RYZENの性能が漏れ聞こえてきた。
IPCはIntel優勢?
AMDのRYZENは期待されている性能を発揮していると言えるであろうベンチマーク結果が漏れ聞こえてきている。
北森瓦版というサイトの12月25日の記事に、そのベンチマークが紹介されているが、RYZENのES品(Engineering Sample)の3.15GHz駆動品としてCore i5 6600Kと比較した情報が記載されている。
これを見ると、8コア16スレッドの並列処理が有効に働いているのか、Core i7 6900Kの次点となるスコアを出している。並列処理を必要とする場面であれば、その性能は遺憾なく発揮できると予想される。
一方、この処理がゲーミング処理となると弱いという一面も見えてきた。おそらくシングルスレッド動作ではIntel製コアに届いていないという、従来のAMD製コアと同じ傾向が見られるようである。
また、ワットパフォーマンスで考えると、特別優秀という感じでもない。
現時点のES品が3.15GHz駆動なわけだが、もしこれが同じ消費電力で3.4GHz以上の動作が可能になれば、ワットパフォーマンスはさらに向上する事になるわけで、そうなった時のパフォーマンスでいえばIntel製コアよりひとつ抜きん出る可能性も見えてくる。
これらの傾向を見ると、一般的な使い方で考えればRYZENはあまりオススメできるコアとは言い難いかも知れない。
一般的な用途で考えると、やはりシングルスレッド性能が優秀な方が良い結果が得られる傾向にある。
私のように、多数のプロセスをガンガン回してPCを稼働させるタイプは、こうした並列処理が得意な挙動は実に効果的に出てくるのだが、単純にゲームで遊びたいとかそれだけだと、AMDよりはIntel、という方向性に変わりはないかも知れない。
記事に掲載されている表を見る限り、Core i7 6700Kのパフォーマンスはズバ抜けて高いというのが、その証明みたいなものである。
私の用途
WindowsのPCの使い方としては、単一プログラムを動作させるだけでなく、バックグラウンドでいろいろなプログラムが動作しているケースがほとんどである。
そう考えれば、並列動作が有利なコアであればあるほど、その性能は向上しそうなものだが、そもそもPCは、大部分の時間CPUの活動は止まっている事実を認識しておかねばならない。
タスクマネージャ等でパフォーマンスを確認していればわかるが、各プログラムは起動時にガッとCPU負荷が上がり、その後何かしらのアクションがない限りCPU負荷はずっと低いままである。
つまり、一見たくさんのプロセスを同時に動作挿せていると思っていても、実際には4コアもあれば十分処理しきれるタスク数でしかないケースが多い。
どちらかというと、処理に時間がかかるプログラムを複数走らせるとか、単一処理であっても複数のコアに分割して処理できるプログラムを多数のコア・スレッドで処理をする、という事がない限りは、8コア等の利点を生かし切れない可能性が高い。
つまり、前述したように普通の使い方をしていればRYZENの8コア16スレッドはあまり意味がない事になる。
だが、私の場合はちょっと話が変わってくる。
私は、いつも…ではないが、時々ゲーム等の生放送を行ったりする事がある。この時、ハードウェアコンコードを使用しないので、CPUなりGPUに常にエンコード作業をさせつつ通信を行うという事を随時行う事になる。
また、その時に同時にFaceRigを動作させる予定だし、そもそもゲームも動作させたりする事を考えると、この処理が常に行われると考えると、多コアである意味は普通の人よりはずっと高い。だからこそ、私は以前よりRYZENに期待するところが大きいのである。
とりあえず、性能的には申し分ない事は見えてきた。
あとは価格がどうなるか? といった事になるわけだが、これでIntel製コアよりもリーズナブルであれば、選ばない手はないのではないだろうか。