このシリーズ、名前は知ってたけど、今はこんな事になってるとは知らなかった。
何気にスゴイ技術では?
風雨来紀というゲームがある。
初代が発売されたのが2001年のPlayStation版というから、既に20年を経過するシリーズ作品という事になる。
内容はというと、1作目は北海道の一部、2作目が沖縄、3作目が北海道全域を舞台にして、バイク旅をするという恋愛アドベンチャーゲームである。
ただ、作を重ねるごとに恋愛アドベンチャーというよりは、バイク旅を中心とした方向にシフトしているような感じで、今年7月8日に発売された4作目はそのジャンルも「旅アドベンチャー」というものに変わってしまった。
4作目は岐阜を舞台としているのだが、DLCの追加が発表され、岐阜を中心に「静岡・長野」「富山・石川」「福井・滋賀」「三重・愛知」の一部エリアを4回のDLCとして追加されるという。
正直、私は名前くらいしか知らなくて、やった事はなかったのだが、この風雨来紀4の紹介動画を見た瞬間、イマドキのゲームってここまでになっていたのかと衝撃を受けた。
動画を見ればわかるが、基本実写映像に2Dキャラクターを重ねている、「かまいたちの夜」「弟切草」「街」「428~封鎖された渋谷で~」のような印象のゲームである。
ただ、実際にプレイするとこれら今までの作品とは明らかに異なるという事がわかる。
風雨来紀4は、バイク旅なので主人公はバイクで移動する。そして驚きなのが、その移動は360度カメラで撮影された動画になっているのである。しかもその動画のところどころで分かれ道が出てくるが、それらを選ぶとその道に沿った映像へと切り替わっていく。
要するに、Googleマップのストリートビューが動画になってゲーム内移動の演出として使われているのである。
確かに技術的にできない事ではない。ただ、これを一部地域限定とは言え、行ける場所に全て適用してしかも移動中の動画にまで含めているというのは、ある意味驚きの内容である。
目的は自由
この風雨来紀4だが、主人公はルポライターとして岐阜の各地の記事をコンペに投稿し、上位を目指す事を目的としている。その為にバイク旅で岐阜を動き回っているのだが、本ゲームの目的として記事を投稿する、というのが絶対的な目的という事にはなっていない。
移動先で出会う人達との触れ合いを目的にしてもいいし、単純にバイクで移動する事を目的にしてもいい。
ただゲームなので、最終的に期日がやってきて、そこでその期日までに起きた事を結果として残す事になるので、本来の目的である投稿記事でのコンペ上位に届かなければ目的未達成という事になってしまうだろうが、遊び方はそれに拘らない、という作りになっている。
恐ろしく自由度の高い内容である。
前述したように、移動は360度見渡せるバイクからの動画なので、走れる道をひたすら走って行けるところに隅々まで行く、という事を目的にしてもいいだろう。そういう事で隠し要素も見つけられるかも知れない。
一応、GPSのように目的地を指定してナビゲーションしてくれる機能もあるが、自分で自由気ままに走ることもできる。そしてそうやって自由に走ることで、立ち寄れるポイントが見つかる場合もあるらしい。
コロナ禍で、外出できない今の世の中、風雨来紀4のように疑似体験できるというのも悪くはないのかもしれない。
風雨来紀4 公式サイト
https://fog.nippon1.jp/furaiki4/
地域振興に良いのでは?
風雨来紀シリーズは、バイクで移動する事を中核に置いた作品だが、この仕組みはもっと他にも利用できるのではないかと思う。
観光地を隅々まで歩き続けながら、360度の映像を撮りまくって、観光地紹介のシステムにする事もできるように思う。
もちろん、風雨来紀シリーズの別地域版でもいい。Googleマップのストリートビューでやっている事を、もっとコンテンツとして昇華する事で、地域振興のツールになるように思える。
もっとも、作る為の予算は相当にかかるような感じもあるので、現実的な話かどうかは、予算次第という事になるだろうが、もしこれがVRやARと組み合わさったなら、もっとスゴイ化学反応が起きるような気がしてならない。
技術の進歩で、今は予算がかかりすぎるような事でも、数年後にはもっと低い予算で簡単に素材集めができるようになれば、地域振興ツールとして、この手のシステムはもっと身近になる…そんな気がしてくる。
風雨来紀4はPS4版とSwitch版があるのだが、データ品質に差がないようなら、Switch版で大型テレビでもモバイルでもプレイできるほうが、スタイルを縛られずにできる分、良いのかも知れない。
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