先週も同じ事を書いたような気がするが、相変わらずメモリの価格が下がり続けている。
今週、とうとうメーカーのTranscend製品、DDR2-800 2GBが2枚セット品で1万円を割り込んだそうだ。
当然、ノーブランド製品はもっと安いわけで、DDR2-800 2GBの最安値は3,780円、DDR2-800 1GBの最安値は1,950円と1GBモジュールはとうとう2,000円を下回った。
ココまで安いと、現在搭載していめメモリモジュールを1GB品から2GB品に載せ替えようとか考える人が出てきてもおかしくない価格と言える。
だが、ここで気をつけなければならない事がある。
それはメモリモジュールが安くなったからといって、大容量化したとしてもそれがそのままの状態で使えるかというと確実にそうではないという事。
メモリはメモリコントローラが扱えるサイズ以上を搭載しても無駄だし、何よりOSにも認識できるメモリ量の限界値が存在する。
まずハードウェアの仕様から考えてみよう。
Intel製のCPUやチップセットを使っている場合、メモリコントローラはチップセット側にあるため、チップセットに大きく左右される。
その搭載チップセットが965世代であれば、8GBまでを認識する。
それ以前の場合、つまり945世代より前であったり下位であると、4GBまでしか認識しない。さらに下を見ると、915PL/910GLでは2GBまでになる。
唯一の例外としてG31/P31シリーズは現行チップセットではあるが、セグメントがバリューという事もあって4GBまでしか認識しない。
AMD製CPUの場合は、メモリコントローラがCPU内に存在するため、チップセットに依存しない。
Opteron、Athlon 64、Athlon64 X2、Phenom、どれをとっても8GBまで認識するように出来ている。このあたりはIntel製よりも優れている部分と言える。
ではソフトウェアとしてはどうなのか?
実はハードウェアでいくら8GBまで認識できていたとしても、実際にはOSがそれだけのメモリを認識できるかどうかで“使える”か“使えない”かが決まる。
WindowsXP(32bit版)はHomeであろうとProfessionalであろうと4GBまでしか認識せず、64bit版のProfessionalは128GBまで認識する(64bit版にHomeは存在しない)。
Vistaに関しても日本で発売されている32bit版はどのエディションでも4GBまでしか認識しない。
64bit版はWindows Vista Home Basicが8GB、Windows Vista Home Premiumが16GBまで認識し、それ以外の64bit版エディションは128GBまで認識する。
現時点では128GBなんて夢のような話にしか聞こえないが、かつては1GBでも夢のような容量だったのだから、数年後に128GBがどう見えているかなど誰も解りはしない。
で、話はさらにややこしい事になる。
もっとも多くの人が使って居るであろう32bit版OSのメモリ限界容量である4GBは、実は4GBすべてを自由に使えるというワケではない。
4GBというメモリアドレス空間は、ユーザーが使用できるメモリだけでなく、OSが管理するカーネルや各種の周辺機器のI/O(メモリマップドI/O)などのシステム用途にも使われるため、4GBというメモリを内部でいろいろと振り分ける事になる。
よってユーザーが自由に使える容量はそのPCの構成によっても変わってくるが、大凡3GBほど(おそらく3.2GBほど)になる。
じゃあ4GBは無駄だから3GB搭載すればいいや、という解釈もできなくはないが、ココまでメモリが安いのだから、あえて3GBという選択をしなくてもいいと私は思う。
逆にモジュールとして512MB品を2枚用意する方(シングルチャネルなら1GB品1枚でもいいが…)がコスト的に見合わないと言える。
何はともあれ、私としてはDDR2-800 1GBモジュールをあと2枚追加したいところである。
搭載メモリ4GBとなるが、当面使用するOSが32bit版である事を考えれば、それで十分だ。
64bitOSに移行する時期はおそらくあと数年先になるだろうと思う。
まずアプリが対応してこない事には、移行するメリットがない。
なのでコスト的にも、意味的にも効率的な4GBというラインが、今もっともベストな判断といえる。
…余裕が出たら…なんて事言ってたら、今の安値に間に合わないかもしれない。
私も何か方策を考えて4GBへの道を進もうと思う。