ミドルレンジのRadeonが登場。
発売は12月18日
AMDがフルHDゲーミング向けのビデオカードとして「Radeon RX 5500XT」を発表した。
米国価格で4GB版は169ドル、8GB版は199ドルとなり、日本国内は12月18日に発売を開始する。
この「Radeon RX 5500XT」は、10月初めに「Radeon RX 5500」を発表したビデオカードの系列モデルで、AsRockやASUS、GIGABYTE、MSI、PowerCooler、SAPPHIRE、XFXから発売される。「Radeon RX 5500」はOEMに提供されたモデルで、自作PCユーザー等が購入できるモデルではなかったが、今回の「Radeon RX 5500XT」は市販されるパーツとなる。
仕様としては発表された「RX 5500」と共通で、RDNAアーキテクチャ採用のStreamProcessorが1,408基、ベースクロック1,607MHz、ブーストクロック1,845MHz、14GbpsのDDR6メモリを搭載する。消費電力は130Wと、ミドルレンジらしく比較的小さく抑えているが、この消費電力を見る限り、もう1ランク下の製品も登場しそうな雰囲気ではある。
本製品の競合製品は、NVIDIAのGeForce GTX 1650 SUPER(4GB版)になるだろうが、それと比較するとフルHD解像度タイトルにおいて4~30%のアドバンテージがある、とAMDは言う。8GB版なら、さらに12~24%の性能向上が見込めるらしいが、おそらくそれは最近のタイトルはビデオメモリ使用量が大きいからだろうと思われる。
ただ、同じAMDの製品と比較すると、ほぼ同等の性能のものが「Radeon RX 580」となり、消費電力は相応に低減されていると言える。
RDNAの今後
AMDがRDNAという新しいアーキテクチャを採用した事で、ゲーミング性能は格段に上昇した。逆に従来のGCNアーキテクチャ(Vega含む)は、GPGPUでの活用を主とした方向で利用される、としているが、Radeon VII以降、同アーキテクチャ採用のビデオカードが登場していないので、何とも言えない。
業務向け以外であれば、今後は間違いなくRDNAアーキテクチャの製品を投入してくる事はわかるのだが、今の所ミドルハイ、ミドルレンジの製品しか登場していない。ハイエンドと呼ばれる製品が登場するのは2020年と言われているが、それがどういった製品になるのかはまだ見えていない。一説によれば第2世代RDNAアーキテクチャを採用したものがハイエンドとして投入される、という話もあるが、何をもって第2世代とするのかがわからない以上、その性能が見えない事に違いはない。
ただ、PlayStation5にRDNAアーキテクチャのGPUを採用し、それにはレイトレーシング機能を搭載する、としているので、可能性として第2世代のRDNAアーキテクチャはレイトレーシング機能を内包したもの、という見方はある。
どちらにしても、新しい世代に入った事で、従来製品との違いがより明確化していくのだが、その中で消えていく技術があるようであれば、それは残念な話ではある。
何を指して言っているのかというと、Fluid Motionである。
RDNAアーキテクチャの製品が世に出てきてから3ヶ月以上が経つが、未だにRDNAに対応したFluid Motionは登場してきていない。そもそも、再生プレーヤー側で対応しないといけない技術なので、普及しにくい側面があるため、ユーザーからの要望がないからなのかも知れないが、今後機能が実装されるのかが非常に危ぶまれる。
Fluid Motionなんか関係ない、という人であれば、私の悩みなど無関係なので、どんどんRDNAアーキテクチャ製品へと乗り換えればいいと思う。
十分にNVIDIAに対抗できるだけの性能になっているので、以前よりは安心して導入できるハズ。そういう意味で「Radeon RX 5500XT」は良い製品ではないかと思う。