逆のパターンはあるかと思ったが…。
iPhone7にAndroidを
現時点ではまだiPhone7/Plusにのみ対応という事らしいが、Corelliumというソフトウェア仮想化会社が、過去モデルのiPhoneを対象にAndroidをインストール、起動できるツールである「Project Sandcastle」をリリースした。
そもそもCorelliumという企業はブラウザ上でヴァーチャルiOSデバイスを作って動作させられるツールを提供している企業で、現在その件でAppleが著作権侵害で訴訟を起こしているというところである。
そのCorelliumが新たにリリースした「Project Sandcastle」だが、これはiPhone脱獄ツールcheckra1nのPongoOSを使用したもので、checkra1nは2019年に発見されたiPhone過去モデル(iPhone4s~iPhoneX)に存在しているパッチ不可能な脆弱性であるcheckm8を元に開発されたという経緯がある。
もう少し詳しく説明すると、PongoOSとはiOSデバイス上で他のOSを実行する動作を簡略化する仕組みを内包したものになる。これを組み込めば、とりあえずはiPhoneなどのiOSデバイスの上で、他OSを起動するお膳立てができるというワケである。
この脆弱性を突いた脱獄ツールを利用して、現在はiPhone7とiPhone7Plusに、Androidをインストール可能にしたようで、実際に幾人かの開発者が試して成功したとTwitter等で報告している。
Here is an iPhone 7 booting Android ! pic.twitter.com/cfCdSEzTbo
— matteyeux (@matteyeux) March 4, 2020
機能はまだまだ
とりあえず、インストールそのものは成功したが、実の所、ハードウェアの多くの部分は機能していないとされている。
マルチタッチは動作するようだが、モデムも反応なく、Bluetoothやカメラもサポートされていない。
憶測ではあるが、おそらく現時点ではOSの基板となるコアプログラムが起動した、というだけのように思われる。
だが、大元のAndroidがインストールできてしまえば、あとは搭載されたモジュールを動作させるプログラムを準備すれば機能は使えるようになるため、あとは情報は少ないかも知れないがモジュール開発の手順でより完全版が見えてくると思われる。
この「iPhoneにAndroidをインストールする」という行為そのものに、どれだけの意味があるのか? となると、正直微妙な気持ちになる。
パフォーマンスだってどこまで出るか分からないし、何よりiPhoneのポテンシャルはiOSが一番効率よく出せるのは言うまでもない。
両方のOSを使いたいなら、スマホ2台持ちの方が圧倒的に使えるわけで、iPhoneの上でOSのデュアルブートが可能になったとしても、そこにはロマン以外の何者も存在しないように思う。
だが、それでいい!(爆)
そもそも真っ当に使う事を考えているなら、2台持ちが正しいのであって、あえて脱獄ツールを使ってまで単一デバイスで実行する意味はない。
とりあえず、このiPhoneにAndroidをインストールするという行為は、現時点ではインストールできたとしても使えるものでもないので、一部の試したい人だけが実行する「試験」状態だと思う。
問題は今後、これが「使える」と言えるだけの機能を実現した時である。
型落ちのiPhoneが手元にあって、それで試してみようと考えるなら、ぜひ挑戦してみるといいだろう。だが、性能は期待しない方がいい。
真っ当な人は、おそらく2台持ちをするだろう。多分、私もそうだろう。