
先日も記事にしたメガドライブミニだが、既に分解レポート等が実際に分解を行った人たちによってレポートされている。
やはりというか、当然だが、メガドライブミニはARM系SoCによるエミュレータで動作しているようだ。
ただ、そのSoCに関してだが、日本に会社を構えるファブレス企業「瑞起」のもので「Z7213」というものが採用されているという。この「Z7213」がARMベースのSoCで、メガドライブミニのクレジット表記にLinuxカーネルのライセンスに関する記述がある事から「Z7213」上でLinuxを動作させ、それにメガドライブのエミュレータを載せてROMを動作させているというのが、メガドライブミニの動作要領になると思われる。
また、搭載しているメモリはDDR3で、動作クロックは1,600MHz(実クロック800MHz)となる。レイテンシは11-11-11-11とかなり遅いが、それ故に恐らくとても安価なのだろう。
ゲーム等を格納したROMには、SamsungのSLC NANDフラッシュが採用されていて、容量は4Gbit(つまり512MB)と小さいが、そもそもメガドライブのタイトルはどれも容量が小さいので問題ない。SLCというNANDフラッシュを使っているところからみても、耐久力を十分に考慮したものになっていると言える。
電源コントローラーはマルチコアSoC向けのX-Powers製電源コントローラを使用し、USB2.0ハブコントローラーはProlific Technology製のものが使われている。映像出力用にはExplore Microelectronics製の低電力HDMIトランスミッタが使われている。
全てを見ても非常に部品点数が少なく、低コストで製造できる事がわかる。
コントローラーは、一般的なUSB接続のものと言え、このままPCに挿すと10ボタンゲームパッドとして認識される(但しボタン7とボタン8は認識しない)。1枚基板のシンプルな構成で、ケーブルは根本を断線しにくいよう補強を入れてある。
全体的に見て、とてもシンプルな作りになっているが、それ故、手堅い作りで構成されている。
メガドラタワーミニにも…
問題は、同時発売されたメガドラタワーミニの方である。
こちらは、単にアクセサリーであり、何か通電させて動作させるものではないのだが、コイツにこそ、セガらしい仕掛けが用意されていた。
メガドラタワーミニの一番下にくるパーツ、つまりメガCDだが、当然コイツはタダのモックアップであり、プラスチックの箱である。
一応メガドライブミニの側面にあるスロットとドッキングする仕組みになっているが、ドッキングさせたからといって、メガCDのモックアップが動く事はない。
だが、このメガCDのモックアップを分解して中を開けてみると…そこにはセガらしい仕掛けが用意されている。
それが、紙によってメガCDの基板が再現されているのである。
もちろん紙なので意味はない。ただ、基板の写真がプリントされていて、CD部分にはCDが格納された状態でプリントされているだけである。
無意味だが、実にセガらしい。
モックアップの中なんておそらく誰も見ないハズのところにも、ちゃんと元々は基板があって、メカが入っていて動いていた、という事を主張するその姿があるからこそ、セガ好きのマニアが生まれ、付いていく人が増えるのである。
コスト最優先でしかモノを考えないメーカーだったら、このような事は許されていないだろう。セガだからこそ、ユーザーの視点でモノを考える。
これからの時代は、そういう企業こそ、生き残っていくのではないだろうか。
残った1台
私のミスで、コントローラーが一つ入ったメガドライブミニが未だそのまま手付かずで残っている。
ヤフオクなどで売却してしまう事も考えたが、今の所まだそのままにしている。
全くの未開封、未使用品である。
売却するとしても、送料が別途かかってしまう関係から、その送料の捻出をどう捉えるか、考える必要がある。
送料分高くても売れるモノなのか、送料分を私が負担して売却を進めるのか等、現状の流通状態を見て価格設定を考える必要があるわけである。
もし、今すぐ売却するのが不利である場合は、時間を空けてレアリティを上げる、という手も考えられる。
ただ、潤沢に出回っているものに時間を空けても、レアリティは上がるどころか亡くなってしまうので、その辺りも見極める必要がある。
私的には損金ができるだけ発生しない方がいい、というだけで、儲けようとかは考えていない。そもそも私のミスでの出来事である。
まぁ…メガドラ愛を貫いて保管用とする、という手もないわけではないが、使ってナンボのものでもあるので、状況を見て考えていきたい。
魔改造、くるか?
何度か通電させて遊んでいるが、ホントによく当時を再現していると思っている。
内部的にクラックさせて改造する人がでてくるかはまだ分からないが、クラックさせる事ができるかどうか、その難易度はPlayStation Classicよりも遙かに高いと考えられる。
PlayStation Classicの時は、そもそものエミュレーターがよく世間で出回っているものを流用し、しかもかなりザルなセキュリティで実装していた事から、簡単にクラックされ、収録タイトルを入れ替えたり追加したりできてしまった。
これはもうソニー側の確認の甘さが原因と思うし、そもそもこうした過去作を扱うハードウェアをどのように認識していたかの、メーカーとしての姿勢の問題であり、そういった意味ではセガでは相当に慎重になっているだろうし、ここまでメーカーが造り込んでいる事を考えれば、そう易々と改造できるとは考えにくい。
仮に、改造できなかったとしても、この作りでセガの姿勢がどういったもので、どこまで拘っているかというのは、よく分かる。
少なくとも、ユーザー側に好意的に受取られるハードである事は間違いない。
魔改造を狙っている側にしても、セガには一定の敬意を感じるのではないかと思いたい。
というわけで、残った1台の処遇はまだ決めかねている。
周辺状況を考えてこの先どうするかを考えていきたい。