本日、電波監理審議会は900MHz帯のプラチナバンドの割り当てをソフトバンクモバイルに割り当てるのが適当、という判断をした。
この900MHz帯については、docomo、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル(イー・アクセス)の4社が名乗りを上げていて、各社、基地局の開設計画を電波監理審議会に提出していた。
全ての企業が審査基準を満たしていて、しかも負担可能額、人口カバー率などの競争審査についても差がなかった、との事だが、最終的にソフトバンクモバイルが選出されたのは、基準加点審査での結果でソフトバンクモバイルが最も点数が高かったからであった。
この基準加点審査とは、対策および体制に関する計画について(A)、MVNOへの提供に関する計画について(B)、割り当てる周波数帯と同等の特性を持つ周波数帯を有していないこと(C)の3つの基準に対して4点満点の審査であり、結果的に総合点でソフトバンクモバイルが9点、イー・モバイルが8点、docomoとKDDIがそれぞれ5点となったようである。
もともとプラチナバンドを所有しているのはdocomoとKDDIであり、この2社は少なくともCの基準については高得点は得られなかったと考えて良いだろう。
この結果を受け、電波監理審議会は条件付きでソフトバンクモバイルに認定する予定で、その条件というのが以下。
・3.9Gの普及に取り組むこと
・終了促進措置について十分な合意形成をはかること
・通信設備の利用促進
・停電対策や輻輳対策
まぁ、順当といえば順当と言える条件で、ソフトバンクモバイルでは既に最大2122億5000万円を投じている部分もある。この条件の枠組みを達成した上で、ソフトバンクモバイルは2014年7月にも10MHz幅を利用してLTEサービスを開始する計画である。
900MHz帯が人気だったのは、偏に障害物を避けて届きやすい、という利点があるからだ。
一般的に700MHz帯~900MHz帯はこの特性から“プラチナバンド”と呼ばれていて、携帯通信事業を行う上では非常に重要なポイントと言えた。
SoftBankのiPhoneが繋がりにくい、というのは、このプラチナバンドを持っていなかったから、とも言えるわけで、むしろ持っていなかった状態でそれなりの通信インフラを支えていた事は評価されるべき事と言える。
なお、総務省が用意しているプラチナバンドはあと一つ、700MHz帯がある。
こちらは2015年に割り当てられる見込みで、今回外れてしまったイー・モバイルはこちらに望みをかける事になる。
だが、2015年になる頃には、他にもライバルが現れるだろう事から、決してイー・モバイルも安心はしていられないと思われる。
さて…SoftBankにプラチナバンドがやってくるのは良いとして、既存のスマートフォンでこの恩恵は受けられるのだろうか?
たしか、随分と前に既存の通信機器でも対応済みである…というような文言を見た記憶があるのだが…はて、どうだったかな?
記憶が定かではなかったため、ネットで調べて見たら、SoftBankの2万局くらいのアンテナは既に900MHz帯での運用が可能なようで、しかもiPhone4以降のiPhoneは900MHz帯に対応している、との事である。
iPhone女史
http://www.iphone-girl.jp/iphone-news/173079.html
これで徐々にSoftBank回線は使える回線になっていくと思われる。
個人的に今のdocomoの体制はあまり好きではないので、できるなら他通信事業者に変えたいと思っていた。
しかし、私の住んでいる地域では依然としてdocomoが圧倒的優位であり、それ故に今は電話だけdocomo、通話しないiPhoneとしてSoftBankを利用していた。
今後、この2回線を1回線に集約できる可能性が出てきたことは大いに喜ばしい事である。
…ま、その前に通話しないiPhoneの今後をどうするかを考えねばならないのだが…。