あとは動力を持つマシンの登場を待つだけか?
世界最小のイメージセンサー
OmniVision Techonologiesという会社が開発したイメージセンサー「OV6948」が商用イメージセンサーで世界最小としてギネス世界記録に登録された。
「OV6948」は内視鏡などの医療用イメージセンサーで、わずか0.575×0.575mmというサイズでありながら、200×200ドット解像度(4万画素)の映像を30fpsでキャプチャできる。このセンサーを搭載したカメラモジュール「OVM6948 CameraCubeChip」も、本体サイズは0.65×1.158×0.65mm(幅×奥行×高さ)というサイズで、相当に小さいと言える。
このイメージセンサーは高効率なウェアレベルパッケージング技術によって小型化を実現できるようになった事から可能になり、センサーにはバックサイド光源を備えている。LED光源の発熱を抑えながら、低照度環境下においてもイメージを出力可能にしている。独自技術によって容易にキャリブレーションが可能で、4ピンのインターフェースによってシンプルな接続性を持っているという。
医療で実力を発揮
カメラモジュールとしては、120度の視野角と3mm~30mmのフォーカスレンジを持っていて、アナログ出力は4m超の転送が可能になっている。それで消費電力は25mWであり、省電力かつ超小型かつ広視野角という事もあって、医療においてその実力を遺憾なく発揮する事が期待されている。
主に期待されているのは、神経、眼科、耳鼻咽喉科、心臓、脊髄、泌尿器科、婦人科および関節など、身体の中でも細い血管内の映像を映し出す必要のある環境で、需要が拡大している内視鏡分野のニーズに応える事が期待されている。
流石にこれだけ小さいと、体内、とくに血管内の撮影に威力を発揮する事であり、また現在大きな設備で映像化している胃カメラなどをより容易に実現できる事が期待されるのではないかと思う。
人生100年時代
日本では、現在は「人生100年時代」に向けたいろいろな見通しを行っている。
年金の更なる後送りなどは、まさにその一つの流れであり、今後は定年が70歳、さらにその上に行く可能性もあるし、また定年後の雇用という動きもより活発化していく。
この時、もっとも重要になってくるのは、やはり健康であり、身体を健康に保つ事、そして病気になった時でもより安価で高度な医療が受けられるようになる体制ではないかと思う。
そういう時、もっとも役立つ技術は、やはり体内の情報をより鮮明に、より明確に知る技術であり、体内にナノマシンを入れ、異常箇所がないか調査する事が簡単にできるようになると、こうした健康を保つという活動が大きく前進する。
現時点では撮影するモジュールがこの大きさになったワケだが、今後はこのサイズの動力を可能にするユニットが登場する事である。AIの発達と共に、このサイズの動力を持つメカが体内に入り、血管内から異常を発見してくるという事が可能になると、重態化する前に治療する事ができる時代がやってくる。
その為には、もっと半導体は小さくなる必要があるし、AIはより高度化していく必要がある。
もちろん人自身が健康意識を高く持っていく必要はあるが、全ての人にそれを強いる事もできないのも事実だ。そういうところをカバーするのがテクノロジーであり、その事で全体の医療レベルの底上げをしていくのである。
今度は、ロボット技術がより小さくなる発表があるといいなと思ったり。
攻殻機動隊のような未来が来るのはもっと先だろうが、その前に体内をロボットで治療していく時代がそう遠くない内にやってくる…そんな気がしてならない。