私の前々職の時の話である。
声優さんとの仕事の時はあまりそういう事が問題になるケースは少ないのだが、ボーカリストと楽曲の収録をしていた時の話である。
普通の人であればみんな同じだと思うが、歌を歌う時にバックミュージックがある方が歌いやすい…というか、アカペラで歌えと言われるとかなり抵抗があるのではないかと思う。
とある収録の時、なかなかボーカリストの良い歌が得られず、収録が頓挫した事がある。
その時に収録ディレクターが「ちょっと今歌ったのを声だけで聞いてみようか?」と言った。つまり、アカペラ状態にするという事である。言われたボーカリストはかなりそれが恥ずかしい事のようであった。いや、多分それは普通の人であればみんな同じである。
ちなみにこの手法、その収録ディレクター等の間では“地獄聞き”という手法だそうで、ボーカリストの実際の歌のどの部分が良くないかを把握する場合、もっとも手っ取り早くポイントを得られる手法だそうで、逆にボーカリストにすると自分が丸裸にされるぐらい恥ずかしい行為と言われているそうである。
…まぁ、たしかにモロに歌の技量がハッキリするワケで、ボーカリストとして超一流と言われるぐらい上手ければ何とも思わないかもしれないが、そうでない限りはかなり抵抗のある手法ではないかと思う。
そんな地獄聞きを、簡単に出来てしまうソフトが存在した。
そのソフトというのが、楽曲のフルバージョンとカラオケを比較してボーカルだけを抜き出す“歌声りっぷ”というフリーウェア。
今発売されている殆どのシングルCDは、カラオケバージョンとかinstrumentalバージョンなどという名称で歌声が入っていない曲が収録されているケースが多い。
なので、それらをWAVEデータとして抽出さえしてしまえば、あとはちょこちょこっと設定するだけ。
波形を比較して差分を取り出すという、実に当たり前の事で音声部分を抜き出す仕組みで、カラオケバージョンがフルバージョンと同じ楽曲であれば、かなり正確に音声だけを抜き出せるようである。
窓の杜 音声りっぷ記事
http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20090805_307198.html
これでまたニコ動へアップする手法が簡単になるような気がするが…。
著作権的に問題がない範囲で使用するのがベストだろう。ニコ動はJASRAC管理曲であれば問題ないだろうから、大きな問題にはならないのかもしれないが…。
これで、いろんな人の曲を“地獄聞き”である。
一流であろうと三流であろうと玄人であろうと新人であろうと、声だけを丸裸にしてしまえっ!(爆)
面白いですね、これw
ツールがやってる事は極単純な事だけど、それだけに作者の着眼点が良いんでしょうね。
しかし、地獄つ…ぢごく聴きですか…。歌が上手くないけど曲で誤魔化してる人はヤメテーって感じでしょうw
しかし、本来は何に使うツールなんでしょう?
歌詞を聞き取り易くするのかな?
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本来は…多分ニコ動なんかでリミックスしたりする時に使用するツールなんだと思いますよ。
ボーカル成分だけを抽出できるんで、リズムが同じアレンジ曲を重ねればテクノバージョンとかハウスバージョンとかユーロバージョンとか…もうそりゃ思いのままですからw
こうしてリスペクトされていくんですなw
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