何かもうAMDを選ばない理由が見つからなくなった。
一世代前のハイエンド
当Blogでも、4月21日に記事として取り上げたAMDの第3世代Ryzenのローエンド「Ryzen3 3300X」と「Ryzen3 3100」だが、そのベンチマークテストの結果を見るに、実はとんでもない性能を持っている事が見えてきた。
今回のローエンドモデルは、物理コアだけでなく論理コアも実装したもので、4コア/8スレッドを可能にしたものでありながら、価格は120~99ドルと破格で、IPCの比較的高いZen2アーキテクチャで構成されている事から、その性能は価格に見合わないものになるだろう、という予想はしていた。
AMDとしては、Ryzen3 3300XはCore i7-7700Kとベンチマーク勝負しても勝てる、と触れ込んでいるようだが、Core i7-7700Kといえば2世代前とは言えIntelのミドルハイに位置していたコアである。しかもIntelは基本的なアーキテクチャは7700Kも8700Kもほとんど同等のものを使用していたため、Ice Lake世代以降と比較すれば一世代前と言っても良いアーキテクチャである。
120ドルのCPUが、そうした一世代前のIntelミドルハイCPUと互角以上の性能を叩き出すというのは、ある意味驚異的であり、恐ろしいほどのコストパフォーマンスではないかと思う。
ローコストPCの最有力候補
では実際どの程度の性能なのか?
もちろん私がテストできる環境を持ち合わせているわけではないので、実際にベンチマークテストをした記事を参照戴きたい。
impress PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1250945.html
この記事を見る限り、Ryzen3 3300Xは非常に魅力的なCPUであり、お買い得なCPUだと言える。
特にRyzen3は、PCI Expressも4.0対応していたり、使用できるメモリクロックも高いものを選べる事から、総合的な性能がかなり高い。
その性能を比較的高く維持するには、CPUの温度管理をちゃんとしなければならないようだが、この辺りは冷却パーツをシッカリしたもので構成すれば比較的高い性能を長時間にわたって維持し、価格以上の性能を引き出しつつ使っていけると考えられる。
最近のCPUは、温度に比して自動でオーバークロックするが、このオーバークロックを比較的長時間に渡って有効化できるかどうかが、性能を引き出す一つの秘訣になっている。
なので冷却さえシッカリできれば、価格の安いCPUでも高い性能を維持し、総合的パフォーマンスを高める事ができる。
性能を引き上げる為に多コアCPUを選びがちだが、多コアになれば当然温度は必然的に上がるわけで、クロックをブーストしにくくなる。なので、あえて多コアを選ばず、冷却性能を高めて多少コア数の少ないモデルを選ぶ、という選択肢もあり得ると言える。
ポイントは、同時にどれだけのプログラムを動作させるか、というところだろう。
ゲーミングPCで、単純にゲームだけをするならば、4コア/8スレッドで高クロックを維持させた方が結果として良い場合もある。
これに配信ソフトを起動して…などするのであれば、6コア/12スレッド、或いは8コア/16スレッド、もっとマルチに稼働させるなら12コア/24スレッドと多コア化させれば良いが、そうすれば当然全体の熱量も上がるので、全体のパフォーマンスを引き上げるには更なる冷却パーツの強化が必要になる。
なので、自分の用途に合わせた時、比較的ローコストでも高性能PCにする事ができる可能性がある、という事は知っておいた方がいいだろう。
ショップブランドPCを選ぶ時や、自作PCを構成する時に、考え方としてより広い選択肢を得られるのではないかと思う。
それにしても…ここ2年くらいで一気に低価格化してきたな、と思う。
AMDの力ってすげぇ(-_-;)