PS5が来月12日には発売されるが、その時、我がメインPCはコンシューマ機に膝を屈する事になる。
絶対性能では上だろうけれど
以前にも当Blogで記事にした事があるが、来月12日のPS5とXbox Series Xが発売されると、とうとうコンシューマ機のCPUは8コア16スレッドが標準という事になる。
ゲーム機が8コア16スレッドの処理性能を持つのである。数年前では考えられない話だ。
私のメインPCはCPUがIntel Core i7 8700Kであるため、そのスペックは6コア12スレッドになる。当時としてはもちろん最上級のスペックだったが、その1年後にはRyzenが発売され、8コア16スレッド製品が一気に普及し始めた。
IntelもそのRyzenに引っ張られるようにマルチコア化が進み、今ではミドルレンジは物理8コアが当たり前になり、ミドルハイになると8コア16スレッド、10コア20スレッドが当たり前になった。
PS5やXbox Series Xで使用されるAPUは8コア16スレッドではあるものの、GPUはCPUと同じシリコンダイに乗っているものなので、マシンの総合パワーでいえばまだウチのメインPCの方が処理能力は上かもしれないが、それらはすべてGPUの性能による優位性であって、CPUの処理能力としては既に下回る事になる。
このような事態は今まででは考えられない事だが、事実として今のコンシューマ機がここまでの性能になった事実は揺るがない。
メインPCをハイエンド、もしくはミドルハイの性能として保持してきた私からすると、ある意味、屈辱的でもあり、高いハードウェア構成でPCを作ってきた事を考えると、このまま終わっていいのか? と自問自答してしまう自分がいる。
組み直すか
と言うことで、11月に発売が開始されるRyzen 5000シリーズを視野に入れて、新PCを組む事を考える必要があるかも知れない、と思い始めた。
Ryzen 5000シリーズは、そのIPCの高さはIntel製CPUを超えるものと言われている。それ故、今までどうしてもIntelを超える事のできなかったシングルスレッドでもその性能を上回る可能性があり、さらに前モデルからキャッシュを共有するCPUの数が4コアから8コアへと改善された事で、さらなるレイテンシの除去に成功したと言われている。
であるならば、少なくとも私がRyzen7 5600X以上のCPUをチョイスした時点で今のメインPCの性能を超える事になる。
私は次のメインPCは少なくとも物理8コア以上のものを採用しようと考えていたので、現時点での最低ラインはRyzen7 5800Xになる。この時点で8コア16スレッドが基準になるのだが、それだとPS5やXbox Series Xと同等という事になる。
その上を行こうと考えるなら、Ryzen9 5900XかRyzen9 5950Xを選択する必要がある。
CPU単価で言えば、72,000円前後もしくは105,000円前後の予算を用意する必要がある。結構厳しい価格だな、というのが本音だが、16コア32スレッドの性能を105,000円前後の価格で買える時代になったと考えると、相対価格で言えば安い時代になったと言える。
また私の場合、CPUをRyzenにする事でマザーボードも交換する必要がある。つまり、一部のパーツの更新でどうにかなるという話よりはずっと深いレベルで新規組立をする必要がある。
予算というレベルで言えば、結構重量級のPC組立になる事は言うまでもない。
GPUはもっと混迷する
また、新メインPCとしてのコアパーツを考えた場合、GPUはもっと深刻な問題となる。
私はFluid Motionの利用を前提として、現在はVega系アーキテクチャのRadeon VIIを使用しているが、既にRadeonの一般仕様GPUはNAVI系アーキテクチャに移行しており、このNAVI系アーキテクチャは残念な事にFluid Motionが利用出来ない状況にある。
つまり、今の段階ではAMDのRadeonに固執する必要が無い状況になっている。もしNAVI系アーキテクチャでもFluid Motionが利用可能であれば、次のメインPCに採用するGPUはRadeon一択となるが、今の状況ではNVIDIAのGeForce RTX系にしてもゲームプレイには逆に利点しかないという状況である。
ただ、今のNVIDIAの最新GPUであるRTX 3000シリーズと、次期Radeon 6000シリーズの性能差が今一つ見えてこない。どちらも相当な電力消費を覚悟する必要があるGPUだという事は噂では聞いているが、性能的にどの程度の差なのか、また機能的にどんなメリットがあるのかが比較できない状況である。
もしRadeon 6000シリーズがFluid Motionを利用可能にしていれば、その時点で私には選択肢はなくなる。Radeonの最大の差別化であるFluid MotionをAMDが捨ててしまっている事に私は疑問しか感じないが、現時点で対応しているという話は聞かないし、現NAVI系アーキテクチャであるRadeon RX 5700系でFluid Motionが利用可能になっているという話も聞かない。
なので、私からすると次期メインPCにおいて最も判断に迷うのは間違いなくGPUである。
性能別にランクを区別しても迷うかも知れないが、そもそもランク云々の話ではなく、アーキテクチャそのもののレベルで判断が付かない。
まさにGPUは何を選んでも変わらない、という状況に陥るかもしれない。
予算をどうする?
このように、PS5やXbox Series Xを超える性能をメインPCに持たせる案を考えていくと、結構な予算になる事が想像できる。
ではこの予算をどこから引っ張ってくるか? という事がとても大きな問題になる。
貯金を使えば出来なくもないが、この貯金は当然未来に当てた保険的要素の強いものなので、切り崩す事はできれば考えたくない。
しかし、残念ながら今のコロナ禍の世の中、どの業種も景気が良くないのも事実で、入ってくるものを期待する事ができない。つまり、どんなに考えても予算を引っ張りきれないというのが今の状況である。
まして、11月に発売されるというRyzen 5000シリーズは、当初は価格も高めに設定されている。予想価格で前モデルとの比較では1万円くらいは上乗せされて発売されるのではないかと言われている。
そもそもが厳しい状況という話である。
というわけで、今の所この新PCプランは年内実行の予測は立てにくい。実行するとしても、来年が明けてからの話になるだろう。
Ryzen 5000シリーズが11月5日に発売され、一度品薄となり、その品物が再び潤沢に出回る頃、つまり来年1月から2月頃にかけて実行できるかどうか、というのが私の予想である。
それまでには詳しい性能指標なども出てくるだろうし、何より見えていないGPUももう少し情報が厚くなっているだろうと予想する。
Radeon 6000シリーズの情報が少なくとももっと出てこないと、全体的な予想はできない、といった所である。
というわけで、今回は机上の空論の話に終わるわけだが、少なくとも私としてはPS5やXbox Series Xを超えるメインPCは組みたいという意思表示だけはしておきたい。