任天堂から新ハード発売!?
海外展開の焼き直し
任天堂から新ハードが発売される。
そう言うとNXの事かと思われるかも知れないが、実はそうではなく、2016年7月15日にこのBlogでも紹介した(https://blog.angel-halo.com/2016/07/%E5%BE%A9%E5%88%BBnes/)、海外でNESが復刻して発売されるという製品が、日本仕様となって発売されるという話なのである。
形状は海外版のNESではなく、国内のファミコンを小さくしたような形に変わり、内蔵される30種のゲームも見直されている。
要するに、発想だけでいえば海外展開商品の焼き直しでしかないものだが、それをホントに国内向けに持ってきた事に、多少なりの驚きを感じていたりする。
確かに以前は「国内でも販売すれば良いのに…」と言ったが、この時期に国内で同じような製品を展開したという事は、任天堂の経営状態をどうしても勘ぐってしまう。
ポケモンGOによって、相当持ち直した、という噂もあったが、依然として新製品が出ない任天堂の経営は決して楽なものではないはずだ。
そこにきてこの復刻版ファミコンの投入だから、苦しい経営を少しでも改善するために投入した製品…ととられても世間的には仕方のない話ではないかと思う。
ま、個人的には登場してきた事そのものは歓迎するが、気になるのはその値段。
11月10日発売で価格は5,980円。正直、その半額でも良い価格設定ではないかと思う。
インターフェースは良いのだが…
この復刻ファミコン、前述したように形状はファミコンの形をしているが、その大きさは約60%程度に縮小されていて、30タイトルのソフトは全て内蔵されている。
本体には電源供給用のUSB端子から行う形になっていて、別売りのUSB端子が搭載されたACアダプタが1,000円で提供される。もちろん、そのACアダプタがなくてもUSB充電器から電源供給を行う事もできる。
インターフェースはHDMIが用意されていて、デジタル接続が可能。この点は大いに評価できるのだが、問題は接続されているコントローラー。1コンと2コンが本体に接続されているのだが、前述したように大きさが60%縮小型であるため、かなり小さなコントローラーが直付けされている事になる。これは人によってはいただけない措置である。
せめて取り外しが出来るタイプにするか、折角電源供給用にUSB端子があるのだから、コントローラーもUSB端子接続にしてくれれば良かったのではないかと思う。
収録タイトルは懐かしさ爆発
内蔵されている30タイトルだが、実に懐かしいタイトルが目白押しである。
ドンキーコング、マリオブラザーズ、とファミコン初期のタイトル(1983年発売)が含まれている他、それらタイトルの発売日から3年後のゼルダの伝説なども内蔵されている。
一番新しいタイトルとしては、1993年発売の「星のカービィ 夢の泉の物語」が収録されていて、全体の収録タイトルにはかなりの年代幅がある事がわかる。
私からすると、ファミコン初期のタイトルだけでもよかったのに…と思ったりもするのだが、やはりそれだけだと訴求力に欠けるのか、幅を持たせているのが現状である。
収録タイトルを見る限り、欲しいと思ってしまう人も多いとは思うが、この製品はやはり残念だと思わせる部分がどうしても存在してしまっている。
それは収録タイトル30種以外を遊ぶことができない、という事である。
最近はヴァーチャルコンソールによってWii/Wii Uで遊べる過去タイトルがダウンロードで手に入る時代だが、この復刻ファミコンはそれらダウンロードタイトルには一切対応せず、内蔵された30種以外を遊ぶ手段がない。
物理的にゲームカセットを挿す事もできず、他タイトルを遊ぶこともできない。
それでいて価格が5,980円なワケだから、価格的にお手頃とはちょっと言い難い。
過去作品をデジタル出力できる意味
この製品の魅力はただ一つ。
それは過去作品をデジタル出力できるという事に尽きる。
それ以外はメリットを感じる事のない製品だと思う。
もっとも、それを最大の利点として欲しいと思う人もいるだろう。だからこの製品が完全に失敗した製品だというつもりはない。
ただ、過去の作品を求める人にとって、デジタル出力ができるという利点だけで満足できる人は少ないように思う。