還元率が軒並み下がる。
スマホ決済の旨味
最近、QRコードやバーコードで決済するスマホ決済のポイント還元率の改定が相次いでいるように思う。
5月10日、GWが終わった直後に還元の仕組みを大きく変えたのがdocomoのd払いで、通信回線契約者向けに最大7%のdポイントスーパー還元プログラムを実施してきたが、その適用条件を大幅に見直した。
当初の条件というのは、通信量の支払いにdカードを利用することで1%、docomoのコンテンツサービスを利用する事で各1~2%と還元率が積み上がっていく方式だった。なのでサービスを利用契約するだけで比較的簡単に7%の還元が受けられる仕組みだったわけである。
ところが、5月10日以降は、このコンテンツサービス利用分がなくなり、代わりにdポイントを貯めた回数や、dカードの請求額などで還元率が変故するようになった。得られる最大還元率は7%と同じだが、最大まで還元を受けようとすると、dカードでの支払いが月20万円以上、ネットでの決済が月5万円以上、dポイントを貯めた回数が月100回以上という、普通では考えにくい条件になってしまった。ハードルが上がったとかいうレベルの話ではない。
PayPayやLineも
SoftBank系列のPayPayも、4月1日から還元率を大きく下げた。
3月31日まではPayPayやヤフーカードで支払っていた場合、常時1.5%の還元を受けられたが、この還元率が0.5%に引き下げられた。代わりに、利用頻度や利用額に応じて還元率が上がるプログラムに変更されていて、100円以上の決済を月50回以上行うと+0.5%、前月決済額が10万円以上になるとさらに+0.5%となり、この条件が全て整えば以前と同じ1.5%の還元率が得られる。
しかし、これを1日に平均して考えると、1日で1.6回以上、3,333円以上の利用が必要となり、どう考えても普通の使い方で以前通りの還元率を得られるとは考えにくい。
また、Lineに関しても5月1日からはLineペイを利用した決済で一切ポイントが付かなくなった。代わりに導入した後払いの「VISA Lineペイカード」をLineペイに登録すると、還元率が1%で利用状況に応じて最大3%のポイントが付く。デメリットはカードを新たに作る必要があるというところにあり、他に利用しているものがあるとするならは、決済が纏められないという問題が発生する。
政府が主導してきたキャッシュレス決済のポイント還元事業が6月末で終了するので、さらに旨味はなくなっていく。今後のキャッシュレス決済は、今までとは大きく変わろうとしている。
ステージが変わった
これらスマホ決済の還元率大幅改定が行われた背景には、スマホ決済を提供するサービス側の考え方が変わった為、と思われる。
今まで、東京オリンピックの為に外国人が多く流入する事を考えると、国内にキャッシュレスを増進する必要があり、その為にとにかくキャッシュレス決済の利用者を増やしていかねばならないという方向性から、還元率をひたすら上げて、メリットを強調してきたワケだが、今や使う人が増えてきた事もあり、その使う人を増やすというターンは終了したと言える。
利用者数が増え、その伸びが業界全体で鈍化してくれば、サービスを提供する企業からしてみれば、これ以上のユーザー獲得は難しくなる。であれば、今度は提供してきた還元率は今後足枷にしかならないワケで、いよいよそこを見直して運営を安定化させる、という方針にかわってきたものと思われる。
要するに、使う側からしてみれば、キャッシュレスは便利だよね、という認識にならなければ、今後の旨味はあまりないとなる。現金の方が金銭を把握しやすいだろうし、現金の方が良い、と思っていた人達の中にも、還元率が魅力的だからキャッシュレスを使い始めた、という人が多いと思う。
そういう人達は、今後その旨味はどんどんとなくなり、利用する意味そのものを失うかもしれない。
私はといえば、現金の方が把握しやすいとは思ってはいるものの、今やキャッシュレスに移行した事で、逆に現金に戻してしまうと支出把握が複雑化するので、キャッシュレス決済を使わざるを得ない状況になっている。
