昔のイメージとは異なるイベント。
モーターショーでない?
東京ビッグサイトにて、東京モーターショーが行われている。
今年は有明だけでなく、青海にも会場を分けているのだが、理由は東京オリンピックの為に、ビッグサイトの一部がその準備に入っている為、ほぼビッグサイトの東館が使えない状態になっている為。
というわけで、ビッグサイトの西館と南館を有明エリアとし、ビッグサイトの南西エリアとメガウェブなどを合せたエリアを青海エリアとして新設、2つのエリアを使用して東京モーターショーが開催されている。
こういったイベントは、雑誌社やメディア向けに公開されている業者日は、人もそんなに多くなく自由に行き来ができるのだが、一般公開日となるとそうはいかない。
1990年代には200万人いた来場者だが、今ではその半分以下となる90万人程度と言われているが、それでも人は溢れるほどいる事に違いはない。
なので私も既に東京モーターショーなどは行かなくなってしまったが、気になるイベントではある。
トヨタのCMなどでも、今年の東京モーターショーは車のショーというよりは人のショーと言っているぐらいなので、相当に中身は以前と異なっているようである。
どちらかというと、車のショーというよりは近未来で実生活が変わっていく事を示すような展示が多いようである。
なので、新車の公開というよりは今後のモビリティを暗示するような展示も多く、コンセプトとなる催しが多い感じ。
新車が続々と登場していたバブル期では、新車発表の場みたいな感じだったのが東京モーターショーだが、ここ数年はそういう雰囲気ではないという事である。
それがよく分かるのが、主催である自動車工業会が公開している東京モーターショー2019のPR MOVIEである。
出展・参加ギ業は187社になるらしいが、その中身としては「近未来の1日を体験してもらう」というコンセプトに始まり、近未来の車などのコンセプトカーを見せ、車と未来の都市との関係を見せるエリアを用意し、未来の生活がどんなものになるのかを見せるような、そんな一連の流れを展示する、そんなイベントに仕上げられている。
モノづくりショーにしてしまっては?
実際、車を中心としたイベントである事は間違いないのだが、あらゆる所に近未来の生活を主体としたコンテンツが用意されているのが、今回のモーターショーの特徴である。
いや、この流れは今に始まった事ではないのかもしれないが、徐々に魅せ方そのものが車というよりは近未来の生活という方向にシフトしていると言える。
国内メーカーのモノづくりのアウトプットによって、現実社会の生活が今後どのようなものになっていくのか、を事前体験する場、と言い換えてもいいかもしれない。
バブル期全盛期の時は、そうした近未来感がなかったわけではないが、それらの中心は近未来の車に目が向いていたが、今では車ではなく、モビリティのある生活という所を中心にしてイベントが構成されている。
このトレンドの違いは、もう既に車が昔ほど売れる時代ではない、という事を暗に示唆しているようで、このイベント自体がモーターショーでなく、モノづくりショーになりつつある事を意味しているように思えてならない。
別にそれが悪いという事を言っているのではなく、モーターショーという枠に収まる時代は終わったのではないか、という事である。
これはある意味、見る側もそうした意識の中でこのイベントを見ていく必要がある事を意味していると私は思う。そうでないと「新車があんまりなくてツマラナイ時代になったな」と感じてしまうからだ。このイベントはもうその次元に収まらないイベントになり、中心が車ではなく、日本の製造業全体のアウトプットに移っていると言える。
一層の事、モーターショーという名前を止めてしまってもいいんじゃないかとさえ思えてくる。
多分、自動車工業会の会長である豊田章男氏はそういう事を示しているのではないかと思う。
こういうイベントなら、もう一回くらい見てみたいな、と思うが…
やはりあの人だかりはちょっとねぇ(-_-;)