だが、PCゲームを楽しんでいる人はしばらく待った方がいいかもしれない。
配信、始まる
Windows11の配信が始まっている。
一応、Windows10からのアップグレードの場合は、Windows Updateの通知が表示されるまで待つ事が推奨されているが、クリーンインストールしたい人や、もうとにかく試したいという人は手動でダウンロードする事ができる。
Windows11インストールアシスタントも用意されていて、メディア作成ツールやISOイメージのダウンロードなど、Windows10の時と同様にいろいろなオプションでインストールできる環境が整っているようだ。
もちろん、インストール可能かどうかチェックするアプリケーションも公開されている。インストール要件を満たしていなければ、何が原因なのかも示してくれるようになった。
自分のPCが果たして問題なくWindows11に出来るのかをチェックしてみると良いだろう。
Microsoft Windows11
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11
Microsoft PC 正常性チェック アプリ
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11#pchealthcheck
ちょっと待て
だが、PCゲームを楽しんでいる人はWindows11へのアップデートは少し待った方がいいかもしれない。
海外サイトの「PC Gamer」によると、Windows11のセキュリティ機能によって、そのゲームパフォーマンスが大幅に落ちるという検証結果が得られたと報告している。その影響は、大凡30%の低下だという。
この問題の原因となっているセキュリティ機能は、VBS(Virtualization-based Security)という機能で、仮想化をベースとしたセキュリティ技術で、Windowsに標準搭載されているHyper-Vを利用して、OSの重要部分であるVSM(Virtual Secure Module)を分離してプログラムを実行し、マルウェアへの感染を防いだりする仕組みである。
いわゆるサンドボックスと同じ事と言えるが、MicrosoftによるとVBSは2022年以降のほとんどのPCにプレインストールされる、つまりWindows11搭載PCのほぼ全てに搭載される事になる。
Windows10からのアップグレードだと、VBSがONにはならないようだが、インストールしたPCのBIOSの設定などにも影響されるようで、どのような条件で機能がONになるのかはまだハッキリしない。
だが、Windows11をクリーンインストールすると、ほぼVBSがONになるようで、それが前述のWindows11搭載PCがほぼVがONになっているという理由である。
ただ、このクリーンインストールでVBSがONになる、というのも絶対的な話ではなく、場合によってはレジストリの編集とBIOSの調整が必要な場合もあるようだ。
VBSの状態は? 調べる方法は?
このようにセキュリティ的には実に効果的な事をしているVBSだが、現時点ではその動作に問題があるようで、それが構造的にどうしてもパフォーマンスが落ちるものなのか、はたまた解決策があるのかもまだ判らない。
そもそも仮想化しての動作だから、処理的に遅くなる事は往々にして考えられる。
だが、少しでもパフォーマンスを上げようと改良してくる事は間違いない。
なので、今は受け入れるしかないのだが、ユーザーとしては、今のPCの状態としてVBSが有効になっているのか、それとも無効になっているのかは知りたいところだと思う。
もちろん、それを調べる方法はある。
Windowsの検索ボックスに「MSInfo32」と入力し、表示される「システム情報」の下の方を見れば確認ができる。
また、VBSが有効化されていた場合、無効化する事も可能のようだが、前述したようにレジストリの編集とBIOSの調整が必要なので、今の段階では手軽に切替えはできないと思っていいだろう。
VBSは、米国防総省の要求する水準に達しているセキュリティという事で、今後Microsoftは本格的に使って行くであろう技術だと考えられる。
ならばこそ、セキュリティを担保しつつ、パフォーマンス低下が起きないようになる事を祈りたい。