7万円でミドルレンジミニPCは作れるか?

 Atom製品ならOS以外を3万円程度で作る事が出来る。
 この事実はそう珍しい事ではないのだが、とうとうTWO-TOPではそれを世に示すべく組立キットとして発売するに至った。
TWO-TOP Atom ネットトップ組立キット
 しかしこれは所詮Atomで構成されたPCであり、残念ながらハードな処理を行うには不向きなPCである。もっとも、ネットみてメールしてテキトーに動画見るくらいならコレで問題はないのだが。
 だがしかし、元とはいえパワーユーザーだった私からすると、こういう小さなPCにこそハイエンドクラスの性能を求めたいというのが本音。
 ただ、それだと流石に3万円以下という価格は無理というもので、いろいろ考えると5万円は超過する事になる。
 なんだ、安くないじゃんと思うかもしれないが、そもそもミドルレンジクラス以上のPCは10万円以上するわけで、それを7万円くらいで作る事ができれば、それはもう立派な低コストPCと言わざるを得ない。
 Mini-ITXというフォームファクタがあるが、小さくて低価格PCを作る場合、このフォームファクタが結構イイ感じに収まってくる。

 J&Wより「MINIX 785G-SP128MB」というマザーボードが発売されたが、これはなんとAMD785Gチップセットを搭載した製品である。
 AMD785Gと言えば、単体でRadeonHD 4200レベルのグラフィック性能を持つだけに、低価格でもビデオ性能をそれなりに…という人には最適な一品と言える。


 このマザーボードは、CPUが65Wまでのものしか搭載できないため、最高位のCPUがPhenomII X4 905eとなる。
 あとメモリはノートPCに使われる200pinのDDR2-800が最高位になるため、仮にTranscend製メモリを4GB搭載する。
 HDDは3.5インチ500GBがコスト的に安いためそれをチョイスし、あとは低価格となったスーパーマルチDVDドライブ、300W電源が付いてくるMini-ITXケースを選んだところで、その合計金額は…約5万5,000円ちょい。これにOSを付ければ7万円以下での構成となる。
 ちなみにこの構成での性能もCPUは2.5GHzのクアッドコアであり、また785Gチップセットである事からHD動画再生支援もあり、3Dグラフィックスも昔ほど苦手というワケでもない。
 もしCPUをもっとレベル下げてもいいというなら、5,000円~10,000円は下がる。
 最近はこうした統合チップセットを採用したマザーボードが多い為、グラフィックスに拘らなければ低価格に抑えることができる。
 もちろん、その場合は用途によるわけだが、ヘビーな使い方をしない人が多いだろうから、大方この仕様で問題ないだろうと思われる。
 自作PCは敷居が高いと思っている人も多いかもしれないが、結構性能高いPCを安くつくる事ができるのも事実。
 一番最初に紹介したAtomのキットにしても、OSなしではあるが3万円以下である。
 この冬休み中、手持ちぶさたで寝正月を迎えそうな人は、こういう自作キットでマイPCを作るというのはどうだろう?

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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