最近使わなくなったなぁ…。
それでも必要なメディア
メインに使わなくなって随分と久しいが、それでもないと困るというのが光メディアである。
CD-RとかDVD-Rなどの光メディアは、そのコストの安さで他人にデータを物理的に引き渡す際に非常に有効で、業務でも時々必要となる事から、メインで使わなくなったとはいうものの、なくなればそれはそれで困るメディアである。
というのも、数MBのデータを気軽に他人に渡す際には、最近ではメールでも何とか対応はできるものの、数十MBぐらいになるとメールでは重いし、手軽なクラウドストレージで手渡すとしても、全ての人がそのクラウドストレージを説明なく使えるとも限らないわけで、物理的に手渡しする必要がなくても困る時は困るのである。
…いや、私はクラウドストレージで十分だが、日本の普通の企業でPCに詳しくない人の中には、今自分が取り扱っているデータが、そもそもクライアントPCの中の出来事なのか、それともローカルネットワークの中の出来事なのか、それすら判断が付かない人がいるのである。
IT関係の仕事をしている人からすると「ウソだろ?」とか思うかも知れないが、これが私の周辺の現実だったりする。
なので、そういう人に手軽にデータを渡す場合、USBメモリやSDカードという手段を使うか、光メディアを使うかという二択に迫られる。
メディアが自分の手元に戻ってくる場合は、NANDフラッシュメモリ媒体で問題はないが、そうでない場合は、やはり使い捨てという手法で光メディアに頼るのがもっとも楽で簡単な方法になる。
なのでなければないで困るワケである。
That’sブランド
That’sと聞いて太陽誘電という言葉が出てくる人は昔から光メディアに拘りがある人ではないかと思う。
というのも、太陽誘電は福島の工場で日本の大手メーカーの光メディアの多くをOEM生産しており、自らもThat’sブランドで販売していた。だから太陽誘電の光メディアを買うという事は、他メーカーの光メディアを買う事と何ら違いがないわけで、拘る人はオリジナルのThat’sブランド、という買い方をしていたのである。まぁ、価格が大手メーカーのものより安い、というのが最大のポイントだったかもしれない。
ところが、前述したように次第に光メディアを使用する人が少なくなってきて、2015年、遂に太陽誘電も光メディアから撤退する事となった。
これは時代の流れでもあり、仕方のない話ではあったのだが、That’sブランド製品を長年使っていた人からすると残念極まりない話であった。
国内生産ではないが…
この太陽誘電の光メディア撤退に際し、スタンパーや材料、製造工程、品質管理を台湾のCMCマグネティクスに提供している。
おそらく、その提供した設備を使って製造した光メディアを、株式会社磁気研究所が発売すると発表した。ブランドとしては新たに「TY-MID」という名称になる。
国内生産ではなく、台湾での製造になると思われるが、製造に関しては日本品質を引き継いで維持しているものと思われる。
ラインナップとしては、CD-Rが700MBの48倍速対応で、レーベル面が白のプリンタブル製品、ワイドブリント仕様の製品、鏡面仕様の製品、水に強いホワイトウォーターシールド製品と4種を発売する。
DVD-Rは片面1層4.7GBで16倍速記録対応で、同じく4種の製品が発売される。
各パッケージの入数は、ホワイトウォーターシールド仕様が50枚スピンドル仕様で、他3種は100枚入りロールラップ仕様になる。
もう個装での製品にはならないが、もともと消耗品として現在は使われているため、まとめ買い製品という所に集約するという事なのだろう。
とりあえず、これで太陽誘電のDNAを継承した製品は再び市場に登場する事にはなったが、残念ながら国内生産ではなくなった。
品質的に問題がなければ良いが、とりあえず必要な時に購入できるという事実はありがたく受け入れたいところである。
しかし…こういうのはどんどんと少なくなっていくな。
大容量だけがニーズではないのだが…。