私と同じように考えている人もいるかもしれないが、キャッシュレス決済の手軽さを良いものと考える事に成功した人は、還元率など気にしないで使うようになっているのではないかと思う。
淘汰されるサービス
ただ、これは私も今考えているのだが、複数あるキャッシュレス決済を一つに纏めてしまうかも知れない、と考えている。
PayPayを中心に利用を進めていたのだが、4月からケータイ使用料をdカードで支払うようになったため、それならキャッシュレス決済をd払いの支払いをdカード利用にしてしまおうかと考えている。
PayPayの還元率が悪すぎるというのもあるのだが、dカードはゴールドカードに切り替える事で、更なる還元が得られる(但し年額10,000円が必要。この年額はケータイや光回線の支払いで月10,000円以上かかる場合は付与されるポイントで消化できるとされている)し、ポイントを纏める意味ではd払いは悪い選択ではない。
但し、PayPayは支払いをヤフーカードにするだけで0.5%の還元率になるが、そのヤフーカードの支払いの時にTポイントが付与されるので、Tポイントを運用している人であれば、PayPayの利用は悪い選択肢ではない。
なので、総合的にみて、どのようにしてキャッシュレス決済を使用するかで総合的な還元率が変わってくる。
d払いやPayPayは、まずチャージして使用するという使い方があるが、そのチャージした金額だけで利用すると、そのキャッシュレスの還元しか得られない。
だが、そこの支払いに特定のクレジットカードを指定すると、そのクレジットカードの還元もあるので、多少還元されるものが変わってくる。
もちろん、総合的に利率は大きく変わらないはずとは思うが、利用する際に纏められている事で利用しやすくなる側面はある。
という風に、その人それぞれの使い方で、最終的に使われるサービスはある程度固定されていく事になるだろうと思う。このような考え方は、私だけのものではないはずだ。
そうなると、最終的には淘汰されるサービスが出てくるわけで、どこかのタイミングで生き残るサービスとそうでないサービスが明確になってくるだろうと思う。
とりあえず、今の所私はコンビニ等ではPayPayを利用している。
d払いは基本使っていないのだが、PayPayで支払うよりd払いの方が良い、という根拠が出てきたら、切り替えを考えようと思う。
ただ…利用できる場所でいうと、d払いより圧倒的にPayPayの方が多いので、この辺りの利便性で今後の判断はまた変わるだろうと思う。
鳴り物入りで広がったキャッシュレス決済だが、その利用ステージが変わった事で全体的なメリットが薄れてきている。
どれだけの人が利用を続け、どれだけの人が離れていくのか、もうしばらく様子を見ていくしかないだろう。
うちは、
docomoの支払いはdカード。
コンビニはEdy(楽天カード連携)。
くらいしか使ってないかも。
当初、知人が相互紹介登録で千円分もらえるからと、PayPayとメルペイ使っていたが、還元率の落ち込みに合わせて使わなくなりましたわ。
この状況だと、キャッシュレス還元が期間伸びそうな気がしなくもないですが、使う方はアイテム淘汰進むと思います。
一番使い勝手悪いのはメルペイだったかな…w
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私はPayPay、d払いしか使ってないですね。
実はSUICAもJRの鉄道でしか使ってないし、Apple Payも使ってない…。
PayPayは支払いがヤフーカードなのでTポイントの関係から今もコンビニとかで使ってるけど、それならヤフーカードのクレジット払いの方がポイントが分散しない分良いのかも知れない。
Tポイントに拘らないなら、dカードのiDでの支払いにしてしまえば、dポイントに集約できる方がよいかもしれない。
楽天ポイントを主眼に使って行くなら、楽天ペイがいいのかもしれないけど、正直、Tポイントと楽天ポイントのどちらがいいのかは、いつも悩んで結論が出ないというオチが…。
なんだか、サービスが乱立してポイントが分散してしまっているのが実にもったいない話だなぁ。
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