ここ2年くらい考えてこなかった事を考える時期にきた。
周辺事情から考える
自宅のメインPCに関して、ここ2年くらいはあまり考える必要がない時期だったと思っている。
メインPCに搭載しているCPUは、Core i7-8700Kと6コア12スレッドの性能を持っている事から、普通に使う分には何ら性能的に問題を感じる事もないし、PCゲームや画像処理などに使用しても特別ネックになるような事がなかったワケだが、2020年ともなると、周辺状況の進化の度合いと比較して、そろそろ見直しをした方がいいのかもしれないという機運に巻き込まれる事になったように思う。
というのは、コンシューマ機であるPlayStation5が2020年末くらいに登場するという予定で動いており、そのPS5にはAMD製Zen2アーキテクチャのCPU(正確に言えばAPU)が搭載され、その搭載コア数は8コアになると言われている。ライバルのXboxの新型も同様である。しかも組み合わされるGPUにはレイトレーシング性能がハードウェアレベルで実装される事も公にされている。
つまり、今後の据置ゲーム機の基本性能は、8コアCPU&レイトレーシング可能なGPUになるわけで、今のままでは私のメインPCは性能においてコンシューマ機を下回る事になりそうな予測が立つわけである。
もちろん、実際には動作クロックや搭載するメモリ量、GPU性能等でウチのメインPCが今後のコンシューマ機の性能を下回ると確実には言えない部分があるのだが、少なくともPS5が搭載するSSDのアクセス速度の速さは凄まじいものがあり、現時点ではメインPCが今後のコンシューマ機を大幅に性能で凌駕する事は難しいのは、ほぼ間違いない事になるだろう。
そうなると、やはり私としてはイマドキのCPU事情に乗っていけるハードウェア構成を考えたくもなるわけで、2020年には部分的にメインPCのハードウェアを更新する検討をする段階にあると言える。
CPUコア数は8以上か
PS5等が8コアになる。
そうなれば、私のメインPCも8コア以上の性能を持たせる事がほぼマストになる。
問題は8コアで良いのか? という事。
8コアより上となると、10コア、12コア、16コアが候補になるが、10コアはIntel製CPUしか該当しない。IntelのComet Lake-Sの最上位が10コア20スレッドのCPUである事がほぼ確定しているワケだが、ブランドとしてはCore i9の系列となるので、価格的にはかなり高めな設定になるのではないかと予想している。
おそらく、そのCore i9系列と同等クラスになると予想されるのが、AMDのRyzen9 3900Xという12コア24コアスレッドのCPUだが、おそらく価格的にはRyzen9 3900Xの方が安くなるものと予想している。
これは、Ryzen9 3900Xの方が先行して既に発売されている、という事と、Intelの新製品が登場すれば、AMDが価格を落として対抗する、と予測されるからである。
現時点でAMDはZen3アーキテクチャを2020年末を視野に入れて登場させると言っているが、それはサーバ分野の話と言われていて、同じく年内にコンシューマ分野へそれを落としてくるかはわからない。となると、戦略的には価格を落としてくるという道筋が見えてくる。
ま、当たらずとも遠からず、といった所ではないかと思う。
ではこのような市場動向で、私はどうすべきか?
一番良いのは、AMDのRyzen9 3950Xの価格が下がる事である。16コア32スレッドのCPUだが、現時点では消費税込みで10万円弱という価格であり、しかも供給量が極端に少ない。だから余計に価格が落ちないのだが、2020年に歩留まりが良くなり、最終的にはIntelとの価格競争の関係で安くなるという事になれば、多少なり導入しやすい状況が生まれる。
ま、私が思うほど簡単に価格は下がらないだろうが、コンシューマ機に搭載するAPUが8コアになるという側面を考えても、多コア製品の価格が下がってくるのではないかという希望的観測は、ほとんどの人が持っているのではないかと思う。
値下がりするSSD
メインPCには既にSSDを結構使用しているのだが、SSDはまだまだ容量単価が下がっていくと思っている。
おそらく、普通に1TBや2TBのSSDが比較的手の届きやすい価格になるだろうから、メインPCのストレージはSSDが中心になっていくと思う。
ただ、容量単価だけで言えばHDDの方が遙かに安いので、データストレージとしてのHDDの魅力は変わらず、HDDはより大容量化したものが中心になっていくと思っている。
ただ、HDDはどうしても速度的な魅力がないので、この速度を補う技術がもっと進化してホシイところである。
例えば、SSDをキャッシュとして使用する技術があるが、これをもっと安全に使えるようになってくれば、HDDの価値は相当に上がると思う。
私も経験があるが、SSDをキャッシュとして使用する際、何かトラブルが発生し、そのキャッシュ機能を切り離すという行為に危険が伴うというのが今の状態だが、これがもしスイッチ一つでキャッシュを切り離し、HDD単体でデータを安全に保全できるようになれば、SSDをキャッシュとして利用したHDDの価値はもっと引き上げられると思う。
これが実現しない間は、おそらくHDDはそのまま利用する事になると思われる為、大容量化するSSDにどんどんとHDDの市場は喰われていくように思える。
なので私がメインPCを組む時には、おそらく基本はSSD構成で8TBクラスのHDDを単純なデータ保存場所として活用する方向になると思う。
気になるビデオカード
PS5等にもレイトレーシングがハードウェアレベルで実装される予定なので、間違いなくdGPUもレイトレーシングをハード的に取り込んだビデオカードが主力になると思っている。
AMDのRadeonもRDNA2へとアーキテクチャが進化するが、コイツにレイトレーシング機能が組み込まれると言われている。
ただ、アーキテクチャ的にはそれだけに留まらない、という噂もあるので、どこまで性能が引き上げられるかが気になる。
だが、私としてはRadeon系でもっと気になるのが、RDNA系がいつFluid Motionに対応するかという事である。この機能は現時点ではAMD一択の機能なので、RDNA系で使えないという状況はあまりよろしくはない。
ユーザーからの要望が多ければAMDとしては検討するらしいので、もっと世の中からアプローチがあれば実装される日もくるのではないかと思っているのだが、言うほど要望がないのか今だにRDMA系で利用可能にならない。
Vegaアーキテクチャであれば今のドライバでも利用する事は可能だが、今後のPCゲームを牽引するRDNAアーキテクチャでこのFluid Motionが可能にならないと、意味がない。
AMDにはぜひとも何とかしてホシイところである。
と、他にもマザーボード(チップセット)の進化等の話も残っているのだが、まずはCPUとGPUに関して狙ったものが導入できるレベルになるかがポイントだと思っている。
CPUは何とか16コア32スレッドを導入したいところだが…贅沢な話、と一蹴されるような話になってしまうのか、それともある程度リーズナブルになってくれるのか、そこが今後を左右する一つのターニングポイントになるように思える。