名機の後継機がまた一つ。
IP56からIP57へ
Jabraから左右独立ワイヤレスイヤフォンの名機「Elite Active 65t」の後継機となる「Elite Active 75t」が3月19日に発売となる。価格はオープンプライスで店頭予想価格は26,800円前後となる模様。
このJabtaのワイヤレスイヤフォンは、左右の信号のやり取りをBluetoothで行うのではなく、NFMIという医療で補聴器の音を聞こえやすくするための技術を応用したものになる。近距離磁気誘導を利用して通信するため、人体の頭部という水分の多い障害物に影響を受けにくい通信方式で、左右のユニットの通信を行う。
これにより、Bluetoothでの通信は右側ユニットのみで、右側ユニットと左側ユニットの通信はNFMIで行う。最近の左右が独立して2つのBluetooth通信を行う方式とは異なるのが特徴である。
そんなNFMIで通信する「Elite Active 65t」を以前に購入したワケだが、おそらく今回の新機種である「Elite Active 75t」もNFMIによる通信を行う機種と思われる。
製品としてどのように進化したかといえば、防水防塵性能がIP56からIP57へと強化され、水深1mで30分の耐水性を持つようになった。また、防塵防水、汗に対する2年間の保証も付いているので安心である。
もっとも大きく進化したのはバッテリーの持続時間で、本体のみで最大7.5時間保つようになり、充電ケースを使用する事で最大28時間までの連続使用が可能になった。これは以前の機種では本体だけで5時間、充電ケース使用で最大15時間だった事から比べると大きな進化である。また、充電ケースのコネクタはActive 65tはmicroUSBだったが、Active 75tはUSB Type-Cに変更されている。
その他の性能値としては、Bluetooth 5.0に準拠し、再生コーデックはSBCとAACに対応する。HearThrough機能という周囲の音を取り込む機能もあり、Amazon Alexa、Siri、Googleアシスタントの呼び出しにも対応する。
イマドキの左右独立型イヤフォンが可能にする機能は一通り持っていると言える。
数千人の最適解
Jabra Elite Active 75tは、前機種であるActive 65tと本体形状も変化している。
Active 65tもそんなに耳に付けづらいという事はなかったが、Active 75tはその筐体デザインに関して数千人の耳の形状をスキャンして解析し、デザインされているという。これも優れた通話品質とサウンドに加えて遮音性を実現、最適なフィット感を得られる形状を求めた結果だとしている。
いろんなメーカーがその形状を研究していると思われるが、数千人の耳をスキャンして形状解析するというのも、なんだかスゴイ話である。
このActive 75tの前身機種に「Jabra Elite 75t」という機種が存在する。
Active版は、耐水性等がさらに向上したモデルで、その他の機能は全く同じである。
価格はActive版の方が僅かに高いので、水深1mで30分といった耐水性は不要という人は通常版のElite 75tを購入するのでも良いかもしれない。そもそも、Elite 75tもIP55レベルの防水防滴性能を持っているので日常使いでは困らないはずである。
Jabra Elite 75t、及びActive 75tは、よくApple AirPods Proと比較されることがあるが、性能では決して劣る事なく、またバッテリー駆動時間では2倍程度の性能を保つ製品である。
個人的には今イチオシの製品になるので、試聴できるようであれば一度聞いてみて欲しい。ノイズキャンセリング機能がなくても、その遮音性でパッシブノイズキャンセルを実現している本機は、物理ボタンを実現している意味でも扱いやすい機器ではないかと思う。