Becky!というメールソフトを使っている人ならちょっとは聞いた事のあるスパムフィルターだと思うが、深海魚フィルターの公開が終了した。
深海魚フィルターは“ベイズ理論”と独自の“深海魚テクノロジー”を用いた学習型の迷惑メールフィルターで、最初はBecky!用プラグインとして2006年7月13日に公開が始まった。
窓の杜で記事が取り上げられ、その存在を知った私は今まで使っていたスパムフィルタをやめ、即座に深海魚フィルターに乗り換えた。
というのも、その“ベイズ理論”という確率論の一種を利用したという所に惹かれたからだ。
というのも当時のメールソフト“Thunderbird”や、迷惑メール対策のためのプロキシーサーバー“POPFile”などで既に採用されていたのが“ベイズ理論”で、Becky!でもそれが利用できるようになったという、ただそれだけでも利用する価値がある、と思ったからだ。
そして使用する事3年と1ヶ月、私は深海魚フィルターに何ら不満な事もなく今まで過ごしてきたのだが、ここにきて公開終了である。
Becky!用として公開されていたプラグインではあるが、後には秀丸メール版やOutlook2007版も公開されていた。今回の公開終了で全てのシリーズが公開終了となったワケだが、非常に残念でならない。
とりあえず後継版としてBecky!用の迷惑メールフィルター“MSweeper”が既に存在するのだが、こちらは年間シェアウェア版。
というのも、こちらは非常に強力なスパムフィルターで、学習型と違い、“MSweeper”自身が15分毎に迷惑メールを受信・URL抽出を行い、更新の必要があれば即座に更新版を受信するという機能がついている。
要するにメンテナンスフリーのスパムフィルターなワケである。
こうなると流石にフリーウェアとして公開というワケには行かないだろう。
深海魚フィルターは学習型であるため、公開終了となった今でも、単独での使用はおそらく問題ない(ハズ)。
ただし、不具合が出てもこれから先それが更新される事もないし、スパムの学習は単独で行うしかないという問題もある。
が、私はとりあえずは今の状態で運用し続けようと思っている。
私の環境では現時点でスパム駆除訂正率が0.1%未満であるため、ほぼ完璧にブロックしているからだ。
もし、新OSに移行となって、どうしても未対応となってしまうようであれば、その時に“MSweeper”の導入を考えるかもしれない。
…まぁ、場合によってはBecky!の使用をやめ、他のメールソフトに移行してしまうかもしれないが。
何はともあれ、深海魚フィルターには今後もお世話になるだろうし、とりあえずは航海終了という事で作者にはお疲れ様と言っておきたい。