ICT総研が11月6日、全国200地点でのスマートフォンLTE通信速度実測調査の結果をまとめた。内容はというと、個人ユーザーが日常的にスマートフォンを利用する地点の電波状況の実態を把握することを目的とし、住宅街や商業施設、公園、文化施設など、各エリアで代表的な地点から25カ所ずつランダムにピックアップ、札幌から福岡まで全国で200カ所の調査地点で10月22日から31日まで実測した、とある。
結果はというと、LTE通信を行えた地点が一番多かったのはSoftBankで180地点。全国200地点における平均通信速度が最も速かったのもSoftBankだった。つまり、現時点では平均的に速度とエリアが最も優れているのはSoftBank、ということとなる。
あくまでも統計による平均的な結果ではあるものの、従来から繋がらないとか遅いとか言われていたSoftBankからは想像もできない結果だったと言える。
ICT総研
http://www.ictr.co.jp/topics_20121106.html
詳細な結果は上記リンクで見て欲しい所だが、主要都市での計測である為、その点には注意。
またdocomoに関しては契約者数が他2社よりも圧倒的であるため、トラフィックに余裕がない事で速度が振るわないという事も考慮しなければならない。
だが、SoftBankはイーモバイルを統合したりと今後もドラスティックな通信改革が予定されているため、来年明けにも加速度的にLTEエリアを拡大していく事になる。
auも追従しているとは言え、今回の結果と合わせて考えてみると、全国的にLTEエリアが広く、また速いという面ではSoftBankに一歩譲る傾向になるかもしれない。
ただ、私個人で言えば、LTEはもとより3G通信ですら私の会社近辺では電波が弱い(弱いレベルの話ではなく繋がらない事の方が圧倒的)為、今回の結果がどうあれ不便である事に違いはない。
900MHzというプラチナバンドすら恩恵がないエリアにいる為、ICT総研の結果がイマイチ実感できない。せめてプラチナバンドぐらいは来て欲しいところであり、それがくれば少なくとも3G通信はできるために繋がらない、といった事はなくなる。
今は、電波が受信できないため電波を探してバッテリー消費が多くなるという現象が起きてしまっている。これでは繋がらないだけでなく、バッテリーも持ちが悪いという悪条件ばかりが積み重なっていく。
というわけで、LTEエリアは確かにSoftBankが最も良い結果を生み出したが、依然として通話エリア的には今までと変わらない所もある、という事実だけは受け止めねばならない。
人口密集エリアにいる人にとっては、ICT総研の結果は一つの参考になるだろうが、それが全てではない、という事はわすれてはならない。