この手のネタは新しいハードが出る度に投下してきたのだが、今回は日本が最速発売でなかった事から、日本での分解記事はあまり目立っていなかったように思う。
その替わり…と言っては何だが、海外はかなりガチな分解記事が多かった様で、今回はなんと公式と言われる分解動画までもが公開されていた…。
日本のモノ作りは綺麗
ハードウェアを分解してわかる事の一つとして、日本で設計されたハードウェアはとても綺麗だという事。
Apple製品も分解すれば綺麗と言われているが、日本製品は何をとっても綺麗なものが多く、分解記事を見る度にこれが日本のプロダクトの本当の凄さなんじゃないかと思う。
実際、PS3とXbox360の初期モデルを比較すると、圧倒的にPS3の方が綺麗に見える。それは分解のしやすさという意味でなく、外装を外したときにどれだけ無駄のない作りになっているかという意味であり、またたとえ無駄だったとしても見栄えが良いかという意味である。
何となくそういった見た目の美しさに関してのセンスは、日本デザインの方が優れているように思うのは、私が日本人だから故の贔屓だろうか?
分解でわかるその構造
とりあえず、今回は海外で公式とされる分解動画が公開されているので、まずそれを紹介。
ただこの動画、公式と言われているのだが、WIREDの動画となっている。中身を見ればたしかに公式な中の人の分解だろうと思われるのだが…。
この分解動画の中でHDDに関してのコメントが興味深く『市販の容量の大きなものに交換する事が可能です』と発言している。
PS3も公式にHDD交換を認めていた為、今回のPS4でも同じスタンスを取ったという事だろう。但し、今の所このHDD交換可能な情報として判明しているのは、160GB以上の容量が必要、という事だけであり(情報ソース忘れた…)、最大容量がいくつまで認識するのか? という情報がない。
2.5インチHDDは、つい最近9.5mm厚で2TBというものがSeagateから発表された(現地時間で2013年11月5日に発表)ワケで、この2TBのHDDが使用可能かどうかはまだ解らない。
また、このHDDをSSDに変更する事で、高速化するという手法も考えられるわけだが、どうも今回はPS3の時よりも効果は大きいようだ。
既に海外ではSSDへの換装後の速度比較も行われているようで、その動画が公開されている(英語動画)。
速度の違いが結構でているようである。
だが、考えてみればこれは当たり前の事であり、よりプログラムが大型化していればそれだけローディング時間もかかる事を考えれば、この結果は簡単に予測できる話である。ま、それが実感できるという意味でこの動画には価値があるわけだ。
気づいた人もいるかもしれないが、このHDD交換の時に外すネジの頭に、PlayStationのコントローラーマークである□△○×が記載されている。こんな所にコストかけなくてもいいのに(爆)
これは予測だが…
私の予測では2TBのHDDは認識するのではないかと考えている。
それは、使用しているコアがAMD製のx86コアがベースだからであり、おそらくチップセットも現在のAMD系チップセットをベースにしているからである。
その場合、最大で4GBくらいは普通に認識するハズで、今現在の9.5mm厚2.5インチHDDであれば、最大容量が使用可能という事になるだろうと思われる。
それと、これも私の予測だが、SSDに換装する意味はあまりないだろうと思っている。
というのは、確かに電源投入後の初期起動時はSSDの恩恵を多分に受けると思うのだが、今回のPS4はゲームプレイ時に予めデータを先行読み込みする事が可能(おそらくメモリが8GB搭載となったおかげ)で、シームレスなゲーム展開が可能となっているからだ。
SSDは確かに高速だが、何よりコストパフォーマンスが今はよくないし、容量の問題もある。PS4のHDDは500GBの容量を持つが、ダウンロードによるソフト購入なんかをすれば、あっという間に500GBくらい埋まっていく事になると考えられる(※1)。
であるなら、2TBくらいのHDDに換装しておけば、当面は容量問題に苦しむ事はないだろうし、初期起動時さえ数十秒(数秒?)待てば、より使い勝手のよいPS4になると考えられる。
まぁ、この“Seagate Spinpoint M9T”は、まだ価格的にいくらぐらいになるのかが解っていない(まだ日本市場に出回ってない様子)。ま、11月5日に発表されたばかりのHDDなのでそれは仕方が無い話だが、日本でPS4が発売される2月22日ぐらいまでには市場に出てくるだろうから、その時に同時購入でいきなり換装という手も悪くないかも知れない(予算はかかるが…)。
PCっぽいPS4
分解の話に戻るが、今回のPS4は実にその作りがPCっぽい。
当たり前といえば当たり前なのだが、自作PCを趣味にしている人であれば、PS4を見て「PCと同じやん!」と言ってしまいたくなるだろう。
実際、この分解動画を視て私もそう思ったし、これは外装だけ準備できればPS4型PCを作るのは意外と簡単なのでは? とすら思える。
もっとも、Mini-ITX規格などのPCやNUCで考えれば、もっと小さなPCが今は存在するわけで、できない話でない事は容易に想像が付く。ただ、問題はPS4の性能と互角以上のPCをこの筐体で実現できるか? という事である。
技術的にはx86でも、そのGPUとの融合に関しては随分と手が入ったカスタムチップであり、何と言ってもメインメモリに高価なGDDR5が8GBも奢られているPS4のその速度は、現時点でのミドルパワーPCでは勝てないと考えられる。ハイエンドPCならCPUパワーやGPUパワーで勝つことはできるだろうが、トータルの排出熱量などを考えると、この筐体に納めるのはかなり難易度の高い話である。
あと数年先にならないと、自作PCでこの筐体に収まる上で同等以上の性能を持たせたPCはおそらく作る事はできないだろう。
とりあえず、日本でPS4が発売された後の事を考えると、些か気が早いとは思うが、今のウチに2TBのHDDを想定して臨むのも悪くない。どうせHDD容量が足りなくなるのは間違いない話だ。
むしろ最初に搭載されている容量が500GBというのが心許ない話で、少しでもそう思うなら、せめて1TBくらいは用意した方が良いと思えてならない。