新型はない、と言われていたが…。
New Surface Pro
ちょっと前に、Surface Proの海の親であるMicrosoftのパノス・パナイ氏が「Surface Pro 5なんてものはない」と発言していたのだが、結局、新しいSurface ProがMicrosoftより発表された。おそらく、パノス・パナイ氏からすると、何か意味のある大きな変化がなければ新型とは言わない」という意図だったのかもしれない。そういう意味では、今回発表されたSurface Proは新型と呼ぶには物足りないモデルかもしれない。
しかし、その中身はというと思った以上に変化があったと考えていいほどのカスタムパーツ数で、その数は800以上にもなるという。
具体的には、パッテリー持続時間が延び、静音性が上がり、処理能力が向上したのが新モデルという事になる。
だが一番大きな変化は、付属品となるSurface Penの使い勝手である。
以前は筆圧感知が1,024段階だったものが4,096段階へと拡張され、傾き検知が可能、かつ反応速度が21msとなった事である。これで以前よりずっと手書きによる用途を強化したモデルへと変化した。
他にも、本体裏のヒンジが165度傾けられるようになり、緩やかな傾斜をもった場所であっても、自然な角度で作業できるようになった。
全体的に使い勝手向上、というのが、今回の新型の特徴と言える。
基本はKaby Lake仕様
今回発表された新型の中身は、基本的にはKaby Lakeコアで構成されている。
仕様としては、CPUが第7世代のCore m3/i5/i7、メモリが4/8/16GB、ストレージが128/256/512/1,024GB SSDから選択が可能になっている。またCPUのプロセッサー・ナンバーは怪訝時点で不明だが、Core i7は Iris Plus Graphics 640を搭載している。OSはWindows 10 Proで、Officeの30日試用版が付属する。
ディスプレイは2,736×1,824ドット(比率3:2、267ppi)のPixelSenseディスプレイと、Surface Pro 4と仕様上は同じものだが、Surface Bookと同じカスタムシリコンのPixelSense Acceleratorを搭載しており、より正確な色表現が可能となっている。
他にも、USB 3.0、microSDカードスロット、Surface Connect、Mini DisplayPort、カバーポート、音声出力、IEEE 802.11/ac無線LAN、Bluetooth 4.1、500万画素Windows Hello対応前面カメラ、800万画素背面カメラと、目立って変わった仕様はないが、オプションでLTE Advanceモデムが内蔵可能となっている。但し、このWANオプションが国内でどのような仕様として利用できるのかは今はまだ不明である。
こうした仕様を見る限り、中身は確かに最新仕様に切り替わっているが、パノス・パナイ氏が言うほどの変化は前機種と比較して持ち合わせてはいないようである。
価格はまだ不明
今回の発表では、まだ日本国内での取り扱いに関しては全く触れていない。
なので国内価格が幾らになるのかなどは全くわからないが、最廉価モデルで799ドルになるらしい。
また出荷時期としては、6月15日から出荷開始となるがLTE内蔵モデルは秋頃から出荷となると言われている。
昨今は、タブレットとノートPCとで多少市場を食い合っているところがあり、AppleはMacBook系とiPad Proで微妙な顧客の重なりがあるらしい。
Windows系は、2 in 1やタブレットPC、ノートPCといろんなタイプが混在しているが、今の所Surface系の高度な処理を行うデバイスに関しては安定した市場を形成できているようではあるが、そもそもユーザーがやりたいことが実現できてしまえば、デバイスは何だってよいワケで、それを高度に実現してしまったAppleが社内で市場の重なりを作ってしまったという感じかもしれない。
もちろん、Windows系にそうした事が全く起きていないとは言わないが、ノートタイプの性能向上でデスクトップタイプの需要が低くなってきたという流れは長期的に起きているようである。
個人的にはインターフェースの関係からノートPCやタブレットよりもデスクトップが好みではあるが、全体的に見れば軽くてコンパクトなタイプへとシフトしてきているのは間違いないかも知れない。
こうした動きはCPUを見ていてもわかる。最近はモバイル専用というCPUが少なくなってきた。というか、ユーザーサイドでデスクトップPC並の性能が無ければならないという状況が亡くなりつつアリ、ほとんどの業務はノートPCのスペックもあれば十分という状況になってきている。その為、省スペースデスクトップでもTDPが15Wとか、非常に省電力なものが増えてきている。
Pentium4の150W時代が何だったのか? とすら思えるぐらいの変化であるが、時代はここまで進んだという事の証でもある。
技術進歩の上に成り立ったSurface Proは、Surface Penやキーボードカバーと合わせて、どういった使い方もできてしまうマルチデバイス。
いろんな用途を考えている人には福音となる選択肢だと思う。