PS3でPSPのアドホック通信をバイパスして、PSPゲームをインターネット越しでプレイできるというアドホックパーティ。
β版が公開されたのは10月末の事。
一応ダウンロードだけはしていたのだが、接続テストなどは一切していなかった。
知人が新たにPS3を購入したという事で、それならばと、テストしてみた。
アドホックパーティはその接続性がかなりラフで、PS3とX-Link Kaiの双方を所持・接続している人がいれば、PS3を持たない人でもX-Link Kaiで接続している人を取り込む事ができる…らしい。
詳しいやり方などは知らないが、要するに無線LANをバイパスしているだけの機能という事になる。
そんな通信手段ではあるものの、ルーターの設定はシビアらしく、知人のルーターではSPI機能を切ってやらないとパケットロスで不安定になるようである。
テストで知人はPS3がハングアップばかりしてしまい、まともに接続できないという状態だったが、SPI機能を切ると正常にNATタイプを認識し接続可能になった。
昔からオンラインゲームではルーターの設定ひとつで接続性が決まってしまう事が多々あったが、それは今でもあまり変わらないのかもしれない。
アドホックパーティのインターフェースは、私がみたところまだ荒削りではあるもののなかなかおもしろいデザインになっている。
このあたりはX-Link Kaiなどとは全く異なり、見た目でわかるユニバーサルデザインをよく知っているSonyらしいところである。
直感的に使えるというのはもはや当たり前ではあるが、そのあたりがよく練られていないソフトも多い中で、Sonyは確実にツボを押さえてくる。
唯一の欠点は、PS3はキーボードが標準装備でないため、デフォルトのままだとチャットでの文字入力が扱いにくいという事である。
この部分はボイスチャットで補える部分ではあるが、どうもボイスチャットに関してはまだ不具合があるような話もあり、ましてアドホックパーティでのPSPゲームプレイ中のボイスチャットは、処理的に重くなるような事例が多いようである。
ただ、これはまだβ版であり、これから先バージョンアップが続けて行われる。
アドホックパーティはそのβ版公開からすでに9万件以上のダウンロードが行われているという事で、現状のPS3の普及率から考えるとかなり利用率は高いと言える。
まだまだ安定するだろうし、対応ソフトも増えていくだろう。
特にボイスチャットの品質はまだまだ向上させてほしいところであり、ボイスチャットしながらPSPでのアドホック対戦ができれば、PS3ソフトで足りない部分をPSPで補うという、Sonyの言っていたプレイステーション構想がまさに成り立つ形となる。
このスタイルがXbox360側から見て正しい比較機能と言えるかどうかは別問題だが、PS3は総合力で勝負に出てきている。
使う側からすれば、単体による機能であろうが、総合力であろうが無関係だ。
楽しく使える事が正義であり、便利でなければ興味を失う対象になるだろう。
PS3はネットワークに接続する部分においては無料であり、ココこそがXbox360に対して大きくアドバンテージとなる部分でもある。
その部分で今年~来年にかけてSonyは勝負に出てくるはずだ。
遅くはなったが、PS3はここからが勝負どころである。