ここ最近、PCのハードウェアが劇的に変化してきている。
CPUの中にGPUが組み込まれただけでなく、それに伴いコントローラーがチップセット側からCPUに内包されたり、あるいはUSB3.0に対応したり、またSATAが6Gbpsへと変化したり…等々。
これらが複雑に絡み合い、上位機種でも何かが足りていなかったり、下位機種であっても対応しているものがあったりと、単純に上位・下位が付けにくかったりするケースが多発している。
しかもこれらの動きがIntelだけでなくAMDにも多少なり起きているところでその複雑さはより難解さを増しているように思う。
まぁ、AMDはIntelほど難しくはないのだが。
ここ最近のIntelのハードウェアの難しさは、Pentium3の頃と比較すらできないぐらいに難しくなっている。
何より難しいのは同じCore iシリーズでもソケットが違っているだけでなく、対応しているチップセットが異なっていたりする事で、内蔵しているGPUが使用できたりできなかったりする所にある。
しかも今まではノースブリッジとサウスブリッジで分かれていたチップセットが単一化した事で、一見簡単になったように見えていて、実は分かれていた片方がCPUになった事でより難解になったという、何だかよく分からない構成が当たり前のように組み合わされているという状態。
これではPC自作初心者では分からない人が出てきても不思議ではない。
実のところ、私も分からない事もある。
それはその組み合わせから生まれるパフォーマンスの差である。
最高性能の組み合わせではあればハイパフォーマンスである事ぐらいは誰でもわかるが、問題は部分的に下位性能しか持っていない上位パーツなどが存在しているため、どこでどう性能差が出るのかが見分けにくい。
Intel系パーツであればビデオ性能は今の時点では軒並み同じようであるためその部分は均一と言えるが、AMDのビデオ統合チップセットはそういう訳にはいかない。
890GXが登場したが、実際のところ790GXと何が違うのか、また785Gと何が違うのかというのをスペック表などで確認する訳だが、そこにSATA6の6Gbps対応などの新要素が加わると、どっちを取捨選択すればいいのか? は、ユーザーの意志に完全にゆだねられるだけでなく、個人差で高性能とが分かれてしまう。
なぜ今の現状がこんな感じになってしまったのかというと、それはGPUの使われ方や進化の仕方が変わってきたからであり、また、CPUが内包するものが変わってきたからであり、また並列化による性能向上などが要因と言える。
このような現状で最も深刻なのは、どのようにすれば最も効率的か? という事が、ベンダーによって異なる解釈で進められているという事。
IntelにはIntelの考え方があり、AMDにはAMDの考え方があり、NVIDIAにはNVIDIAの考え方がある事が、性能とコストのせめぎ合いの中でより難しい状況を作り出している。
こういう状況で私的に一番困るのは、他人に「どんなPCにすればいい?」と聞かれる事である。
目的別に予算を組まなければならないのは間違いないのだが、詳しくない人は広告などで一番安いPCの値段を見て、実際の欲しい性能と比較したとき、そのコストに収まらないという納得できない状況があるのである。
もちろん、安いPCには安いなりの理由があるのだが、その理由というのがわかりにくい。最近は特にそれが顕著に表れている。
そんな状況で新しいPCを買う方法はどうすればいいのか?
とりあえずコスト最優先で買ってしまって問題ないと思う。最近のPCはそれなりのパフォーマンスは持っている。なのでネットを見たりメールしたりする分には申し分のない性能を標準的に持っている。
もし、そこにBlu-rayを見たいなどが加わるならば、もう一つ上のランクを狙えばいい。もちろんBlu-rayドライブが付いている事が条件だ。
デジカメの写真を管理したり、場合によって画像処理したいなら、もうちょっとビデオ能力に強いPCを狙うといい。
ほとんどの人はこの3種の決め方で問題ないハズだ。
細かい仕様は必要ないだろう。
もちろん、私の場合はコレでは収まらない。
もっと細かい仕様を見比べ、必要な機能を取捨選択しなければならない。
どちらにしても、難しい時代になったものである。
ちなみに。
この状況は多分あと2年くらいでもっと簡単な状況になると思う。
今は各メーカーが混迷の真っ直中にいるため、こんな状況になっている。
何が効率的で、何がエコなのか?
そこら辺がもっとハッキリ見えてきたとき、必要なパフォーマンスとコストとのバランスがもっと明確に見えてくるはずだ。