AnkiでQC検定の勉強を進めている真っ最中だが、そろそろ文字だけではどうにもならなくなってきた。
計算がでてくると…
QC検定は、品質管理の手法などを定義したものだが、この検定の勉強を進めていくと、言葉での説明から徐々に計算問題が出てくるようになる。
というのも、平均値では正確な品質管理上の真ん中のねらい値を見出す事ができないからだ。こうなると、より高度な「分散」や「偏差」というものが出てくるわけで、これを公式で表示しようとすれば、確実に数式を相手にしなければならなくなる。
ところが、Ankiという単語帳アプリを使用して勉強を進めている私からすると、それら数式が関与する問題を扱おうと思ったら、普通の手段ではAnkiを利用する事ができない。
…いや、出来なくはない。
実はAnkiは一部のLaTeX表記に対応している。
LaTeX(ラテック、ラテフ)とは、テキストベースの組版処理システムの事で、特定のアプリケーションを組み込む事で組版された表記がPC等で可能になる仕組みである。
Ankiは、PC版とスマホ版があるが、このLaTeX表記を作り出す事ができるのはPC版のみである。ではスマホ版はどうするかというと、実はPC版でLaTeX表記をプレビューすると、その表記された組版が画像として保存され、スマホでの同期時にその画像が転送され、スマホでも組版が表示されるという仕組みになっている。
なので、とりあえずPCをLaTeXが表示できる状態にさえできれば、あとはどうにかなる、という事である。
MiKTeXをインストール
Windows版であれば、MiKTeXというアプリケーションをインストールする事で、PCそのものでLaTeX表記が出来る様になる。
MiKTeXのインストールに関しては…下記を参照するのが良いだろう。
エレコット
https://elecot.com/anki-latex
上記サイトに、MiKTeXをインストールする方法などが書かれている。
MiKTeXのバージョンが新しくなっている為、ここに書かれている通りにはならないのだが、現バージョンではインストール時に「Install missing packages」をどうするか聞いてくるので、「Ask me first」から「No」を選べば良い。Ankiで数式を使うだけなら、インストールしてした後は基本何もしなくていい。
この状態にしてしまえば、あとはAnkiの上で特定のタグを入れ込む事でLaTeXの書式を受け付けてくれるようになる。
特定のタグというのは、[$$]…[/$$]というもので、Ankiの問題文等の文中に入れ込む事で使える。ただし、真ん中に入れる書式はLaTeX独特の書式になるので、それを記述してやる必要がある。
このLaTeX独特の書式だが、これは以下で生成すると良い。
MyScript
https://webdemo.myscript.com/
上記から「Math」を選べば、数式の手書き入力モードになる。
「Write here」の部分にマウスで記載したい数式を書き入れれば、右上のところにその数式のLaTeX表記が表示されるので、それをコピーすればいい。
そして、その生成されたLaTeX表記を[$$]…[/$$]で囲んでAnkiの文中に記載すれば、その部分が数式表記に変わるハズである。
ちなみに組み込んだ問題の例としてはこんな感じ。
赤枠で囲ったところ、赤線を引いたところが数式表記である(他にもいくつかあるが)。
PCで一度表記さえしてしまえば、私のiPhoneXでも同期すれば数式は表示されるようになる。もちろん確認済みである。
集中学習と分散学習
Ankiを使ってみて思ったのは、短期記憶と長期記憶の特徴を掴んで、かなり早い段階で短期記憶の内容を長期記憶に持って行っている、と実感できるところである。
最初のウチは、紙の単語帳と同様に集中的に覚えようとして短期記憶に頼っている感じがするのだが、理解が深まってきたな、と判断した時、その問題の理解度として何段階かのランクでAnkiに問題そのものを記録すると、Ankiはそのランクに応じて問題の出題頻度を変えてくる為、いつまでも短期記憶にたよった集中学習に留まっていないのである。
理解できた、と自分で感じた問題は、そのランクで集中学習から分散学習へと切り替わり、他の勉強をしている時に、ある日突然その問題が再び出弾されるようになる。
この時、もしも答えを忘れてしまったなら、再び直近で覚えられるランクにすれば良いのであり、答えを覚えていたなら、さらに長期の空き時間を作るランクにしてやればよいのである。
Ankiはこの集中と分散の学習頻度を各問題毎に自動的に記録して再現してくれるので、勉強を継続していればしているほど、その記憶の実感が感じられるようになる。
こんなアプリ、もっと早くに知りたかった…というのが、私の本音である。
汎用性が高く、扱えるまでにも多少時間がかかるのが問題だが、一度自分なりの使える方程式が組み上がれば、それでどんどんと問題を組み込んでいけばいい。問題を作るときにも勉強している時と同じ効果があるし、問題を作り終えればAnkiを使って再び勉強する事もできる。まさに一石二鳥である。
このような分散学習を手軽にできてしまう優れモノのAnkiは、数式の表記も可能である。
恐ろしい程の高機能アプリと言えよう。
PCとAndroidで使う分には無料で使えるので、その環境下の人であれば、手軽に試せるのもポイント。
iOSで使いたい人は3,000円かかるが…正直、私は3,000円でもそんなに高いものではないかな、と思っている。