「セガサターンミニ」なるものに強烈に期待しているのだが。
残っていたメガドライブミニ
9月に発売されたメガドライブミニを私の余剰注文で1個多く購入してしまった件だが、無事、社内の人に欲しいという人が現れたので売却が決まった。
多少ディスカウントしたが、送料がかかるわけでもないし、何よりヤフオクなどで売却しても最近は結構安い価格で取引されているので、自分では納得できる価格で売却が出来たと思っている。
その引き取ってくれた人と、当時のゲームの話をしていると、当時は今よりずっとゲームというものに活気があったな、という点で意見が合致した。
双方の見解として、やっぱり最もゲームというコンテンツが盛り上がったのは、PlayStationとセガサターンの両雄が競い合っていた時期ではないか、という話をした。
メガドライブの頃も確かに盛り上がっていたが、ゲームのジャンル幅がかつてないほどに広がったのは、紛れもなく初代PlayStationやセガサターンが登場した頃だったように思う。
特に初代PlayStationは、所謂ゲームセンターに足を運ぶようなゲーマーと呼ばれる人だけでなく、一般の人達にもゲームというものを広めた結果、全体のゲーム層を形成する人口を爆発的に増加させた。
これは、PlayStationとセガサターンの普及台数勝負で敗北したセガサターンが国内で500万台以上を売り上げている事でもわかる。当時は家庭用ゲーム機を500万台も売れば大ヒットだったのである。しかし、PlayStationは国内で1,900万台も販売した。この1,900万台という数字は、ほぼ市場独占状態だった初代ファミリーコンピュータの販売台数に等しく、1,700万台というスーパーファミコンの販売台数を超えるものである。ちなみにメガドライブは国内で385万台。つまり、普通はこれぐらいの販売台数でもハズレではないのである。
数字から見ても、PlayStationとセガサターンが販売されていた時代はゲームが盛り上がっていた時代だという事がわかるわけで、メガドライブミニを引き取ってくれた人も「セガサターンでこういう製品が出てきてくれないかなぁ」と言っていた。
セガサターンミニ
個人的には出して欲しいが、セガサターンミニが発売されるかは勿論わからない。
もし実現したなら、こんなイメージかもしれない。
セガサターンは流通経路が異なるVictor製のVサターンやビデオCDやフォトCD再生機能を搭載していた日立製のHiサターンという互換機が存在しており、そうしたライセンス問題をクリアしないと製品化は難しい側面があるかもしれない(もちろんないかもしれない)。
ただ、技術的には決して不可能ではないのでは? と思える。何故なら、当時のハードウェア性能でほぼ互角の処理能力を持つPlayStationは、既にPlayStation Classicとして発売しており、それがエミュレータで動作している事も分かっているだからだ。
しかし、セガはセガサターンミニを作らない理由として「単純にコストと技術の問題」と言う。メガドライブミニ開発の中心人物である宮崎浩幸氏の言葉である。
逆にエミュレーションという意味では、その後に発売された「ドリームキャスト」の方がやりやすいと世間では言われている。
おそらくセガサターンミニの実現を難しくしている理由は、そのセガサターンのハードウェア構造に問題があるのだろう。セガサターンは当時としても珍しいマルチプロセッサで構成されたハードウェアであり、しかもCDデバイスとカセットデバイスへのアクセスを可能にしていたハードウェアである。まずもって構造が複雑で、これを実現できる半導体の原価が、現時点ではコストに見合わないという事らしい。
セガとしても、出せるならセガサターンミニは魅力ある製品になるだろう事はわかっていると思うが、現時点でセガ自身がコストと技術の問題として製品化できてもまだまだ先の事、と考えているようであれば、この「ミニ」ブームの流れに乗って製品化するという事は可能性として相当に低いと言える。
メガCDミニ
以前当Blogでもちょっと書いたが、メガドライブのCDタイトルを収録した製品が、公式では予定はないとしつつも噂として浮上したとかしないとかいう話がある。
正直、メガドライブは前述したように385万台売れたものの、メガCDは国内では38万台しか売れていない。なのでメガCDソフトをプレイした事のある人の方が圧倒的に少ないのが今の状況で、中には出来のよかったタイトルもあるだけに、それらを掘り起こすというのも、製品としては面白い話である。
ただ、メガドライブミニのように多数の人の受け皿となれる製品として考えると、メガCDミニよりもセガサターンミニの方が訴求力があるのは間違いない。
パンチ力のあるタイトルも、セガサターンの方が圧倒的に多いし、当時のゲームセンターで遊べたタイトルもセガサターンは結構数多く移植しているので、商品訴求力は段違いだろう。
メガドライブミニでの拘りが一部マニアユーザーに浸透している今の段階なら、セガサターンミニなる製品が発売されるとなると、メガドライブミニの購入者はほぼ間違いなくセガサターンミニも購入するだろう事は容易に想像できる。ある意味、PlayStationファンよりもセガファンの方が、この辺りは忠誠度が高いので、販売台数は相当数期待できると思われる。
思われるだけに、メガドライブミニ開発の中心人物である宮崎浩幸氏の言葉である「単純にコストと技術の問題」で出す事が困難というのが悔やまれる。
出さないとは言っていない
セガサターンミニに関してだが、セガから公式に「発売しない」とは言っていない。
当然「発売する」という公式見解もないわけだが、可能性はゼロではない。問題はその時期がいつになるか、という事。コストが採算の取れるものになるのが何時頃になるかは、正直わからない。供給される半導体の価格から見て10年単位の話になるかもしれない、とすら言われる。
もし発売するとしても、今度はそこから収録タイトルの厳選にものすごい時間をかける事になるだろうし、移植度を上げる時間も相当な時間が必要になるだろう。
ただ、やると決まったなら、とことんやるだろうという事が想定できてしまうのがセガという会社である。
こうして考えると、セガって…スゴイ企業だな、と改めて思う。
過去の遺産だけでもマニアが集まってきて盛り上げる事のできるコンテンツを多数持っていて、しかもセガ自身もこのマニア達を唸らせる結果を常に出してきているワケで、その供給者と消費者の関係は、他とは異なる特別なものを感じてしまう。
このメーカーと消費者の絆で、セガサターンミニ、ドリームキャストミニと続いて発売される事を切に願いたい。