社外製の方が高いじゃん…。
Radeon RX Vegaの供給
既に私のメインPCは組み上がっている事は既にこのBlogでも書いている話。
私はリファレンスデザインのRadeon RX Vega64を昨年11月末に購入しているのだが、本来ならもっと早い段階で社外製のVegaを購入する予定だった。
それは昨年のAMDの予定で9月末には社外製のVega搭載ビデオカードが流通する、という情報を元にした計画だったのだが、その後もずっと社外製ビデオカードは登場せず、結果、リファレンスデザインの購入に踏み切ったというのが事の経緯である。
しかし2018年に入った現在でも、Vegaの供給量は少ないようで、ようやく発売された社外製ビデオカードの供給量も少ないらしい。
しかも、歩留りが悪いのか、社外製で発売されるのはVega56ばかりで、Vega64があまりないというのも気になる所。まだまだ供給安定性が悪いという事なのだろうか?
また、品薄から来る事なのが、当初社外製ビデオカードの方が価格は安くなるだろうと言われていたにも拘わらず、社外製のVega56搭載カードが、現在9万円超という価格で販売されている。ちなみに私がリファレンスのVega64を購入した時は、税込で7万円半ばだった。
私と同じように社外製を待っていた人からすると、何となく聞いていた話と違うじゃないか、という状況のようである。
Vegaを選ぶ理由
前にも似たような事を書いたかもしれないが、正直、今のWindows PCのディスクリートGPUにおいてVegaを選ぶ理由はほとんどないと思う。
ゲームが中心ならNVIDIA系の方が電力効率は良いし、最終的なパフォーマンスもGeForce系の方が上を行く。
また、マイニング中心ならRadeon RX 570等の方がワットパフォーマンスは良いと考えられるが、どうしてもGPUパワーが欲しいという理由であれば、Vegaを選ぶという選択肢もあるのかもしれない。でもそういうのは稀な選択肢ではないかと思う。
つまり、総合的に言ってVegaを選択する理由はほとんどない状況であるにも関わらず、それでも社外製のVega56搭載カードが9万円超という価格で販売されている事実に驚く。コレ、ホントに売れるんだろうか?
投機実行脆弱性
既にVega64を使っている身である私からすると、VegaはまだまだDriverの作り込みは必要な感じはするし、安定性も高めないといけない感じはする。
ただ、投機実行の脆弱性問題の影響を受けない事はわかっているので、パフォーマンス低下問題はなさそうである。
ちなみにNVIDIAは投機実行の脆弱性問題の解決の為にDriverのUpdateが実施されている。おそらく数%の性能低下があるハズだ。それてもごく僅かな問題だろうから、今の地位が逆転する事などあり得ない。
これに現在販売されているコストを加えて考えて見ると、如何にGeForce系がコストパフォーマンスに優れるかという事がよく分かる。
Vegaはおそらく製造プロセスを進化させるか何かしないと、これ以上のワットパフォーマンスは望めないので、今Vega狙いの人はぜひとも新世代のVegaが登場するまで待った方がいいかもしれない。
マイニング需要
Vega64を買った人間がお薦めしないというのも変な話ではあるが、Vegaはライバルと比較すればするほど残念なGPUとしか思えない。
その残念なGPUのアッパーミドルが9万円超で販売されている事実にまず驚くわけだが、これも全ては全世界的なGPU品不足が原因と考えられる。
世界的な話をすると、仮想通貨のマイニングはその不安定さもさることながら投資や投機として人気があり、特に電気代の安い国では事業として大々的に行っている所もある。
サウジアラビアなどでは、その電気代の安さから、ビデオカード1枚あたり、一日で5~20ドルくらいを稼ぎ出すらしい(ビデオカードの性能で価格は変わる)。
なので製品が入荷すると爆買いによってあっという間に在庫が捌けてしまい、本来のGPUの使われ方のメインであったPCゲームを楽しむ人たちの手に渡らないといった事が起きている。
日本でも起きてはいるが、まだまだ日本は手に入りやすい部類で、とある国の店舗では今後半年間の入荷GPUが全て予約されてしまっている、という話もあるらしい。
一応、GPUメーカーは一人2枚までの制限を設けるように店舗側に指示を出している、との事だが、それが確実に守られているとは考えにくい。
この仮想通貨の存在そのものは、おそらく一番最初に仮想通貨を考え出した人たちからすれば予想外の結果ではないかと思うが、労働なく金銭的価値が高まれば当然そこには投資・投機へと発展する事は容易に想像できる話であり、今まさにその状況にあるのが、この仮想通貨というものである。
現在、国によってはその不透明性などを理由に取引を受け付けないといった所も見えてきていて、中国などでは全面禁止としたが、その中国で仮想通貨をマイニングしていた人達は現在インドへと流れているという話である。またインドもそうした人達を受け入れているという事らしく、まだまだこのマイニング騒動は収まるようには思えない状態である。
個人的には、仮想通貨は元々が存在しない価値なので、私は信用できないものと思っている。
これは世の中の貨幣や紙幣などの成り立ちを考えれば分かる話で、昔の硬貨はその物質的価値で価格が決まっていたところから始まり、その後、国の保証を得た紙幣が貨幣の価値を肩代わりする形で広まった。
現在はその国の経済的価値で為替が変動する取引が通常となったが、それこそ国の経済的価値が変化するからこそ行き着いた姿である。
しかし、仮想通貨はそうしたバックボーンがない。お互いにその仮想通貨の存在を計算によって確認し合い、価値を認め合う事で成立しているだけで、物質的価値観は全くない。そういったモノに価値を生み出して行く姿こそ21世紀だという人もいるかもしれないが、何れ何かしらの不正が行われたとき、仮想通貨はその根底が揺らぐ可能性がある。
手を出している人は、その覚悟を今からしておいた方がいいのではないかと私は思う。
話がビデオカードから仮想通貨の話になってしまったが、とにかく今は品不足で入手性が悪い。
欲しいビデオカードがあるのなら、早めに手を打った方がいいだろう。この品不足はいつまで続くか分からないのだから。