いつもは使わないが使いたい時がある。
コピーでなくクローン
玄人志向から、PC不要で動作するUSB3.0インターフェース対応の外付けスタンド「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP」が発売される。何をするものかというと、ストレージをコピーする事のできる機器なのだが、単にデータをコピーできるというだけなら、WindowsというOS下でデータコピーすれば良いだけ。しかし、実際にはデータコピーとは異なる「ストレージクローン化」が可能なのが本製品の本当の性能だったりする。
データコピーとクローンの違いは、PCに詳しい人ならわかるかもしれないが、あまり詳しくない人だと区別が付かないかも知れない。
単純に説明すると、AというHDDにあるデータを、OS上でBというHDDにコピーしても、Windows上ではAとBは同一のHDDとは認識しない。あくまでも同じデータを持っている別々のHDDとして認識しているだけなので、たとえばAに記録されているシステム領域のデータをBにコピーしてもBをシステムドライブとして認識する事はない。
だから、AというHDDがクラッシュした時に、BというHDDを接続しても、同じ環境でシステムが立ち上がる事がないのだが、これがデータコピーでなく、クローンという方法で複製していた場合は、AとBを同一のものとしてコピーできてしまう。
「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP」はそのクローン化を可能にする機器であり、本当の意味で物理的にバックアップが可能な機器、という事になる。
物理的にコピーしたものがバックアップとして利用できるので、非常にわかりやすく、私からすると、このクローンこそが本当の意味でのバックアップではないかと思っている。
直挿し可能なスタンドタイプ
「KURO-DACHI/CLONE+ERASE/ESKP」の良いところは、HDDやSSDといったストレージを直挿しできるスタンドタイプだという事。
機器にそのままストレージを差し込んで接続し、そのままPCレスでクローンを作成する事ができる。
接続できるストレージは2.5/3.5インチのSSD/HDDで、最大12TBまでなので、現在市販されているストレージのほとんど全てに利用する事ができる。しかも高速データ転送が可能なので、275GBのSSDデータなら約16分でクローン化が終了する。
さらに、他の機能として全てのセクターに対して0または1つのランダム値を上書きする完全データ消去機能も持っているので、不要なHDD等を廃棄する際にも利用できる。なお、この完全データ消去機能は、3TBで5時間以上の時間がかかる作業だが、放っておけば勝手に処理しているので、あまり速度は気にならないかも知れない。
また、ノーマルモードで動作させれば、差し込み口2台のストレージを別々のドライブとして認識させる事もできるので、外付けHDDとして利用する事もできる。
またその外付けドライブとしての機能は、REGZA/AQUOS/VIERAの家電での動作も確認済みで、録画用HDDとして利用する事もできるという。
…何か、万能だな、コレ。
価格的には8,000円未満で市場で流通すると想定されているので、ストレージのバックアップを物理的にしたい、という人は一つ持っておいて困る事はないだろう。
いつもは外付けドライブとして使用し、必要な時にクローンシステムとして利用する…そんな使い方で良いのではないだろうか。