ついに冨士フィルムの「X-T4」の仕様が発表された。
5軸6.5段の手ブレ補正
冨士フィルムの次期フラッグシップ「X-T4」の仕様が正式発表された。
発売は4月で価格はオープンプライスとしているが、店頭予想価格ではボディ単体で204,500円前後、XF16-80mmF4 R OIS WR付きレンズのキットが264,500円となる予想。当初からカラーはブラックとシルバーが用意される。
有効約2,610万画素のAPS-Cセンサーを搭載し、センサーは裏面照射型の「X-Trans CMOS 4」となる。搭載する画像処理エンジンは「X-Processor 4」で、現行機種であるX-T3と同等のエンジンではあるが、新搭載のボディ内手ブレ補正はX-H1と比較して8倍のブレ検出精度を持つジャイロセンサーとしゃっタージの微振動を抑制する衝撃吸収機構を採用し、5軸最大6.5段の手ブレ補正機能を搭載した。
連写機能は、メカニカルシャッター時でも秒間15コマで、電子シャッター時には秒間30コマのブラックアウトフリー高速連写が可能になっている。
アルゴリズムをさらに進化させた事で、最短約0.02秒の高速AFを再現し、カメラ側に向かってくる被写体や逆にカメラから離れていく被写体も正確に捉え続けられるという。
動画撮影機能も強化されていて、4K/60p 4:2:0 10bitでのカメラ内SDカード記録が可能になった。なお、HDMI出力ではより色情報の多い4K/60p 4:2:2 10bitでの出力に対応するので、外部に録画できる機能を持たせれば、よりディープなHDR撮影も可能になる。
また、動画撮影用では電子式手ブレ補正を新たに搭載し、手ブレに合せてフレーミングを微調整する事で手持ちによる動画撮影の手ブレ補正を持たせた。さらにフルHD撮影時であれば240pによるハイスピード撮影も可能で、最大10倍のスローモーション映像で再生できる性能を持つ。
正直、センサーや画像処理エンジンがX-T3から据置ではあったものの、想像していた以上に進化していて、手ブレ補正やら動画撮影機能の強化で全く別モノのカメラに仕上がっていると言える。
同じセンサー据置だったオリンパスのE-M1 Mark IIIとは大きな差を生んだ次世代機と言えよう。
俄然興味の出てきたX-T4
私は以前から言っている様にマイクロフォーサーズシステムを使用していて、持っているカメラもE-M1(初代機)とオリンパス推しではあるのだが、そんな私からすると、2代目であるE-M1 Mark IIをスキップした関係から、今回発表されたE-M1 Mark IIIは、ある意味「買い」の機種ではある。
だが、X-T4の性能を見てしまうと、俄然X-T4に惹かれてしまう。
持っているマイクロフォーサーズレンズの数が少ない事から、このまま冨士フィルムのXマウントに突入してしまいたくなる衝動が駆け巡っている。
何しろ、X-T4はこの機能・性能にしてボディ単体で204,500円と、E-M1 Mark IIIと1万円程度の差しかない。
センサーサイズはAPS-Cではあるが、マイクロフォーサーズよりはセンサーサイズも大きいし、ハイレゾショットも付いていないがそもそもハイレゾショットそのものが私にとっては不要なので、X-T4が実に堅実なカメラに見えてくる。
ただE-M1系にもメリットはあって、圧倒的な小型軽量システムである利点は、相手がX-T4であってもまだ優位だし、そのメリットが何物にも代えがたい、と思っている人達がいるのも事実だ。
では、X-T4はシステムとしてどれぐらいの大きさになり、どれぐらいの重さになるのか?
それを明確に体感できれば、オリンパスからの乗り換えもあり得る話になるのかもしれない。
Xマウントのレンズで、明るくて寄れて軽いレンズというのは存在するのだろうか?
正直、今までオリンパス機しか注視してこなかったので、冨士フィルム機の情報があまりない為、システム関係の情報がわかれば、本格的に検討するかもしれない。
兎にも角にも、前機種から据え置かれたものがあるにも関わらず、その評価が大きく分かれたE-M1 Mark IIIとX-T4だが、やはり5年以上据え置かれたセンサーでは、ユーザーの心を掴むのは厳しいのかも知れない。