1080p環境ならコレで必要十分かも。
Radeon RX 5500
AMDから、エントリー向けのRDNAアーキテクチャ採用のGPU「Radeon RX5500」シリーズが発表された。提供開始が2019年第4四半期なので、10~12月中には登場するものと思われる。
この5500シリーズは、1080p解像度における処理性能に注力したモデルで、主要なゲームタイトルで60fps以上、eスポーツタイトルで90fpsレベルのフレームレートを実現できる性能を持つとされる。
搭載するストリーミングプロセッサは1,408基と上位の5700シリーズの2,304基の約60%に抑えられ、PCI Expressレーン数もx16からx8とする事で低価格化を図ったモデルとなっている。
PCI Expressレーン数が半減している事で性能が頭打ちになる事を気にする人もいるかもしれないが、実は現時点ではPCI Expressのレーン数はx16であってもx8であっても、性能に影響を与えるほどの違いがないのはハイエンドも同じで、もし仮に違いがあっても誤差程度の違いしか出てこない。まぁ、その誤差を嫌ってハイエンド組はx16を採用する事に拘るのだが、ハッキリ言ってコストパフォーマンスとしては最低な選択である。
なお、この5500シリーズは旧製品で同ポジションとなるRX480より性能で約20%向上しており、消費電力は27%低いとされる。ダイサイズあたりの性能を比較すると1.7倍に達し、トータルボードパワー(ビデオカードの消費電力)は150Wとなる。最近、TDP(サーマルデザインパワー)という言葉ではない電力表示がよくなされるが、最近のハードウェアは負荷と出力でバランスをとって省電力機構が働くため、従来のTDPでは表現しきれなくなってきていると考えていいだろう。
周辺で性能の引き上げ
5500シリーズでは、RDNAアーキテクチャ、7nmプロセス、GDDR6メモリ、PCI Express4.0、最新のビデオデコーダ、ビデオエンコーダを上位モデルと同等に継承している。またFreeSyncもサポートされているので、エントリークラスで使用するには十分な機能は持っている。
ちょっと変わったところでは、オープンソースでのゲーム画面の画質を改善するFidelityFXに対応していたりするところもある。基本的には使い勝手の良い製品に構成されていると言える。
ライバルとなるNVIDIA製品は、GeForce GTX1650となり、価格的にも同価格程度(150ドル程度がスタート価格)になると見られ、ライバルに対して最大37%性能が高いとしている。
個人的に気になるのは、RDNAアーキテクチャでFluid Motionが未だ対応されていない事(調べて見たがまだ未対応の様子)。
現在の性能ではGeForce系と互角だから対応しない、という事なのかもしれないが、Radeonの最大の魅力は私にとってはFluid Motionにあると言っても過言ではないので、何とか対応させて欲しい機能なのだが、今後どうなるのだろうか?
とにかく1080p環境であれば、このクラスで十分という製品になってきた。
バカ高いGPUを使っている私が言えた義理ではないが、ようやくエントリークラスの製品に広がりが見えてきた。
いつまでもNVIDIAだけが選択肢ではない、という事をぜひとも見せつけてもらい耐ものである。