ようやく手頃な価格のものが出てきた。
裸族のクローンベース
センチュリーより、PC不要でM.2タイプのNVMe SSDをまるごと複製できる外付けクレードル「裸族のクローンベースNVMe(CRCBM2NV2U32CP)」が発売された。価格は税込19,800円で、以前似たような製品が登場した時の価格から、約10%程度にまで安くなった(私の記憶による)。
「裸族のクローンベースNVMe(CRCBM2NV2U32CP)」は、PCを使わずに、本体の外付けクレードルの上部ヒートシンクカバーを外してM.2 NVMe SSDを2枚セット、本体のボタンを押すだけでコピー元の容量と同じか、より大容量のM.2 NVMe SSDへデータをまるごとコピーできる。
おそらく、仕組み的には通常のHDD等のクローン機と同じ仕様だと思われるので、セクタ単位など細かい指定でのコピーもできると思われるが、単純にM.2 NVMe SSDのバックアップをとるのにも便利に使えそうである。
また、PC不要の単独での利用の他に、PCとUSB3.2 Gen2 Type-Cで接続する事で、M.2スロット2ベイの外付けクレードルとしても利用できる。
本体内には冷却ファンがあり、ヒートシンクと併せて加熱による転送速度の低下を防ぐような設計になっており、その転送速度は953.7MB/sになるという。この辺りは、使用するM.2 NVMe SSDの性能にも左右されると思われるので、あくまでも参考値という扱いではあるだろうが、まずはファイルフォーマットごとバックアップがとれる手段が得られるというだけでも大きな意味がある。
Cドライブの拡大に
こうしたM.2 NVMe SSDのクローン機の便利なところは、PCのメインドライブになるCドライブにM.2 NVMe SSDを採用した時、予算の関係から当初は容量の小さなものを選んで運用しまった後に、それよりも容量の大きなM.2 NVMe SSDに切り替えたいなぁ、という時にこそ、その威力が発揮される。
例えば、最初256GBのM.2 NVMe SSDでPCを構成した後、SSDの価格下落に伴って1TBの容量にしたいなぁ…なんて時、この「裸族のクローンベースNVMe(CRCBM2NV2U32CP)」を使って256GBのM.2 NVMe SSDを1TBのM.2 NVMe SSDにデータコピーし、その後、PCのディスクの管理でパーティションを拡大してやれば、今までの環境を保ったまま、SSD容量を増加させる事ができる。
昔はパーティションの拡大も、フリーソフト等で簡単にできる時代になったし、簡単に容量増設が可能になった。
こうしたクローン機は一般的ではないものの、あると便利なのも事実なので、バックアップ用途から、増設問題まで解決できる便利グッズとして持っておくというのも良いのではないかと思う。
バックアップ
先に容量拡大の話をしたので、そちらの用途ばかりが頭に浮かぶかもしれないが、そもそもこのクローン機は、ストレージをフォーマットごとコピーするという所に意味がある。
起動ドライブを複製すれば、複製されたドライブも起動ドライブになるので、万が一起動ドライブが起動不能になった際には、そのバックアップドライブと入れ替えるだけでトラブルが解消される。
ただのファイルコピーやフォルダコピーとは根本が違うので、こまめにバックアップを取っておくことで、万が一のトラブルの対策にもなる。
何かソフトウェアをインストールする必要があり、インストールした結果、思わぬトラブルが発生してしまった、という時も、そうしたバックアップが取れていれば、ストレージを差し替えればインストール前の状態に戻せるし、そこにデータ的誤差はない。
ある意味、ほぼ完全な形の復活の呪文なので、PCの操作に慣れない人がこういう機器を使って、トラブルに遭いながら元に戻してを繰り返し、ハード、ソフト共に慣れていく、という流れも良い流れではないかと私的には思う。
何はともあれ、ようやく5桁台の価格で購入できるようになったのは朗報である。
気になる人はチェックしてみてはどうだろうか?