ま、常に新製品が登場するのだから当たり前。
第9世代
台湾のマザーボードメーカーの話によると、Intelは第9世代Core Processorを来年下半期にローンチするという。Coffee Lakeが今年の秋登場なので、ある意味、時期を考えれば順当な発表といったところだが、どうもその第9世代のCore i7は8コア16スレッドに強化され、Core i5はHyper-Threadingが有効化され6コア12スレッドとなるらしい。またCore i3の上位製品もHyper-Threadingが有効化され4コア8スレッドになるようで、一気にマルチスレッドが進む事になるらしい。
北森瓦版
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-9192.html
…先日6コア12スレッドのCore i7-8700Kを購入した私からすると、何となく微妙な気持ちにはなるが、この噂は前々から出ていた話でもあるので、致し方ない事ではある。
おそらく、最上位は9700Kと呼ばれるだろうというのが以前の噂だったワケだが、問題はこの第9世代が14nm++プロセスのCoffee Lake系(時期的にはCoffee Lake Refreshか?)になるのか、それとも10nmプロセスと言われているCanon Lakeになるのか、はたまた10nm+プロセスと言われているIce Lakeになるのかがわからないという事。
ただ、Canon Lakeは以前よりデスクトップ版の展開は低いと言われているので、結局は二択でCoffee Lake Refreshか、あるいはIce Lakeになると思われる。
しかし、問題は来年下半期にIce Lakeである10nm+プロセスが立ち上がるのか? という事もあり、可能性としてはCoffee Lake Refreshが採用されるのではないか? と私などは予測する。
シングル性能はロクに変わらない?
私が第9世代がCoffee Lake Refreshになるだろうと予測するのにも理由はある。
時期的な問題ももちろんあるが、現在予測されている搭載コア数が8コア16スレッドになるという部分にその答えがある。
おそらく、今年発売したCoffee Lakeと第9世代との性能差が大きくないので、コア数を増やしてマルチスレッドで性能差を付ける、という手段になるから、8コア16スレッドへとコアを増やして差別化するのではないか、という事である。
ここ最近のIntel製コアにありがちな差別化ではあるが、アーキテクチャ的に大きく変わらず、それでいてプロセスでも差がないとなれば、搭載コア数を増やすしかない、というわけである。
そう考えれば、8コア16スレッド化するという理由も納得としかいいようがないし、その結果、Coffee Lakeとはシングルスレッドの性能は変わらない事になる。
増大する消費電力
実際問題、来年の話だし内容など分かりようもないのだが、仮に8コア16スレッド化が進んだとしたならば、多分消費電力はCoffee Lake以上に増加する事が予想される。
Coffee Lakeは8700Kで95Wという、何とか従来と同等レベルのTDPに収まっているが、9700Kはひょっとしたらそれを超えてくるかも知れない。
かつて、IntelでもPentium Dの時代に150WというとんでもないTDPの時代があったが、そこまでは行かないにしてもTDPが120Wとかそういう時代に戻ってしまうような予感がする。
搭載コア数を増やすというのは、単純にマルチスレッド性能を上げる意味ではもっとも効果は大きいと言えるが、純粋に電力を消費する部分を増やすという事でもあるので、性能増大に伴うリスクがついて回るのは仕方のない話。こうなると、マザーボードに搭載する電源まわりのコンデンサ類も当然強化しなければならないので、製品単価が上昇する原因にも繋がっていくだろう。
こうなると、もうIntelもAMDと同じ道を歩んでいく事になってしまう。
こうした消費電力の増大を考えると、ミドルレンジでのマルチスレッド化は、私の予想では8コア16スレッドで一度区切りを迎え、それ以上にはなかなか増えていかないように思う。また増えたとしても、増えた分だけの性能向上はなかなか見込めないように思う。
これがサーバ用途だとまた話は変わるのかも知れないが、通常いろいろな用途で使っていく一般的な使い方だと、いくらアプリケーションのマルチスレッド化が進んだとしても、16スレッド以上あっても能力的には大きく変わらないように思われる。
であるなら、今後はまた省電力へのアプローチが技術のホットスポットになるのではないかと思うし、それを望んでいる人は多いのではないかと思う。
省電力化の波
一度はCore2 Duoの時に省電力化の波が訪れたが、今年に入り、AMDのZenアーキテクチャの登場と共に再び性能向上の為にマルチコア化するという流れを加速したよう思う。
その結果、再び消費電力の増大を招いているわけだが、現状の性能を維持しながら、それでいて省電力化できたら…おそらくそれを待ち望んでいる人は多いと思う。
今後、何となくだがIntelやAMDの向かう方向性は、高性能化よりも高効率、省電力化、という方向ではないかと思う。
それほどまでに今のx86コアの性能は熟成していて延びにくい、という事だと思うが、省電力化も一つの技術革新ではあるので、今度はそちらで競争してもらいたいものである。
それにしても…一年後に8コア16スレッドの第9世代が登場したら、どうするかなぁ…。
しばらく様子見してCPUとマザーボードだけまた交換しようか?
買ったばかりで、次の一年後の事を考えるのは時期尚早とは思うが、予定が見えるというのは、ある種タイミングを逸する原因だな、と改めて思う。