ゲーム機の枠を超える

 PS3は発売当初からゲーム機ではなかった。
 というか、メーカーであるSCEそのものがPS3をタダのゲーム機として扱っていなかったし、その価格設定もゲーム機のソレとは明らかに異なっていた。
 確かに、そのハードウェア性能たるや標準的なWindowsマシンよりもハイスペックであり、さながらホームコンピュータコアと言っても差し支えない性能を持っていた。
 しかし、残念なことにその性能を使い切るソフトウェアに恵まれず、ゲームタイトルにも恵まれなかった為、当時の次世代機の中では明らかに敗北感ただようハードウェアに成り下がっていた。
 その性能を紐解くと、実に多彩であり、確かにタダのゲーム機ではない事は誰の目にも明らかだったのは間違いのない話で、特に初期PS3にのみ搭載されていたSACD再生機能は、専用機ですら覆す音楽再生能力があり、この機能だけでも価格分の価値はあると私は思っていた。
 その後、PS3は1度マイナーチェンジを行い、さらに1度フルモデルチェンジした。
 価格的には初期型の半額クラスになり、その容積も6割程度にまで小型化したのだが、残念なことに初期型に搭載していたSACD機能とPS2下位互換機能はなくなってしまった。
 そのように様変わりしたPS3だが、持てるポテンシャルは変わらない。
 だから価格が下がろうともタダのゲーム機とは違う性能を発揮する事は容易だし、あとはそのプラットフォームが整えば問題ないハズ。
 という事を証明するかのようなユニットが3月に発売となる。

 プレイステーション 3用地上デジタルレコーダーキット“torne(トルネ)”である。


 詳しい性能は下記リンクから見て欲しい。
impress AV Watch
SCE、PS3用地デジレコーダキット「torne」
 価格が9,980円とひじょうにリーズナブルなのはありがたい話だが、その価格に似あわず、視聴機能だけでなく録画機能も搭載している。
 もちろん、PS3のHDDを利用するわけだが、PS3に外付けされたHDDにも記録できるあたりはありがたい。
 唯一残念なのは、録画番組の編集やチャプタ作成、CMカット/スキップなどの機能が無いという事。
 せっかくのPS3アプリなのだから、その機能はつけて欲しかったというのが私の本音だ。
 今回の発売に伴ない、250GB HDD搭載のPS3が数量限定で先行発売となり、またこの地デジレコーダキットを同梱した『「プレイステーション 3」地デジレコーダーパック』(CEJH-10010)も発売される。
 が、こういうのを見てしまうと、私などはラインナップを疑ってしまう。
 かつてPS2にはPSXというDVD録画機能をもった製品が存在…いや、逆だな、DVDレコーダにPS2の機能を内包した製品が発売されていた。
 それと同じで、録画機能を最初から搭載したPS3が発売されるのではないか?と考えてしまう。
 もっとも、今のソニーグループ全体の勢いから考えると、そうした製品の投入は考えにくいかもしれないが、販売チャネルを家電メインにすると、可能性がゼロではないのかもしれない。
 可能性というレペルでは限りなく低い話ではあるが、複合機が出てくるかもしれない。
 何はともあれ、まずはtorneの登場を待ちたい。
 PCに地デジチューナーを入れるか、それともtorneにするか、少なくとも私には選択肢はできたと思っている。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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