明日はクリスマス・イブ。昔ほどクリスマスである事を騒ぐ人がいなくなったような気がする。
ピークは過ぎた?
Xmasといえばキリスト教では重要な儀式の日である。
Wikipediaで調べればわかるが、最も重要な日というわけではなく、また日本でのクリスマスのように派手な祭りでもない。
どちらかというと、家族だけで過ごし、厳かに過ごす…というのがその本質である。
だが、日本はこのクリスマスを仕掛けたのが商人という事もあって、何かと派手なお祭りに仕上がっている。
まぁ、これは何もクリスマスだけの事ではないのだが、クリスマスだから○○を用意して楽しく過ごそう的な、実に商人の仕掛けそうなキャッチに溢れた祭りである。
だからキリスト教圏の人の目で見れば、日本のクリスマスは変なものに映る事だろう。その感性は間違っていない。
何しろ、ケンタッキーフライドチキンを食べるのは日本だけであり、キリスト教圏では七面鳥を食すのが普通。チキンであったとしてもローストチキンを食すのが通例なのだ。
もうこの時点で日本のクリスマスは変なのである。
だが、そのクリスマス(クリスマス・イブ)だが、ここ数年、どうも以前よりずっと静かになったな、という印象がある。
イメージとしても、従来は恋人のいない人からすると寂しいお祭り的な印象が非常に強かったが、最近では以前ほどの風当たりがない。
街中のイルミネーションそのものはLEDの普及によって派手にはなっているが、ただ派手なだけで、そこにクリスマスだからという理由付けがなくなりつつある。
私の印象では、どうもピークが過ぎてしまったように見えて仕方が無い。
これは何故なんだろうか?
他のイベントが強くなりすぎた?
私の感じる所をそのまま書くと、おそらくだが、日本人の中で構成されるイベントの中でも、クリスマスは印象に残るイベントとしての順位を下げてきているのではないかと感じる。
例えば、11月末のハロウィンは、以前ではあまり話題になるようなイベントではなかった。しかし、ジャック・オ・ランタンの仮装などイベント的な意味合いでクリスマスよりずっと騒げるイベントであるハロウィンは、今の時代に合っているのかもしれない。それ故にクリスマスよりも人気のあるイベントになっていったのではないかと思うワケである。
要するに、何かの理由付けが世代のニーズにマッチングしないと、そのイベントは徐々に衰退していくのではないかと私は考える。
しかし、これがキリスト教圏なら、こんな衰退はしない。何故なら、宗教的にちゃんとした意味があり、それが古来よりずっと守られているからだ。
日本でいうなら、お盆と正月がずっと続いているのと同じで、宗教的あるいは土着的に根付いているイベントは、カタチこそ若干変わったとしても脈々と続いていく。
日本においてのクリスマスは、残念ながら国民ほとんどの人からすると、宗教的意味合いを持たない為、いとも簡単に衰退していくと考えられる。
だから商人側が何か強烈に仕掛け直さないと、この衰退は止められないだろう。
日本は無宗教ではない
日本人は宗教を信じている人は少ない。
いないとは言わないが、大多数の人が信者とは言えないレベルの存在である。
それでも無宗教ではない。
あらゆる宗教を取り込み、実に多様な生き方をしているのが日本人である。
お正月の初詣に始まり、除夜の鐘を鳴らす大晦日まで、決して同じ神族に連ならないイベントが目白押しである。
まずその事が海外の人からすると変に映るのかもしれない。
日本人は古来より海外から入ってくるものを次々と受け入れ、自らの文化に取り込みながら進化させてきた。その流れを上手く利用してきたのが商人だ。異文化ゆえに馴染みやすいモノをイベントに関連付けて商売としてきた。
だが、はじめた時と今とで世間の状況は大きく変化した。特に最近。
家族単位だったものが友人・知人単位となった現代人。まだ他にも違いはあるかもしれない。
だからこれらの要素に合った魅せ方をしないと現代人は乗ってこない。
日本人は無宗教ではないが、やはり宗教に結びつけるのは難しい。
衰退する流れに歯止めを掛けるのは、やはり商売的な仕掛けが不可欠ではないかと思う。
土曜の丑の日やバレンタインデーも全く同じである。
時代の変化でこうしたものも変化の兆しが見え始めている。
衰退した、とまでは行かなくても、これらイベントで商売をしている所は、今一度分析してこの衰退する流れを止めた方が良いのではないかと思う。