先日リファレンスカードを買ったばかりなのに…。
3連ファン搭載
Sapphireというビデオカードベンダーから、独自仕様のRadeon RX Vega64搭載カードが姿を現したようだ。
スロットは2.5スロット仕様で、3基の異径空冷ファン(2基が95mmで1基は84mm)を搭載し、LEDによるイルミネーションが搭載されたカードで、リファレンス仕様から比べてかなり大型のビデオカードになるようである。
VideoCardz
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techPowerUp
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また、PCI Express電源コネクタは8ピン×3と、リファレンスの×2と比べてもまだ1本増える感じで、要求する電源容量から考えると、おそらくオーバークロック仕様ではないかと予想できる。もっとも、公式にはオーバークロックモデルかどうかもまだ発表されていないのでわからないが、3連ファンと3本の8ピン電源とくれば、これはもうほぼ間違いないのではないかと私は思う。
外部インターフェースの構成もリファレンスとは異なり、DisplayPort×2、HDMI×2が搭載されている。リファレンスはDisplayPort×3とHDMI×1という構成であった。
Sapphire以外でも、ASUSは仕様だけは先行して発表しているし、おそらくそう遠くない内にベンダーオリジナルカードが登場するのかもしれないが…正直、私はコレを待っていたのである。
ただ、今までもたらされた噂情報をかき集めると、ベンダーオリジナルビデオカードのほとんどは恐らくオーバークロック仕様のカードとなり、その要求電源仕様もリファレンスから比べて大きくなるものと想定される。
そうなると、私にはそもそも不向きとも言える仕様である。
実は…
まだBlogでは明確にしていなかったが、実は先日リファレンスのRadeon RX Vega64を購入した。
メーカーはHISで、限定のシルバーモデルである。先日、ツクモに緊急入荷したという事はBlogに書いたが、その後そのまま購入したのである。リファレンスに手を出したのは、ベンダーオリジナルカードが待ちきれなかったという事だけでなく、ベンダーオリジナルカードであっても、元々のGPUに何かしらのテコ入れがない限りは、消費電力に差がないからである。
また、ほとんどのベンダーは性能を向上させる為にオーバークロック仕様で出してくる事が想定出来たため、そうなると当然性能も向上するものの、その向上した分の性能に対して割に合わない消費電力になる事が容易に想像出来たためである。
このあたり、もしNVIDIAのPascalだったなら、多少でも性能が上のものを狙った方がお得感が出るのだが、Vegaに関しては余りにも元々の消費電力が大きい為、オーバークロックは性能追求型の人でないと納得できない仕様とも言える。
よって、私からするとVegaという選択肢が絶対であるならば、リファレンスカードが最適になるだろうと考え、購入に踏み切ったのである。
ちなみに、Radeon RX 580をCrossFireXで2枚運用した時の性能はGeForce GTX 1080と比較してほぼ同様か若干下回るかという所なので、ほぼVega64と同等の性能になるが、その時の消費電力はVega64よりも大きい事がわかっている。マイニングを行うのならRadeon RX 580を2枚という方が結果的に演算結果は速い事になるが、そうでないなら省電力になる結果を選んだ方が幸せである。シルバーモデルは見るからに金属ボディといったスタイルで、実にソリッドな形をしている。側面と裏面にディップスイッチがあり、LEDの色を変えたり、動作モードを切り替えたりできる仕様になっている。
いざ、搭載
手元に届いたRadeon RX Vega64だが、早速現行メインPCに組み込んでみた。
ショート基盤のGeForce GTX 970から比べると、Vega64は随分と大きく重いビデオカードになる…という事はわかっていたが、実際に搭載してみると重さよりもその大きさが問題で、ケース内にギリギリ収まるという状態。自重でカード端がしなるように下がってしまうのが気になるところだが、自重で下がるよりも先に他のコード等と接触して下がらないだろう感じになった。とりあえず接続はできた…まぁ、×8動作で動くことになるので、完全な動作条件ではないのだが、これも新メインPCに移行するまでの話である。
幸いにして、現行メインPCでもPCI Express外部電源コードの8ピンが2本、電源に搭載されているので、それを接続して装着完了である。その後、起動確認の為電源を入れてみたところ…Radeonの文字が赤く光るという、今まで私が搭載してきたビデオカードにはない派手さ。イマドキのハードは全てこんな感じだというからLEDのムダ使いじゃないかとちょっと思ったり…。
