セルシスから発売される人型入力デバイス“QUMARION”は、3Dモデルクリエイトという作業をより簡単にしてくれるかもしれないデバイスと言える。
通常、3Dモデルを作り、それにいろいろなポーズを取らせようとすると、モデルを一つ一つ設定値で動かしたりしなければならなかったりするため、物理的というよりは論理的に動作を与えていくのが通例である。
ところが、この人型入力デバイスのQUMARIONだと、人型であるならば、そうした3Dモデルの動きをこのデバイスですべて(といっていいほど)補完できてしまう。
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【フォトレビュー】セルシスの人型入力デバイス「QUMARION」
~実機を使って3D CGアニメーションを作ってみた
詳細はリンク先を見て戴くとして、要するに人型デバイスを動かすと画面内の3Dモデルが同じポーズを取る、という事である。
今まで似たようなアプローチをもつ製品があったのかは知らないが、私はこのQUMARIONが初めてである。
たしかに、これだと3Dモデルにいろいろなポーズを取らせるのはかなり楽である。
商業ゲームなどではモーションアクターと呼ばれる職業の人が動いた動作をトレースしてゲームなどで使用しているが、そのモーションアクターがこの人型デバイスに置き換わった、と言えばわかりやすいだろうか。
どちらにしても、VOCALOIDの延長上にあるような方向性の製品ではあるが、クリエイターのソロ活動を大きく支援するデバイスだと言えよう。
私はこのQUMARIONを初めて見たとき「これはコミPo!と連動させるといいかもしれない」と感じた。
コミPo!は、3Dモデルのキャラクターなどを活用した漫画を書くための支援ツールだが、このQUMARIONでポーズを取らせた3DモデルをそのままコミPo!上に配置していけば、動きのあるコマも比較的簡単に作成する事ができるように思える。
もちろん、コミPo!だけに留まらないだろう。
今はフリーで高機能な3Dモデルを扱えるソフトも多い。そうしたソフトと連携出来るのはありがたい話である。
なかでもニコニコ動画ではMMD(Miku Miku Dance)は爆発的に普及したが、それらのアプリケーションの中に使うモデルと連携できれば、さらに裾野は広がると言える。
このQUMARIONの最大の問題は、その価格にある。
67,800円という価格は、個人が購入するには多少高い価格だ。
もっと手頃な普及価格帯になってくれれば、もっと3Dモデルを活用した世界が広がるかもしれないが…。
とにかく、今はこういうデバイスが登場した事でより3Dモデリングが身近になった、と考えるに留まる。
DoGA主催のイベントがあった頃が実に懐かしい話である。