一部の噂だがどうも事実らしい。
違いは容量だけじゃなかった
先日発表されたiPad Proだが、Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルで計8モデルが存在するというのは、既に発表された内容であり、またそれら8モデルの違いは基本的にストレージとなるNANDメモリーの量の差のみと思われていた。
しかし、ここにきてストレージ容量1TBの最上級モデルのみ、内蔵RAMの量が4GBから6GBに増量されているという噂が出ている。
つまり、現時点でiPad Proは通信機能以外の内部処理能力として、2モデル存在する事になる。
何のこっちゃ、と思う人もいるかもしれないので、ちょっと説明してみたい。
そもそもストレージ容量と内蔵RAMは、一言でいうとどちらも「メモリー」という表記が成される事がある。
しかし、これら二つの意味は全く異なるものであり、その違いを知らないでいると、時々サポートセンターに問合せした時など「メモリ容量はいくつですか?」と逆に質問されたとき、全く意味の異なる回答をしてしまう事になる。
そもそもストレージ容量というのは、不揮発性のデータを書き込む事のできる記憶領域の容量の事を言う。
一方、内蔵RAMとはCPUやGPUが一時的にデータのやり取りを行う記憶領域の事を言い、保存しなければ揮発してしまうデータが格納される領域の事を言う。
つまり、iPhoneやiPadだと、App Storeなどでアプリをダウンロードすると、ストレージ容量の中にアプリを記録するが、そのアプリを立ち上げるとアプリプログラムは内蔵RAMの中にプログラムを展開して実行される。アプリの利用が終われば内蔵RAM内からプログラムは消され、ストレージ容量の中のみにアプリプログラムが残る事になる。
内蔵RAMとは、即ち一時的にCPUやGPUがプログラムを利用する際に利用する領域であり、この内蔵RAMの容量が大きければ大きいほど、プログラムで扱えるデータ量が増えるワケである。
なので、1TBのストレージ容量を持つiPad Proのみ6GBの内蔵RAMを持つという事は、1TBのストレージ容量を持つiPad Proはその他のiPad Proよりもより多くのアプリを起動させたり、扱えるデータ量を多く処理できる事になる。
コスト的にノートPC以上
このような背景がある事から、iPad Proの高性能モデルを購入しようと思えば、間違いなくストレージ容量が1TBのモデルを買わないといけないわけで、購入価格は20万円に手が届くぐらいのコストになってしまう。
これでは、ノートPCの方が安く買えるじゃないか、という事になる。
たしかに今回のiPad ProはノートPCを置き換える事ができるほどの性能を持つものになったが、価格的な魅力はあまりない、という見方もできるわけである。
iPad Proで20万近くを使うなら、MacBook Airの方が安上がりで使いやすい、という人も出てくるだろうし、場合によってはMicrosoftのSurface Proを選択する方がよい、という事にもなる。
唯一、iPad ProがWindowsノートPCを確実に上回るとすると、搭載するニューラルエンジンによる特殊処理によって、従来とは異なる事で性能を発揮する可能性がある、という事ぐらいである。ニューラルエンジンは、残念ながらWindowsのノートPC等には載せられていない為、比較のしようがない。
よって、深層学習を必要とするような処理となれば、iPad Proはその専用LSIによってより高速処理が可能な為、これがiPad Proの付加価値という事になるだろう。
私としても自分の業務をiPad Proで処理可能か考えたりもしたが、内蔵RAMの容量にグレードで差が付けられているとなると、それならメモリを簡単に増量できる選択肢の方が扱いやすいかな、と思ったりする。
iPad Proも後から内蔵メモリ増量サービスが受けられるのであれば問題はないが、おそらく内蔵RAMは基板直付けだろうから、そうしたサービスは期待できない。
最初から一般的なノートPCを上回る金額で購入するとなると、そこがかなり高いハードルになるのではなかろうか?
一応、1TBのiPad Proの内蔵RAMが6GBではないかという噂の出所を備忘録。
engadget日本版
https://japanese.engadget.com/2018/10/31/ipad-pro-1tb-6gb-4gb/
https://japanese.engadget.com/2018/11/02/ipad-pro-macbook-pro/
ベンチマークの結果から見ても間違いなさそうな感じ。
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