先日も記事にした「十三機兵防衛圏」の事。
序盤を3時間分
私が今もっとも注目している作品と言っても過言ではないPS4タイトル「十三機兵防衛圏」だが、先日もBlogで紹介した通り、序盤まるごと3時間分を体験できる「序盤まるごと体験版」が10月30日に配信される事が発表された。
「十三機兵防衛圏」は、アドベンチャーパート「追想編」とバトルパート「崩壊編」、そしてアーカイブパート「究明編」という3つのパートを交互に行き来し、その世界の謎を明らかにしていく流れを持っている。
ストーリーとしては、突如宇宙より飛来した物体によって平和が破壊され、13人の少年少女が機兵とよばれるロボットでそれに立ち向かっていくというもの。
簡単に説明するととんでもなく簡単な説明ではあるが、問題はその機兵というものが何あり、そもそもそんなロボット技術がどこからやってきて、そして13人の少年少女たちにはどんな関係があるのか、など、分からない事だらけというのがこのゲームの序盤である。
一番最初が1980年代であるため、当時流行ったジュブナイル要素を多分に持つ雰囲気に、多くの人が飲み込まれると思われる作品である。
私はこの「十三機兵防衛圏」のプロローグという先行版をプレイしたが、一つの謎に対していくつもの伏線を持った謎が増えていくので、この時点でストーリーに飲み込まれてしまった。
しかも、進めていく内に年代が変わり、1940年代の話に飛んだり、或いは今より未来の20XX年といった時代に飛んだりする。要するに、タイムリープ的な要素を含んでいるので、未来で確立した機兵技術が過去にもたらされる事で現代に起きる脅威から防衛する、というようなストーリーが組み上がっていくわけである。
ただ、その中にも何故そうなるのか?といった要因的な謎もあれば、組織的な謎も絡んできたりするので、ストーリーを進めていけばいくほど、そこにのめり込んでしまう面白さがある。
まぁ…おそらく私の説明だけではこの面白さは伝えられないので、興味のある人はぜひ「序盤まるごと体験版」をプレイしてみて欲しい。
十三機兵防衛圏 公式サイト
http://13sar.jp/
実はまるごと6時間
この「十三機兵防衛圏」の「序盤まるごと体験版」だが、基本的には序盤3時間分がプレイできる体験版になっている。
だが、もし「十三機兵防衛圏 プロローグ」を所持している人がこの体験版をプレイすると、なんと序盤6時間分がプレイ可能になるという。
3時間が6時間になるキーは「十三機兵防衛圏 プロローグ」のセーブデータがあるかどうか。
なので、おそらく「十三機兵防衛圏 プロローグ」が特典として付いてきた「ドラゴンズクラウン・プロ」や「オーディンスフィア レイヴスラシル」のキャンペーン版を持っている人であっても、序盤6時間プレイにはなると思う。
普通に考えて、序盤6時間をタダでプレイ可能にしてしまったら、全体の20%(総プレイ時間30時間と想定)をタダで提供しているようなものである。
要するに、序盤6時間プレイしても作品的にはまだまだ先がある、と感じさせるほど、本編は重厚な作りになっている、と捉えても良いのではないかと思う。
昨今、こんな作品は珍しいのではないかと思う。
2Dグラフィックの頂点
ヴァニラウェアの作品は、基本的に2Dグラフィックスの良さを売りにしているタイトルである。
「オーディンスフィア レイヴスラシル」も「ドラゴンズクラウン・プロ」もそうだし、今回の「十三機兵防衛圏」も同じである。
そもそも、その初タイトルである「プリンセスクラウン」そのものが2Dグラフィックスを売りにしていたタイトルなので、ヴァニラウェアとしては実にプレない作品作りを続けてきたメーカーという事になる。
作風を見て「3Dでやればもっと楽に出来るだろうに…」と思うような演出であっても、2Dグラフィックスが売りのメーカーなので、力業で2Dで演出しているところに、その拘りが感じられる。
「十三機兵防衛圏」の追想編でも、その2Dグラフィックスの造り込みの凄さはズバ抜けていて、現代ではヴァニラウェアを超える2Dグラフィックスを体現するメーカーはないのではないかとすら思えてくる。
1980年代という時代を表現するのに適した色合いを使い、さらに光のエフェクトを合せたりして全体の雰囲気そのものを古めかしくしたりする表現は、3Dでも可能かもしれないが、2Dだとより味わい深く感じるのは、私が日本人だからだろうか?
そもそも、欧米のタイトルでこのような表現はあまり見かけないので、懐かしくもあり、新しくも感じる、とても不思議な見え方だと思う。
「十三機兵防衛圏」は、そうした表現の粋を集めたもの…そんな感じではなかろうか。
「十三機兵防衛圏」は現時点でも万人にお勧めできると思っているタイトルなので、気になる人は公式サイトで確認してみる事をお薦めする。