いろいろ調べてたら出てきた情報。
焦る必要が無い?
昨日、欲しいディスプレイがないという記事を書いたが、それに併せて現在のビデオカードの性能がまだ追いついていないと考えていると書いた。
実際そのとおりだと思っているのだが、では現在のビデオカードに関して、NVIDIAとAMDでどれぐらいの差になっているのかという事を再検証しようといろいろ調べていたら、RTX2070とVega64を比較した動画がYouTubeに上がっているのを見つけた。
昨年の10月とかには公開されていた動画なので、今更な話なのだが、思った以上にVega64との差がない事に驚く。
ただ、GTX1080との差も比較されているので、それを考慮するとこの結果はかなりVega64に有利になるようなソフトの選定をしているように思えてくる。なのでこの動画だけで「Vega64ってすげぇ」なんて事は絶対に言えないのだが、新世代Turingとの差を考えるとAMDがGPUに関して極端に焦る必要を感じていないような感じがするのも、何となく納得してしまうから困りものである。
もちろん、RTX2070の上には2080があるという事も考慮する必要はあるし、これで納得してはいけないのだが。
2位じゃダメなんですか?
まぁ、この結果を見てAMDが全く焦る必要が無いかというと、決してそうではないと思う。
こういう性能というのは、指標としても2位じゃダメであり、処理性能を最速に狙って行くか、ワットパフォーマンスを思いっきり引き上げる事を狙って行くかしないといけない。
でないと、採用する側が納得できる理由がない。
現時点では、処理性能に関してもワットパフォーマンスに関してもAMDはNVIDIAに勝つ事が出来ていない、というのが現状である。
そう考えると、AMDの次なる狙いはこのワットパフォーマンスというところに焦点を合わせているのではないか? なんて予想も出来てしまう。
AMDは7nmでNaviというアーキテクチャを計画しているが、これがVega系の性能をミドルレンジに落としたものになると言われている。要するに、微細化によってミドルレンジ以下で利用できるようなワットパフォーマンスにするという事なのだが、同時に微細化によって搭載ユニット数を増やして消費電力を据え置くか若干消費電力を落とした製品を出せば、現在のNVIDIAのTuringを超える性能を達成できる可能性が見えてくる。
もっとも、Turingのようなレイトレーシングや深層学習をやらせようとする事はできないが、現行の画像処理に関して言えば性能は超えてきそうな感じである。
VS RTX2070
単純にRTX2070とVega64の比較動画というのもある。
これを見るとやはりRTX2070の方が相対的に処理性能は上なんだろうなという事はわかる。ただ、驚く程ではないのも事実で、Vega64でも肉薄できている事がよく分かる。
これは私の予想ではあるのだが、動画の投稿された日を考えるとVega64は12月に公開されたAdrenaline 2019の新ドライバを適用した後の性能ではないかと考えられる。
AMDの話だと、2018年の間に更新されたドライバ性能比では最大で15%向上している(但しRX500系での話)という事なので、Vegaアーキテクチャでもある程度の最適化などが行われ、結果として性能が僅かながらでも向上している可能性がある。
ドライバの最適化という意味では、AMDはまだまだ伸び代があると考えられる。ほとんどのゲーム製品が開発中からNVIDIA製品に特化しているところがあり、AMD製品に合せたチューニングが出来ればまだまだ性能が伸びる可能性があると思われる。
ベンチマークなどというものは、結果的にそうした最適化である程度は変わってしまうものなので、あくまでもその時の指標と思った方がよい。
まぁ…だからといって必ずチューニングされたドライバが提供されるという事も言い切れないので、大きな期待はできない。
ハイエンドな部分だけを見ると、このどんぐりの背比べがとても重要なのだが、見る人が見ると、結果的に価格との相談になるので、ワットパフォーマンスだけでなくコストパフォーマンスも見ていく必要がある。
そうなるとAMDは決して効率の良い製品を世に出しているかといえばそうではない。
今後はそのあたりをAMDは問われるのではないかと思う。
CPUだけでなくGPUもAMDにはぜひ頑張ってもらいたい。