何だかよくわからないタイトルだと思うが、内容的にはSIMロックの事。
自由競争とユーザーの利便性、そしてユーザーの権利などを合わせた理想の未来を考えてみる。
SIMロック解除の義務化?
今年の6月の話だが、総務省が携帯電話会社が販売した端末を他社で使えないようにする機能「SIMロック」の解除を義務化させる方針を固めたという話が出た。もちろん、これは今すぐにどうこうするような話ではなく、今後その動きをしていく、という事に過ぎないのだが、もちろんすんなり行くとは限らない。
そもそも、今のスマートフォンなどは回線キャリアのいろいろなサポートで本体の料金が安くなっていたりするため、もしこれがそのまま施行されたなら、キャリアは大損する事になるし、大損しないようにしようとすると、ユーザーがとんでもない高額な商品を購入する事になるからだ。
一応、総務省のこのような動きに対して、日本の3大キャリアすべてはSIMロック解除の方向性そのものは悪い話ではない、という見解に立っている。但し、無条件で、という話にはならないと見られる。
ここらへんは海外でも似たような問題が起きていて、そういったところの対策などが参考になる。
2年縛りはなくならない?
キャリアが2年縛りにしている理由は、2年の通信費で本体代でサービスした分を回収できるという試算を元にしているからだ。ユーザーが本体代を分割している場合は2年で本体代を返済しおわり、かつキャリアはサービス分を回収できる流れである。
つまり、契約から2年で本来なら本体は完全にユーザーの物になり、キャリアは本来ユーザーを縛らなくてもよくなるワケである。
しかし、現実はそうではなく、2年縛りの基本料金プランがそのままのさばっているのが現状だ。
であるなら、SIMフリーの本体を一括して購入するだけの資金を持っていない人は、2年間だけキャリアのお世話になり、2年が経過した後に、本来ならその本体をSIMフリー化できれば一番良いという結論に至る。
実際、米国でもこのように初回契約から2年経過していればSIMロック解除が可能というキャリアがあるようで、それが本来本体代を返済しおわったユーザーの権利でもあるわけだ。
日本ではまだそういった動きがない為、妙にSIMロックフリー端末を購入する方が良い、とか書いているサイトが多いのだが、それは事実としても、本体代を一括して購入できない人の事を考えるなら、そういう人には最初の2年縛りは仕方が無いとしても、問題はその後の対応であり、そこが米国のような体制になれば、理想の形となる。
総務省がどう動くかが問題
今後、総務省はSIMロック解除を業務改善命令として出す事ができる体制へと持って行く可能性もある。
もちろん、キャリアの抵抗もあるだろうが、キャリア側としても回収すべきものが回収できれば、あまり文句はないハズだ。というか、もしこれで文句を言うようなら、ユーザーが返済した端末に対して自由を与えないという酷い対応をすると言っているようなものである。それこそ業務改善命令の対象となりかねない話だ。
だから…ココからは私の希望的観測なのだが、2015年ないし2016年には、本体代を分割支払いしている人に対しては契約2年間は縛りを設け、その後SIMロック解除が可能になるような動きをするのではないか? と私は予測している。
もし本体代を一括支払いしているなら、手続き料金だけでSIMロック解除できる可能性も考えられる。
もちろん、それをする事で受けられる恩恵も制限される可能性はあるが、少なくとも使わなくなった端末がキャリア縛りで他キャリアで使えないとかそういう話にはならなくなるのではないだろうか?
総務省が今回取りまとめているSIMロック解除の義務化は、キャリアがビジネスとして成り立たなくなる事を目指したものではないだろうし、それでもユーザーの権利などは守らねばならないという側面の上に成り立っている。
であれば、譲れない所はそのままにし、譲れる段階になった所でSIMフリー化へと進む道をとるように思える。
通信回線の自由化の一環でMVNOが生まれ、それで結果的に使える端末が制限されている今、MVNOが目指した方向とは異なる結果が現状にはある。
それを打開する意味でも、SIMロック端末を一定条件下でなくしていく動きは必要と言える。
私の予想が当たるとは言わないが、キャリアが損をせず、ユーザーが自らの権利を守れ、MVNO事業者がビジネスの自由化を手に入れる方法は、この方法がベストではないかと思う。
SIMロック端末でなければ自由を手に入れられない。
そんなバカげた日がなくなる事を私は期待したい。