事実なら凄い事になりそうだが、実際どうなのだろうか?
シングルコア性能爆上がり?
まだ噂レベルでしかないが、AMDの次期アーキテクチャであるZen5は、現行のZen4に対し、シングルコア性能で40%向上する、という話があるようだ。
Kepler_L2氏という実績あるリーカーの話であり、何かしらの根拠があっての話と思われるが、シングルコア性能で40%という事は、単純にアーキテクチャで実現した性能向上幅になるので、事実ならとんでもない話である。
Zen5は、前々からアーキテクチャに大幅な改良が入ると言われていて、IPCが向上する事が期待されていたが、シングルコア性能で40%向上となると、当然マルチコアではさらに伸びる事になるので、その信憑性が気になるところ。
ただ、この40%向上というのが、INTなのかFPなのかは不明で、FPなら浮動小数点演算ユニットの構成とAVX-512の拡張命令セットに大きなテコ入れが行われる事が予想される。
INTならコア性能そのものでの性能向上なので、一体どれほどの改良が行われているのか、想像すら難しいように思えてならない。
一応、SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation) Benchmark testでの結果らしいので、この数値には一定の信頼はあるのかもしれないが、最終的なアウトプットでの話ではなくなるるだろうから、その性能の伸びについては、今後まだまだ注視していく必要があるだろう。
NPUはどうなる?
Zen5が採用される予定の次期Ryzenだが、現時点でデスクトップ用はRyzen 9000シリーズと言われている。
現時点でもノートPCに搭載するAPUは、Ryzen AIとしてAI処理をサポートするNPUを搭載したモデルが実装されるが、デスクトップ用として構成するRyzen 9000シリーズにおいてNPUが搭載されるかどうかは、今の時点でもまだ不明になっている。
IntelはAI PCを意識したプレゼンテーションを実施しており、少なくともデスクトップCPUにも搭載する動きを見せているが、Ryzenは今の時点でも明確な答えがない。
今のトレンドを考えれば、搭載しないほうがオカシイとは思うのだが、実装するコア面積でNPUユニットを入れるかどうかが決まるので、確実に搭載するかはまだ何ともいえない。
個人的にはもう搭載する世の中の流れになっているので、搭載して欲しいところではあるのだが…さて、どうなる事やら。
AppleのMシリーズを意識するなら、もうNPUなしと言う時代ではないとは思うのだが。
登場時期は2024年末
Ryzen 9000シリーズは、今の所2024年内には登場する予定のようだ。
最近はファウンドリの生産ラインの奪い合いで、発売する時期などが変わったり、或いは発売しても生産量が整わず、入荷数が少ないなどの問題がでるワケだが、できれば潤沢な和が揃ってからの発売をお願いしたいものである。
それほど、生産できるファウンドリが決まってしまってきているという事なのだろうが、最先端プロセスを持つ企業が限られる今、開発が間に合ったとしても生産が間に合わないなど往々にして起きる問題だけに、消費者に潤沢に回る状況で発売して欲しいものである。
CPUの性能がここまで上がってきた今の状況において、性能のボトルネックとなる部分は、もう既にCPUにはないような気がしてきている。
それでも上の性能を目指すという姿勢は必要だとしても、この先はもっとワットパフォーマンスに向かっていくべきではないかと個人的には思う。