今フルHDモニタを使用している人向けならアリかもしれない。
439P9H1/11
Philipsから、43.4型液晶ディスプレイ「439P9H1/11」が11月下旬に発売される。実際にはMMD Singapore Pte Ltdが発売となるのだが、そこら辺は消費者にはあまり関係がない事かもしれない。
価格はオープンプライスとなっているが、予想価格で109,800円前後になるという。
「439P9H1/11」は、1,920×1,200ドット(WUXGA)パネルを2枚横に並べた解像度である、3,840×1,200ドットというアスペクト比32:10という横長の曲面パネルを採用した液晶モニタで、駆動方式は非光沢のVAパネルになる。曲率は1,800Rで、DisplayHDR400認証を取得、450cd/平方mの輝度を持つ。
特徴としてUSB3.0 Type-C接続を通じたドック機能を持っていて、DisplayPort Alternate ModeとUSB Power Delivery 3.0(75W出力)に対応する。これらに対応したノートPCとはケーブル1本で映像伝送&給電が行えるのが便利である。
モニタ上部にはWindows Helloに対応したWebカメラがあり、Windowsへの顔認証ログインに対応している。他にもPBP機能やフリッカーフリー、ローブルーモード機能などを備えている。
パネルの色域はsRGB比123%、NTSC比105%、Adobe RGB比91%、DCI-P3比95%をカバーし、応答速度はスマートレスポンス時で5ms、コントラスト比3,000:1、視野角は上下左右178度というスペックになる。
機能的には最近のモニタらしい機能を多数持っているが、FreeSyncやAdaptive Syncのような機能は搭載しているような感じはない。
横長というウルトラワイド液晶ではあるが、この表示解像度はかなり特殊とも言える。
縦解像度がもう少し…
個人的に、このモニタの解像度は「現状フルHDモニタを使用している人」向けに調整されているようにしか思えない。
27インチWQHD(2,560×1,440ドット)くらいのモニタを使っている人がウルトラワイド液晶を選ぶとしたら、本製品は選択肢に入らないだろうと、私的に推測する。
ウルトラワイド液晶の醍醐味は確かに広い左右解像度にあるが、縦解像度として1,200ドットは結構中途半端である。
もちろん1,440ドットも中途半端ではあるのだが、WQHD解像度の縦解像度が1,440ドットであるため、それを基準にしている人であれば1,440ドットはまだ許容範囲にある。しかし1,200ドットはイマドキの環境としては中途半端すぎる。
私が理想としている解像度は、実の所3,840×1,600ドットだったりするので、ホントはもっと縦解像度が欲しいところ。
しかし、今の所この解像度を実現しているパネルは1製品しか登場していないので、今後同じ解像度の製品が出てくる可能性は結構低い。
となると、希望の縦解像度以上の環境を求めようとしたら、対象は先日理想のモニタとしたAcerの「Predator CG437K P」のように42.5~43型の4Kモニタという事になる。
これだと縦が大きすぎてPC前に置けない、という人も多いだろう。私もその一人である。
PC前に置くモニタとしては、横長の方が置きやすいのは事実で、そういうところからウルトラワイド液晶の需要があると言える。ただ、万人が共通している仕様ではないので、理想の製品を探すという事そのものが難しい話になる事は、私が理想のモニタに出会えない事でもわかると思う。
とりあえず、とにかく価格的に安く、それでいてとにかく横長のモニタが欲しいという一つの形を実現するのが「439P9H1/11」である。
もっと解像度が欲しいとなると、他の選択肢を選ぶ必要があるが、適度なところで考えている人であれば、選択肢の一つになるかもしれない。