AIONがヘンな事になってる…

私はかつてNC SOFTの“The Tower of AION”(以下AIONと略)というMMORPGをプレイしていた。天族と魔族に分かれ対人戦などを楽しむことのできるオンラインゲームなのだが、初期の頃からかなり多数のクエストを実装し、やり応えもある作品で面白い作品であると今でも思っている。

月額3,000円だったのが最大の問題

ただ、このAIONの最大の問題は、月額料金が3,000円もするという事であった。最近の主流ではほとんどの作品が月額1,500円以内に収まる程度で、高いものでも月額2,000円を超える事は稀だ。
だが、NC SOFTは相当強気だったのか、リネージュIIの頃からずっと月額3,000円というスタイルを貫いていた。
その額に見合うだけの面白さであっても、他のアイテム課金で基本無料などのゲームが台頭してくると、流石にこの月額3,000円というのは高いイメージがついて回り、結局私もプレイを辞めてしまった。
その後、課金体制を変えて月額料金等の見直しが行われたが、その頃になると私はWizardry OnlineやPSO2に移ってしまったため、その後プレイはしていない。
繰り返すが、ゲーム自身はとても面白かったのだ。世界観も純ファンタジーで良かったし、何より翼で空を飛ぶという感覚もよかった。そこだけは今でも評価できると言えたのだが…。

気がつけばとんでもない事に…

辞めてしまってから、私がこんな事をいうのも何だが、Episode4.5の情報を情報サイトで観た瞬間に、私は声を出して言ってしまった。

「なんぢゃ、こりゃ!?」

詳しい内容は実際にその内容を見た方が早いかも知れない。

もうね…純ファンタジーって世界観はどこに行ってしまったのか?
こんなに派手で破壊力のあるメカがメカメカしてしまったら、あの美しい世界観をまるっきり潰してしまうとしか思えない。
何をどうすると、こういう方向に進んでいったのだろうか?

FFシリーズが影響したのか?

Final Fantasyシリーズには魔導アーマーなるファンタジー世界に融合させたメカが登場する。実際、FF14にも登場するし、プレイヤーキャラクターが乗り回す事のできるものだ。
そしてこの魔導アーマーで戦う事が今の時点ではできない。今後できるようになるのかもわからない。
だが、その存在感は凄いものがある。純ファンタジーな世界観の中で仰々しくメカの音が鳴り響いてくるのだから、インパクトは十分だ。
そんなFFシリーズの魔導アーマーを意識して、AIONのEpisode 4.5が実装されたとしたならば、とても悪いバランスで取り込んでしまったように思えてならない。
ギアウィングというクラスは、メカを召喚(そういう言い方しかできない…)して、自由自在に操るクラスだが、基本バトルクラスであり、しかもスキルはメカに乗っている時のもので攻撃的なものが主体。だから、どうしても派手な戦闘ばかりが目に付くが、基本それしかできないのだから目につくのも当たり前。
FF14の魔導アーマーとは似ても似付かない立ち位置である。

FF14の魔導アーマーもストーリー的にはもちろん兵器として登場しているが、それがマトモに兵器として使われた場合、どういう影響を及ぼすかがちゃんと考えられていて、一般ユーザーが兵器として使えるようになっていない。今後どうなるかわからないが、恐らくそれをやってしまう事の世界観への影響や、他クラスとのバランスの関係で、魔導アーマーを戦闘で使う事は相当に制限されるか、或いは最後まで兵器としては使えないままかもしれない。

AIONは、そのアタリを真っ向からユーザーへ解放した。見た目にインパクトは与えられたし、何か凄い事になりそうなイメージは創出できたかもしれない。だが、同時に他クラスとのバランスは著しく低下したように思える。
殴る蹴るの動きはまぁ良いとして、問題は飛び道具の存在だ。
魔法による飛び道具ならまだしも、薬莢を排出しそうな銃撃は戴けない。これでは他クラスとイメージバランスが採れない。
せめて弓のような飛び道具にするとか、蒸気機関で動作するようなものにできなかったのだろうか?

ふと、ここで私は聖刻1092シリーズ(ワースブレイドシリーズ)を思い出した。アレに出てきた操兵は、実にファンタジー世界と融合していて良かった。ファンタジー世界にメカを出すなら、ちゃんと他クラスとの世界観の統一は欠かせない。
しかし、AIONのEpisode 4.5は、その映像を観る限り、とても統一感があるように見えない。
なぜこうなってしまったのだろう?

辞めてしまったから何も言えないが…

今、国内でAIONをプレイしている人口はどれぐらいいるのだろうか?
FF14は好調でそうとうなプレイ人数を獲得できているが、私が思うに、AIONはかなり減り続けているのではないだろうか?
もしかしたら、そういう減ったユーザーを取り戻すべく、派手な演出と共にメカメカしいクラスを登場させたとしたならば、私は逆効果だったように思えてならない。
世界観ぶちこわし…私にはそういうイメージしか浮かんでこなかった。

ま、辞めてしまった私がこんな事を言う資格などないのだが、何かもったいないなという気がしてならない。
天族と魔族の戦いという、ベタだけどしっかりした世界観を持っていたAIONだからこそ、あの面白さだったように思うのだが、これから先、どこを目指していくのかちょっと心配になる。
今現在プレイしている人、もし良かったらそのアタリをいろいろと思えて欲しいものである。
ギアウィングの登場以降、どう世界観が変化する(した)のか?
気になるところである。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version