エントリー向けAPUだがオーバークロック可。
価格は7,678円(税込)
先日も当Blogでちょっと触れた、AMDのエントリー向けAPU「Athlon 3000G」が発売された。価格は7,678円(税込)で、とても手の出しやすい価格になっている。
製造プロセスは14nmで、Zen+アーキテクチャのCPU部分とVegaアーキテクチャのGPUを内蔵している。最大の特徴はこの価格帯にあってクロック倍率がアンロックされているため、オーバークロックが可能という事である。
CPUは2コア/4スレッドでTDPは35W設定。対応メモリはDDR4-2667で、グラフィックス機能としてRadeon Vega 3Graphicsを内蔵している。グラフィック性能としてはあまり期待できる性能ではないが、それでもHD+ 1080pゲームは動作する。
直接競合するIntel CPUは「Pentium Gold G5400」となるが、オーバークロックできる分、性能はその上を行くと言われている。
本製品の一番の問題は、アーキテクチャがZen+アーキテクチャだという事。
以前、Athlon 240GEという製品が発売されていたが、中身的にはそれとほぼ同じで、違うのはオーバークロックできるという事ぐらいしか違いがない。
Zen2アーキテクチャならいざ知らず、前世代のアーキテクチャを持ってきたという事は、おそらく在庫処分ではないかと思えるシロモノである。
ま、それでも価格が安く、オーバークロックできる分意味が全くないわけではないので、ローエンドマシンに使用するCPUとしてはアリな製品かもしれない。
性能はいかほど?
で、気になるその性能比なのだが、具体的なレビューはまだ発売されたばかりという事もあってよく分かっていない。
ただ、海外サイトで評価された記事を見ると、BattleField Vの結果として、解像度1280×720の設定で、Ryzen3 3200Gが58.4FPSに対し、ノーマルのAthlon 3000Gが41.9FPS、オーバークロックしたAthlon 3000Gで54.9FPSをマークしたようである。
同条件だと、Radeon RX 550が99.4FPSなので、ディスクリートGPUの性能の方が圧倒的ではあるが、内蔵GPUでこれだけ頑張れれば、意味もあるというものである。
とにかく安く済ませたい、という人向けの自作PCパーツ、というのが、私の製品的位置付けである。
もしこれがZen2アーキテクチャだったら、相当なインパクトのある製品だと思うが、残念ながら今の所はZen2アーキテクチャでコノ手の製品の話は聞かない。
恐らく、そう遠くない内にZen2+RDNAで構成されたAPUの投入が行われるとは思うが、その時にはAthlonの名ではなく、RyzenGの名で製品化される可能性もある。
ただ、もしZen2+RDNAの構成となると、現時点ではFluid Motionが使えないので、Zen2+Vegaという構成のAPUの方が意味がある、という人もいるかもしれない。一応、その構成になるだろうといわれているのが、Renoir世代のAPUで、今年8月半ばに話題に上がったAPUで、現在Ryzen 4000Gという名になるのではないか? と予想されている。
このような製品になると、価格的にはAthlon 3000Gよりは高い製品になるだろうから、直接競合する製品ではないが、上を狙うなら検討できる製品にはなるだろう。
現状で最安値で検討するか、さらなる上を目指してしばらく待つか…。
私ならしばらく待つ、という方向に向かいそうではあるが、安さが常に最優先という人もいるので、本製品はそういう人に向けたものと言えるのではないかと思う。