Windows10に搭載されるゲーマー向けターミナルは私の役に立つのか?
どう考えても…
1月に行われたWindows10のカンファレンスで「Xbox App」が初公開された。この「Xbox App」は、Xbox Liveを介してWindows10とXbox Oneとのクロスプラットフォームプレイを実現したり、あるいはXbox Oneをリモート接続してストリーミングプレイをWindows10上で実現したりと、Windows10ユーザー&Xbox Oneユーザーであれば、遊びの幅が広がるものとなっている。
感覚的に「ああ、PS4とPS VITAが相互利用できるのと同じなのね」という事になるが、一番大きな違いは、Windows10という莫大なユーザーを抱えるであろうOSを利用する、という事である。
何でもMicrosoftの予測では、Windows10デバイスは全世界で15億台にも達すると予測されているそうで、それらのどれだけかの割合のユーザーがこのサービスを利用するだろう、と考えているのだろう。
そもそもWindows10にはゲーマー向けのソーシャルネットワークサービスである「Xbox Live」が標準搭載されるそうだから、Windows10側デバイスは特に何もする必要がない。必要なのは、コンソールとしてのXbox Oneであり、これによって需要拡大までをも考えているのかも知れない。
しかし…私の環境では実際あまり魅力的なもの、とは言い難い。
理由は単純で、Windows10デバイスとなり得るハードウェアはデスクトップPCとVAIO Duo 13ぐらいであり、現時点でWindows10を搭載するであろうタブレットやスマートフォンなどの導入を全く検討していないからである。
仮にデスクトップPCをWindows10にアップグレードした場合、それでXbox Oneのゲームをストリーングプレイしたとする。…私の場合は、ハッキリいって何も「Xbox App」を使わなくてもそのままXbox Oneでプレイすればいいじゃないか、という事になる。何しろ、Xbox Oneを接続するであろうモニターはPCのモニターと同じものを利用するからだ。
仮にVAIO Duo 13でストリーミングプレイをすると考えると…まぁ、多少は便利に感じるかも知れないが、少なくともゲームコントローラーを持ち歩く必要が出てくる為、モバイルに適さない。
あまり有効なサービスとは言えないように思える。
PS4を意識しすぎている?
北米以外でXbox OneはPS4に惨敗している、と私は認識している。
おそらく大きく間違っていないとは思う。PS4は日本国内においてはまだまだ普及台数も少ないが、欧州やアジア圏では絶対的に強いコンソールとなっている。
ただ、北米はセットトップボックスというテレビとの連動機能などでXbox Oneの活躍の場が多いこともあって、最近では随分と盛り返している…という話も聞く。
Microsoftとしては、ここでXbox Oneの優位性を大きくアピールしてPS4との差を縮めるだけでなく、逆転を狙いたいところなのかもしれない。
このリモートプレイに関しても、PS4がPS VITAと既に行っている事をWindows10に置き換えた結果としか思えない。Windows10は莫大なユーザー数を獲得できる可能性が高いOSだから、Microsoftとしてはそれを利用しない手はない。
逆に、SCEはそうしたバックボーンがない為、PS VITAやXperia Z3系を売り続けるしかない。もし、Android OSによるリモートプレイを、Sony製品に限らないようにすれば、Microsoftへの対抗策として有効に働くかも知れないが、この辺りが今後どう変化するか見物といったところである。
もし、仮にAndroid OSに限らず、iOSでPS4のリモートプレイができるようになれば、Microsoftからすれば非常に手痛いダメージを受けるかも知れない。あくまでも可能性の話でしかないが。
そもそもXbox Oneを買わない…
私は、少なくとも「Xbox App」の恩恵は受けないだろうと思っている。
そもそもXbox Oneを購入するつもりがないからだ。
最近はゲームもクロスプラットフォームで開発する事が多く、Xbox Oneオンリーで発売されるタイトルはほぼ皆無と言える。
そういう状態で、私がXbox Oneを購入する可能性はゼロとしか言い様がない。
多分、私と同じ事を考えている人は多いと思う。
だが、それはPS4も同じ事が言える。
最近は、PS4、Xbox One、PCと3つのプラットフォームでゲームを発売するメーカーが増えてきている。PCでのゲーム提供はほとんどの場合、Steamを経由する事になるが、ハードウェアに大きな差がなくなったこれら3つのプラットフォームなら、メーカー側は大きな改変もなく3つのプラットフォームにゲームを提供できてしまう。
ま、全部x86ベースのプログラムであり、違いがあるとすると、AMDのAPIであるMantleを利用するとPCのみ提供が難しくなる可能性もあるが、そういう時はおそらくDirectXで代用できるような方法を採ってくるだろうから、結局は3つのプラットフォームで再生が可能なタイトルで溢れる事になる。
この状態なら、今PS4を持たない人でもPC版タイトルの発売を待つ、なんて人も増えてくるかも知れない。まして日本国内においてXbox Oneを購入する…なんて人はかなり少ないのでは内だろうか?
ま、実際どうなるかはWindows10が正式公開されない事にはわからないが、少なくとも私には恩恵はない話ではなかろうかと思っている。
Windows10…普通にWindows7と同じように使えるOSでありさえすれば、私にとってはそれで十分である。