全世界で200以上のGame of the yearを受賞した『The Last of Us』がPS4にリマスター版として発売される。
The Last of Us
2013年6月に発売された『The Last of Us』は、一言で説明すると、サバイバルホラーアクションアドベンチャーゲームというジャンルに属するゲーム。
サバイバルで、ホラーで、アクションでアドベンチャーなゲームだ。
…いや、ふざけてないよ?
ホントにそのまんまのジャンルなのである。
制作したのはアンチャーテッドシリーズを制作したノーティドッグで、ゲームというよりは映画という感じのゲームである。
ストーリーはというと、以下な感じ。
突然謎の寄生菌のパンデミックが全世界で発生し、地上は荒廃した。そんなパンデミックから20年後、闇市での取引を生業とする主人公ジョエルが、絶命間際の友人に頼まれて、エリーという14歳の少女を仲間のところへ連れて行く仕事を引き受ける、という所からスタートする。
世界観からすれば、バイオハザードっぽいものを感じるが、要するに危機的状況下で主人公と少女があらゆる手段で脅威を排除し、生き延びていく、というものである。
まぁ、わかりやすく日本語版トレーラーを紹介。
これで内容はわかると思う。
PS4で何が変わった?
このPS4版『The Last of Us』はリマスター版として発売されるワケだが、当然オリジナルのまま発売という事ではない。
実はこの『The Last of Us』には、いくつかDLCが用意されていて、PS4版は最初からそれが内包された形で発売される。
他にも、1080p(フルHD)の解像度に対応し、キャラクターも高解像度モデルに刷新される。さらにPS3版で定評が高かった映像演出面のライティングおよびシャドウイングに更なる磨きが掛けられるという。もちろんゲームプレイ面でも強化・調整が行なわれるとしていて、あらゆる所に手が入るようだ。
元々PS3の表現力は、現時点では既に時代遅れになっているのも事実で、しかもPS3のハードウェアの制約でビデオメモリが小さいという問題がある。正直、今発売されているゲームの表現力は、おそらくSCEが当初考えていた品質よりずっと上を行っているハズで、ソフトウェアであらゆる品質を無理矢理に向上させているところがある。
そこにきてのPS4である。
表現力は格段に上がり、しかもメモリはプログラム含めて6GB近く使用する事ができ、GDDR5という高速メモリである。PC版が存在していたならば、少なくとも中堅以上の品質が約束される表現力を持つPS4だから、ある種、キラータイトルと位置付けられても何ら不思議はない。
一応、PS4版は今夏発売予定としているが、気になる人は情報を追いかけた方がいいだろう。
いったいどれだけの開発費をかけているのか?
正直言うと、私はアンチャーテッドシリーズもそうなのだが、ノーティドッグのゲームは開発費にいくらかけているのだろう? という疑問しか浮かばない。
作りが既にゲームというよりは映画で、開発に携わる人員もとんでもない数に膨れあがっているのではないかと思う。
実際、スタッフの肩書きもそれに準じるもので、音楽は映画『バベル』や『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞を受賞したグスターボ・サンタオラヤが担当しているというから、スタッフもハリウッド級である。
別にこのような作りを否定するわけではないが、このような巨大プロジェクトで制作するゲームは確かに壮大なストーリーと緻密な表現力、それらに合わせた音楽と、エンターテイメントとして映画と変わらないものが約束されるのかもしれないが、ゲームらしさというものは希薄になるような気がしてならない。
このような映画的なゲームもゲーム表現の一つだから、こういうのもアリだという事はわかる。だが、日本ではなかなかこういうタイトルに比肩しうるタイトルが生まれないだろうな、とは思う。
ここらへんは、やはりゲームというものの考え方と捉え方、そしてそれらにまつわる予算の採り方に日米の差がある為、致し方ないのかもしれない。
今の所、これらのタイトルに真っ向勝負を挑んでいるのは、コナミのメタルギアソリッドシリーズぐらいしかないのではないかと思ったりもするのだが、日本勢が対抗するには厳しい現実があるという事に関して、実に残念な話ではある。
何はともあれ、現時点で次世代ゲーム機はPS4一人勝ち状態だが、ここに来てさらにダメ押し的タイトルが発表された。
最終的には、世界で最も普及しているPS2の販売台数を超える事ができるのか? というのが気になる所である。ちなみにPS2は1億5,500万台以上を売り上げている。
果たしてこの記録を打ち破る事ができるのか?
非常に気になるところである。