側面のセカンダリースイッチを省電力モードにしようか悩んだが、とりあえずドライバでの切り替えがプライマリーだというので今回はこのままにした。
問題はマザーボードの世代が随分と前でビデオカードとの世代差が気になるところ。性能に問題が出なければいいが…だが、動作はするハズなのでとりあえず運用テストに移行する。。
ベンチマーク
とりあえず装着後にPCを起動、そのままRadeonのドライバをインストールして無事性能発揮となる事を確認したところで、ベンチマークを走らせる事にした。
比較対象は今まで装着していたGeForce GTX 970で、ベンチマークソフトは私が今プレイしているFF14のベンチマーク3種である。
とりあえずいつもの環境でのスコアを取る事にして、解像度は3400×1440とした。
DirectX9環境として「キャラクター編」、DirectX11環境として「蒼天のイシュガルド編」、水中の描写を加えてより処理の重くなった「紅蓮のリベレーター編」の3つを回した結果が以下である。Radeon RX Vegaにはいくつかの動作モードがあるが、今回は私が使うであろうパワーセーブモードとバランスモードでテストした。少なくともターボモードは消費電力とのバランスを考えても使う事はないだろうという判断である。
元々、FF14はNVIDIAに最適化されているので、AMDのビデオカードではスコアはかなり低めに出るのだが、流石は最新世代といったところで、GeForce GTX 970より確実にそのスコアは上回ってくる。
面白いのは、Power Saveモードであっても、Balanceモードにかなり近いレベルでスコアが追いついているという事。これならあえてBalanceモードでなくても良いような感じである。ただ、これは実際のゲームプレイで確認したのだが、Balanceモードであっても通常プレイで60fpsを常時維持するのは難しい。おそらく解像度がフルHDなら軽く60fpsを超えるのだろうが、流石にこの解像度となるとそうはいかない。
とりあえずこの結果から見ても今の現環境ではPower Saveモードでの動作で問題はないようである。
Fluid Motion
さて…次はFluid Motionである。Vegaを選んだ最大の理由である。
公式ではPowerDVDなどで動作させる事が前提なのだが、今回のテストは、Media Player Classic-HomeCinemaで行った。
Bluesky Frame Rate Converterをインストールし、プラグインでFluid Motionを機能させるという方法である。
動画は著作権があるのでここではその状態は表示しないが、結論からいうとほとんどの映像は60fps化できた。もちろん中には機能しない動画もあったが、全体の8割以上の動画はFluid Motion機能で動画再生が可能だった。
だが…問題はその効果のほどだが…思ったほどヌルヌル動作になったかというと、結構微妙かもしれない。
もちろん、滑らかに動いている事は動いている。だが最近の新しい映像、特にCGで制作されているような動画だと、効果が分かりにくいかもしれない。
Radeonの設定で、このFluid Motionはデモモードで動作させられる。映像の半分の所に赤線が入り、左側がオリジナル、右側がFluid Motion適用と見分けられるようになっているのだが、明確に違いがわかる動画が結構少ない。
それでも感覚で「ああ、これは60fpsの効果があるかも」という何となくの実感はある。感覚の問題なので、人によっては意味がないという人もいるかもしれないが、私的には納得の機能といったところである。
ただ、Radeonの動画に対する色相/彩度補正や鮮明度補正は結構良い感じで働く。今まで観ていた動画をより鮮明にしたり、コントラストをハッキリさせたりする事が簡単にできる。
あと…これは私の感覚でしかないのだが、Radeonの発色はNVIDIAより鮮やかな感じがする。今までずっとNVIDIAのビデオカードばかり使ってきたので、結構新鮮である。
次はPC本体を
本来ならこのRadeon RX Vega64は、次期メインPCで運用しようと思っていたものだが、今のプランでメインPCを組もうとすると、思いのほか価格が上昇してしまうため、段階的にパーツを導入していく方向に切り替え、今回は現行PCでも使えるビデオカードを購入した。
とりあえず動作は上手く稼働したが、おそらくCPUなどがボトルネックになって本来の性能は出し切れていない感じではないかと思う。
なので、今後はCPU、マザーボード、PCケースと電源と、PCを形作る上で必要なものを徐々に購入していき、年末までに新PCへ移行できるように考えたい。
価格を抑える為にも、一度はAKIBAに出向いて、店頭セールでパーツを揃える必要があるかな、と思っているが…そのタイミングを計りながら、今後を計画していく事にしよう。