そろそろ普及してきたとも思うが、本命はまだこない。
DELLの27型WQHD液晶
DELLから、27型ゲーミングディスプレイ「S2721DGF」が発売された。価格は48,980円(税別)。
この「S2721DGF」は、最大165Hzのリフレッシュレートに対応している関係から、G-SyncやFreeSync Premium Proをサポートし、同時にdisplayHDR 400認証を取得している。
解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)で、パネルはIPS方式、中間応答速度は1msと非常に高速なモデルである。
他機能として、表示色数は10億7,000万色、輝度が400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、視野角上下共178度となっている。気になる色域はDCI-P3を98%カバーしているので、HDR対応としては順当な対応と言える。
他にも独自機能として、暗部視認性向上機能の「ダークスタビライザー」やFPSカウンターなど、ゲーム向け機能を内蔵し、インターフェースもHDMI2.0×2、DisplayPort1.4×1、USB3.0×4(ダウンストリーム)、USB3.0×1(アップストリーム)、音声出力を備える。
IPSパネルでも高速応答
ここ最近発売される液晶のほとんどが、IPSパネル採用であっても中間色応答速度が1msと高速なモデルが多くなってきた。
これはようやくパネル自体が高速応答可能な時代に突入した、という事だと思う。
なので、60Hz以上の環境へ進むのはいよいよもってこれからという未来がようやく見えてきたという事ではないかと思う。
私の理想から言えば、4KでHDR品質というものが120Hzで表示されるのがスタートラインと思っているので、パネル、コントローラー、インターフェースの全てがそれ以上の性能を持たないと一つ先の未来には到達しないと思っている。
液晶テレビの世界ではそれらはもう実現している、という感じかもしれないが、PCはもっと厳格な規定で構成されている事が多いので、テレビより遅れていた感がある。
2020年の今の段階でこの様相なので、実際私が決め手と思えるような製品がスタンダードになるには、あと1年くらいは架かるのかもしれない。
ウルトラワイドはどうなった?
当Blogの6月28日に記事にしたSamsungのモニタもそうだが、特殊な横長モニタが今年いくつか発売されるという話がある。
これはコロナ禍となる前、2020年1月に実施されたCES 2020で、参考出品されていたモニタ群だが、Samsungのモニタもその一つであった。
他にもLGからウルトラワイドモニタがいくつか発売される話があったが、コロナの問題があってか、その後あまり話を聞かない状態である。
パネル技術としては、もう高リフレッシュレートかつ高色域なモニタは製造する事はできるのだろうが、その技術を利用した認証や制度、インターフェース等を準備した製品がまだ間に合っていないというのが、現状のようである。
以前から私はこのBlogで言い続けているのだが、コンテンツを供給する側は急激にその仕様や制度を作り上げ、媒体を作ってきたが、それらコンテンツを映す側、つまりテレビやモニタを作る側がそれらの仕様や制度に追いついていない感じが続いていた。
それでもテレビはまだ何とか追いついていた感があったものの、PCモニタに関して言えばVESA規格との絡みもあったのか、なかなか適合する製品で納得のいくものが出てこなかった。
ようやくここ最近になって、コレは…と思えるモデルが見えてきた感があり、CES 2020で今年こそはと思った矢先、コロナ問題で製品が出てこないという状態。
時は熟したと思えるだけに残念である。
ただ、私が求める製品仕様はやはり特殊なので、そういった製品が出てくるかはまだ見えていない。
ただ、少なくとも特殊といいつつも、何かの機能が足りない状態で製品としては発売されてきたので、今後はそういった特殊仕様製品が登場するかを注視していきたいと思っている。
ただ、一般的な用途で言えば、今回発売されたDellの「S2721DGF」はほぼ現在の要求を満たした製品と言える。
高リフレッシュレートで広色域なWQHDモニタなので、フルHDよりランク上の製品を狙っていた人には丁度良い選択肢ではないかと思う。